<文章の書き方>Vol.5 お手紙de“書く”練習編-おまけ- 「季節の挨拶文を書く~ことばdeスケッチ~ 私はこんなふうにやってみました!編 その1」
このnoteでは、私自身がライターとして仕事をする中で教わってきたことや気づき、「私はこんなことを大切にしています」ということを書き綴っていきます。
「文章を書くことに苦手意識があるけれど、気持ちや思いをじっくりと伝えるために、好きになれたらいいなぁ」「自分が出会った素敵な人や場所、出来事について、文章で誰かと共有できるようになれたらいいなぁ」と思っている方にとって、少しでも何かご参考になれば嬉しいです。
1回目の記事で「“書く”コミュニケーションの練習として、1人、誰かのことを思って、そのたった1人に伝えるために書く、お手紙を書いてみませんか?」と提案しました。
お手紙を書くことを通して、伝える力や表現力を磨いていけたらいいのではないかなぁと考え、2回目の記事から「お手紙de“書く”練習」をテーマにお話ししています。
これまでに、練習編①「伝えたいことを書き出し、整理し、型に入れる」、練習編②「つっこんで、内容を深める」とお話ししてきて、前回は練習編③「時候の挨拶を書く~ことばdeスケッチ~」をテーマにお話ししました。
その中で、「時候の挨拶(お手紙の冒頭に書く、その時々の季節のことと、相手を気遣うメッセージ)には定型文を引用せず、自分の感性を生かした独自の表現を楽しむ部分とし、文章を書く・磨く練習をしませんか?」と、その1つの方法として「ことばdeスケッチ」を提案しました。
「ことばdeスケッチ」って?
自分が今、見ている・感じている季節を、絵ではなく、言葉でスケッチしてみようというものです。
その方法として、
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①その日もしくはその週に印象に残った
風景や音、香り・匂い、感覚、心象などを書き出す。
②「①」の中からトピックスやキーワードを選ぶ。
③「②」の中から、
相手に映像が思い浮かぶように、
100文字以内の文章でまとめる。
理想は、その場にいながらのスケッチ!
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という流れを提案しました。
その記事の締めくくりとして、私は意気揚々と「この数日中には実践をスタートして、その報告をしますね!!」と宣言。が! やりたい気持ちはあっても、「また、明日」「また、明後日」「また、今度」と先延ばししてしまうタイプ。
「もう、そろそろ、やらなくては・・・」と、小学生時代の夏休みの宿題のごとく、宣言から1ヵ月半後にトライしました。その報告をします!
私が試してみた3ステップ
私がやってみたプロセスは以下の通りです。
①「この日、『ことばdeスケッチ』をする!」と決心
まず、気持ちが大事。とはいえ、このためだけに外に出たわけではありません。仕事の帰り道に、「5分間」だけ立ち止まって、言葉でスケッチしてみようと心に決めました。
何が一番、「やろう!」と心を突き動かしてくれたのかと言いますと、こうしてnoteを書いていることです。
私の中で「せめて、6ヵ月間は毎月更新!」を目標に掲げていて、8月も終わりに近づくにつれ・・・「そろそろ、やってみないと、記事更新に間に合わないんちゃう?」という焦りがありました(同時に「毎月更新しなくても、ええんちゃう?」という誘惑もありましたが)。
何かをやろうとする時は、こうしたnoteのように、宣言する場、それを実行した際に報告する場を持つのはよいように思いました。
誰も読んでいなくても、誰も気にしていなくても、「もしかしたら誰かが読んでくれているかもしれない場」で宣言することで、その宣言はもう“自分だけのもの”ではなくなる感じがしました。
②いざ! 5分間で「ことばdeスケッチ」
仕事からの帰り道、いつもなら電車に乗ってしまうところ、散歩・ウォーキング・気分転換・リフレッシュも兼ねて、2駅分歩いてみることに。
てくてく歩く中で、ふと「あ、この景色を誰かと共有したい」と心ときめいた景色の前で立ち止まり、スマホで「5分間」をしっかりはかって、言葉でスケッチ!
目にとまったもの、音、香り・匂い、感覚、心象、自分の気持ちなどを、ひたすら書き出します。意識的に情報を取捨選択しようとはせず、気づいたことを、どんどん、どんどん、言葉として書き出していきました。
「5分間」と聞いて、どう思いましたか? 「短い」と思いますか? 「長い」と思いますか?
