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あなたという人間は、これまで出会ってきた人間と、そのことばです。と言ったのは学部生時代の指導教員だ。ああ、たしかになあ。そう思う。最初は素敵なことだと思ったよ? けれどもそれは裏を返せば逆に僕たちは「これまで出会ってきた人間とそのことば」から逃れられないってことなのかもしれない。 それってとても恐ろしい。 それは、真なる創作・創造は存在しない、みたいなハナシになってしまう気がする。でもそれは身に染みて真実のような気がする。その時々に読んだ小説の語彙とか、表現とか、た
序 文学とは何か、といったタイトルの著作は多々あり、名のある文学者たちが挑んできた難しい領域であることは承知している。今回はこのシンプルな題名で、自分なりに文学について考えていることをつらつら書こうと思う。 前提として、この文章の著者であるぼくは、この春から大学院生になる23歳の男である。文学を学び始めて半年といったところのほぼ門外漢ではあるが、初心に筆を取って、書いてみることから始めようと思うのだ。自分の文学観を記録するという意味でも、いいかもしれない。そういうのっ