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とりあえず、月を待てず、月を探しに。

いまだ夏のような陽射しに辟易しているのをよそに、草花はしっかり秋へと歩みを進めている。

あんなに鮮やかに咲き乱れていた朝顔は日に日に色褪せ、枝から揺れて落ちた百日紅の花は、風に吹かれて転がり去っていく。

ふと顔をあげると、青葛藤が実をつけている。透けるような実は、深い青色に染まっていくのだろう。

今夜は中秋の名月。

帰り道、ススキを買いに花屋に立ち寄る。

花々を眺めるうちにススキを忘れ、秋明菊を買って帰る。

白い花びらに小豆色が滲む。
中央には、金色の月……


もう、

待てない。




みたらし。


昼ごはんを食べ損ねていた。
はらへり。
夕方、月を待てずに団子を齧る。

おなかが減っていたら、美しさを感じる余裕だってなくなるんだよ!


久しぶりに川瀬さんの『一日一花』を
引っ張り出してくる。


とりあえず、お腹も満たされた。

中秋の名月を迎えよう。

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晩ごはん前、月を見にいく。

すりガラスに映る月。振り返れども月は見えず。
すべり台の上から。

街中で、電線もマンションも引っかからずに月を見るのは難しい。

でも、垣間見る月も、コレはコレでまた楽しい。

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