私は「5分程度なら」と、「短い」と思っていました。だから、始めやすいだろうと設定したのですが。
実際にやってみると、「長い」と思ったんです。慌ただしい日々の中ではあっという間に感じられてしまう「5分間」。しかし、丁寧にまわりの様子を感じようとしていた、この時は長く感じられました。
それを体感できたことも、いい体験!
③「ことばdeスケッチ」の内容を文章化
翌日。100文字程度の文章にまとめてみることにしました。
私が「あ、この景色を誰かと共有したい」と心ときめいた景色前で、言葉でスケッチしたものがこちらです。
この言葉でスケッチしたものをもとに、100文字程度の文章にまとめます。文章をいきなり書き始めるのではなく、まずしたことがあります。
それは、
◎私はその景色を見て、どうして「あ、この景色を誰かと共有したい」と心ときめいたのか?
◎その景色を見た時に、どんな気持ちになったのか?
・・・などを考えること。それが文章で「伝えたいこと=核」になると考えたからです。
私が考えた結果は「噴水の水しぶきが、暑さを少しやわらげてくれたように。暑さや日々の慌ただしさで忙殺されていたところを落ち着けてくれた。『大丈夫!』『リラックス』みたいなメッセージを感じたから、それを伝えたい」ということでした。
景色、そして気持ちを伝えるために書いた文章がこちらです。
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高層ビルが立ち並ぶ都会の中の、水辺の公園。川に臨む噴水から、ぷしゅーっと、水が飛び出てきました。その水しぶきが暑くなっている街中の熱を冷ましてくれるようで。私も暑さ&忙しさでHOTになっていた状態から、ほっと一息。
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お手紙の時候の挨拶とするならば、最後に「○○さんが最近、心が『ほっとしたこと』はありますか?」「○○さんの、最近のほっと、癒やし時間は、どんな時ですか?」など、相手への一文を追記します。
言葉でスケッチした内容と文章を読み比べていただけるとわかるのですが、言葉でスケッチした内容は、ほとんどまったくと言っていいほど、文章には反映されていません。
だからと言って、言葉でスケッチしたことは無駄だったのかというと、無駄ではないんです。
気づいたことを一つひとつ言葉にしていくことで、「噴水の水しぶきが暑さをやわらげてくれた」という景色には、鳥の鳴き声、風の吹き方、川の流れ、魚が飛び跳ねる様子・・・など、こんなにもたくさんの情報が含まれているんだなぁということが発見でした。
また、一つひとつの部分を丁寧に見ていく体験にもなりました。その体験は、物事を丁寧に、細部まで見ていくという視点や感性を育んでくれる気がします。
文章と写真を見比べてみる
先ほどの文章を書く時に意識したことは、「この文章を読んだ人の中で映像が思い浮かぶように」ということです。
読み手が頭の中でイメージを広げられると、伝わりやすくなります。また、私が体感したことも共有できると思うからです。
こちらが私が「ことばdeスケッチ」した景色です。先ほどの文章を読んで、このイメージがどれくらい広がったでしょうか?
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高層ビルが立ち並ぶ都会の中の、水辺の公園。川に臨む噴水から、ぷしゅーっと、水が飛び出る。その水しぶきが暑くなっている街中の熱を冷ましてくれるようで。私も暑さ&忙しさでHOTになっていた状態から、ほっと一息。
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いかがでしょうか? 「全然思い浮かばんかったわー」と率直に思ってもらってもいいです。
「水辺の公園=川に浮かぶ島のような」と表現を加えたり、読み手に合わせて「都会=大阪・天満橋」など相手が知っているだろう地名や事実を追記して具体化したりしていくのもいいと思っています。
こうした一連のプロセスを続けていくことで、私自身、表現を豊かにしていく、磨いていく、いい練習になりそうだと思いました。しばらくは継続あるのみ!
次は「あ、この景色を誰かと共有したい」という景色を写真に撮って、その写真を見ながら、文章を書いてみるのもいいんじゃないかなと考えています。
文章を書くことに慣れること、表現の幅を広げていくことを、もっと楽しくできたらいいなぁ。その一つの方法になればと思いながら。また次回も、私が試してみた方法を共有しますね!
「これでいいのかな」「大丈夫かな?」と不安いっぱいで、ドキドキしながら、書き綴っています。だから、リアクションやサポートをしていただけると、とても嬉しく! 舞い上がります。励みになります。