とりあえず、数があわない
…………
………………
……… じーーーーーー。
ものも言わず、観察するような視線を感じ、目を覚ます。
「休みだよ。起きないの?」
「……。
いま……
何時……?」
「9時45分。起きないの? 休みだよっ!」
「……。
えっ……
ほんとにそんな時間?
……わかったよ。 起きるよ。」
………
………。
朝は苦手なのだ。
返事をしても、すぐに動くことはできない。
起きているような、起きていないような状態で布団の中にいると……
♪ピピッ ピピピッ
8時を知らせる目覚ましの音。
あいつ、2時間も時間をごまかしているじゃないかっ!
しぶしぶリビングに行き、まだ寝ていてもよかったのではないかと不満を伝えてみる。
が、
「朝ごはんはフレンチトーストがいいな〜。
あと、スクランブルエッグと……」
「……卵、3つだけしかない。
3人分だと、
フレンチトーストだけとかなら
作れるよ……。」
「うーん、
フレンチトーストと、
カリカリハムと、
目玉焼き!!!」
……。
卵は3つしかないと言ったじゃないかっ!
時間といい、必要な卵といい、
おまえには、数の概念というものがないのかっ?!
強めにツッコミたくなるような朝のできごとであった。
ただ、
仕事がかわるまで、私はカレンダーどおりに休めなかった。
3人の連休がそろう日がなかなかなかったのだ。
それで、小さな子どものように、楽しみすぎて休みの日に早起きし、浮かれているのかもしれない……
41歳男性の方が。
子どもより、子どもらしい夫なのだ。
とりあえず、家での卵料理はあきらめ、ファミレスのモーニングを食べに出かけた。
浮かれた連休後半のはじまりである。