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とりあえず、携帯カメラの功罪

花火大会に出かけてきた。
学生の頃や結婚前などに、会場まで見に行ったことはあったが、席を取って見に行くのははじめてのこと。

夫が「チケットを取った」と言ってきた時には、「意外だなぁ」と思ったのだが、先日の久しぶりのジェフ戦然り、物心ついた子(知識重視・インドア)に、改めて、いろいろな体験をさせたいのだろう。
そして、成長し、親との行動がだんだんと減っていく前に……という気持ちもあるのかもしれない。


さて、はじめて見る席アリ花火はというと、全体像をしっかりと、腰を据えて見られるのがよかった。
電車や出かけた先で偶然チラ見する花火大会も、ラッキー感があって好きなのだが、きちんと席があると、花火の雄大さや迫力を余すことなく受け取ることができる。

ザ・日本の夏の夜!
ちゅどーんっ!!!
カラフル。
戦隊ヒーローが登場しそう。
この色が好き。
開いた中に、細かい色が! 朝顔、蝶、
幾何学模様なと凝った花火もあった。
天の川の中にいるみたい
散りぎわの美。


と、素敵でついつい、写真を撮ってしまっていたのだが……
本当は、レンズ越しで見るより、肉眼で見た方がずっとずっと迫力があるし、色鮮やかなのだ……。


携帯カメラを構えながら、考えてしまった。

(わたしは、今、目の前にある楽しみを、
 本当に全部を感じ取れている??
 携帯カメラをしまうべき??)

とはいえ、後日、楽しい記憶を何度も噛みしめたり、だれか他の人と楽しみを共有するのには写真があった方がいい……。


あぁ、もう!
携帯カメラなどがなくても、見た景色や思い浮かんだ言葉を、脳みそからすぐに写真やテキストにできる道具が欲しいっ!!

「助けて! ドラえも〜ん!!」と叫びたくなるくらい、残したいことがたくさんある夜だった。



とりあえず、目の前の瞬間をより楽しむために、携帯カメラを少し控えるべきかな……?

と思った矢先……

おや? 川の対岸から、
たくさんの携帯画面の光がゆらゆら……


花火大会後に、携帯画面の光で対岸の見物客とサイン交換をするならわしがある(?)ようで、こちら側でも、みんなで携帯を光らせ、手を振っていた。

携帯の無数の光。
花火の光とは比べ物にならない。
でも……

軽い光だけれど、ちがう地域に住む知らない人たちと楽しみを分かち合えるなんて、なんだか携帯も粋じゃないか!

とりあえず、いい悪いは単純に決められない。瞬間ごとに訪れる楽しみを、肉眼だろうと携帯越しだろうと、見逃さないようにしたいなと思う夜だった。

花火そっちのけでお弁当を食う夫も、
見逃さぬように!


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