【随想】ドラマ『海のはじまり』『スカイキャッスル』『笑うマトリョーシカ』
海のはじまり
音楽が『いちばんすきな花』と同じすぎた。
ほぼ続編だ。
内容は全然違った。
過去と現在の行き来がシームレスなので
最初の方少し混乱した。
『踊る大捜査線』の再放送を見ていて
こちらはまったく回想とかないので
最近のドラマは結構回想が多いなと思った。
過去の因果が現在に影響を与えているというストーリーをよく見かける。
逆に回想が入らないドラマの方が新鮮だ。
事件は現場で起きてるんだby青島。
『踊る~』では、今目の前の出来事が物語を突き動かす喫緊の課題。
そこに過去を差し挟む余地はない。
リアル同士が拳をぶつけ合うことに躊躇いはない。
いや今だってリアルはある。
ただ自分が振るう拳がいとも簡単に自分に返ってくるようになっただけだ。
そう未来からも過去からも
すべての因果に今は縛られている。
スカイキャッスル
音楽がよかった。
主題歌が2曲ある。
過去が今を縛りつける。
不幸の連鎖。
救いは、どんな過去があっても友達は手を差し伸べてくれること。
主人公の家族はすべてを失い
また一からやり直す。
それはなんとか整合性がとれていて
まだ行動を理解ができたのだが
塾講師の思考、行動がまったく理解できなかった。
秘書にやらせて
第一発見者を買収して
そして娘を呼び出して真犯人を教えてあげるという謎ムーブ。
塾講師は犯人を誰と伝えたのか?
自分が指示したと言ったのか?
その部分が描かれないまま終わった。
不完全燃焼。
娘は普通に解放されていて真犯人を聞かされて動揺しているというのでもない。
このシーンが展開的に必要だったのかも不明。
秘書が犯人だとして、切り捨てたのだろうか。
そうだとしたら、ラスト自分が捕まるのはおかしい。
なんの捻りもなく普通に捕まったからだ。
また犯行も、杜撰である。
証拠隠滅したかったスマホを奪い取れなかった時点で、塾講師も秘書も、もっと焦るべきだ。
たまたま母親が自分の娘を疑って隠蔽してくれたからいいものの、別の人が拾っていたりそもそも落とさなければそこでもう終了である。
塾講師が最初からずっと悪人で最後まで何の捻りもなく悪人で終わった。
彼女の過去が、今の彼女を作っているということなのだろうが、
親への復讐ではなく、違う親への復讐でその気持ちを解消しようとする気持ちも解せない。
教育虐待を受けていたから、それをしている親を見つけては、不正をして入試には合格させながらも、子供に親への悪意を植え付ける。
だいぶ手間暇のかかる嫌がらせだ。
試験問題の不正も、当人はバレそうなものだ。
だって問題が的中しすぎてるのだから。
なんであんなに余裕綽々、笑顔で落ち着いた感じでいられたのだろうか。
普通に同級生のおとなしい男の子が、その子も試験問題を事前に見ていて、バラされたら大学に行けなくなるかもと思って犯行に及んだとか考えてしまった。
笑うマトリョーシカ
こちらも音楽がよかった。
これこそ物語の8割が過去の話だった。
未来やリアルの話が失われているのかもしれない。
今を今で肯定できない場合に
過去にその原因を求め
物語の中でそのストレスを解消する。
それは穿った見方だろうか。
過去を遡ることで
1人の人物のキャラクターを立ち上げることに
どんな意味があるのだろう。
現在にも未来にも描くべきものがないと
言ってるように感じてしまった。
早見さんの原作はもっと違う感じなのだろうか。