【旅行記】異常独身男性の九州一周ひとり旅(1)
こんばんは、孤独猿と申します。
このたび、九州をぐるっと反時計回りに一周する9泊10日のひとり旅に出かけてきました。交通手段は車(マイカー)です。
旅程としては、本州から関門海峡を渡り、福岡県、佐賀県を経由して長崎県で2泊、島原からフェリーで天草に渡って熊本県で1泊、鹿児島県で4泊(薩摩半島→大隅半島はフェリーで移動)、宮崎県で1泊、阿蘇を経由して最後に大分県の別府温泉で1泊しました。
かかった費用など、旅行の総括は以下のツイートにてまとめています。
社会人になってから10連休なんて取れる機会は滅多にありませんが、有給が余りまくっていたのと、成人の日を含む三連休があったことで、なんとか無理やり10連休にすることができました(もちろん上司には白い目で見られましたが・・・)。人の移動が多い正月を避け、オフシーズンに快適な旅ができたと思います。
旅行先に九州を選んだ理由ですが、やはりまだ例の流行り病のことも気にかかり、もう少し海外は様子を見ようと思ったのと、単純に福岡・佐賀以外は足を踏み入れたことがなく、この際全部まとめて周遊してしまおうと思ったからです。特に、一番遠くてなかなか来れない鹿児島ではゆっくり時間を取り、多少マイナーな観光地も含めてじっくり堪能できました。
何年か前に買っていたるるぶのガイドブックを見ながら、2か月ぐらい前からおおまかな旅程を立て、1か月ぐらい前にホテルを確保しました。
この記事では1~2日目(九州上陸~長崎)の内容をまとめています。結果すごく楽しい旅になったので、旅の余韻が冷めやらぬままにただの自己満足で書き記しておくものです。文章よりは写真が多く、多少は読みやすいかとは思いますので、お暇な方はどうぞ。
(1日目①)出発、旅の安全祈願
旅行初日は明け方に出発する予定だったのでなるべく早く床につきたかったのですが、業務引継ぎもあったので、年明け早々いつものように21時過ぎまで残業をしていました。荷物の準備はその前日に済ませていたのが救いでしたが、あまり十分な睡眠が取れないまま当日を迎えてしまいました。
当日朝は4時半に起床しました。睡眠時間は短かったとはいえ目覚めは悪くなく、持ち物の最終確認をしたり、簡単に部屋を掃除したりする余裕もありました。
車中泊用の布団を車に搬入したら、自宅を5時過ぎに出発し、ひたすら西に向かって高速道路を爆走します。土曜日明け方の高速は車が少なくてすごく快適でした。少しずつあたりが明るくなるとともに、気持ちも高ぶってきます。この目的地に向かってる時間がなんともいえないですね。やはり旅はよいです。
8時前に関門海峡に到着、本州に別れを告げます。残念ながら天気は微妙でしたが、脱出の瞬間はわくわくします。
そして九州自動車道に乗り、1時間弱で本日最初の目的地に到着。福岡県宗像市の宗像大社です。もちろん初訪問。ここは交通安全の神様が祭られており、旅の安全祈願と初詣を兼ねてお参りしに来ました。
三が日はもう終わっていましたが、さすがにまだまだ初詣の参拝客も多いでしょうから、駐車場が空いているか一抹の不安がありましたが、すんなりと停めることができました。
30分くらいの滞在でしたが、しっかりと神様に思いを伝えることができました。国道3号線からまた高速に戻ります。雨が降り出しており、80km規制がかかっていました。本当は福岡で1泊してグルメと中州の夜の街を楽しみたかったのですが、今回はそれ以外の県を優先したかったのでこれで福岡県を離れます。またゆっくりと遊びに来ます。
(1日目②)弥生人のすみかへ
しばらく高速に乗って佐賀県に入った途端、大事なことを思い出しました。「博多通りもん」買うの忘れた・・・。あれが大好きで、福岡県内のサービスエリアだったらどっかに売ってるやろと思ってどこかに寄るつもりだったのですが、あろうことか頭から抜けてしまっていました。
おそらく、旅程をかなり詰め詰めにしていたし、車移動なのでなるべく早め早めに行動しないとどんな不測の事態が起きるかわからないということもあったので、気持ちが焦っていたのでしょう。今から福岡県にUターンするわけにもいかず、今回は涙をのんで我慢しました。食べたかったな・・・。
ちなみに同じ福岡土産でも「ひよ子」とか「めんべい」とかは比較的九州内の他県でも売られていた印象です。「博多通りもん」はそもそも手に入るお店が少ないんですね。余計その希少価値の高さを思うと、逃してしまったことが悔やまれます。
さて、佐賀県には4~5年前に一度だけ来たことがあります。とはいっても泊まったりしたわけではなく、「虹の松原」と呼ばれる名勝となんとかいう棚田を見ただけでした(今考えたらなかなかにシブいチョイスですね)。
今回も佐賀県には泊まりません。すみません。本当は素通りしてもよかったのですが、せっかくだからと僕の貧相な脳みそで「佐賀県といえば・・・」と考えてみた結果、誰もが一度は歴史の授業で聞いたことがある例のあそこしか思い浮かびませんでした。
高速を降りてまずは道の駅のような施設があったので立ち寄ります。その名のとおり、パンとかお米がウリのお店のようです。
時刻は11:00、地元で有名なラーメン店が近くにあるということで、開店と同時ぐらいタイミングで行けば入れるかなと思っていたのですが、通りかかったらすでに駐車場はいっぱい、お客さんも並んでいたので泣く泣く断念。わきが甘いですね・・・。
その代わりに・・・といったら言い方が悪いですが、車で5分ぐらい走ってGoogle先生に教えてもらったお店に入ります。久留米ラーメンのお店とのこと。店内は大学生くらいの若い店員さんが多く、すごく活気がありました。ラーメンはもちろん、一緒に出してくれたお茶も美味しかったです。
腹ごしらえを済ませたら今日2つ目の目的地に向かいます。入園料と駐車料金を払ったら弥生時代にタイムスリップ・・・と言いたいところですが、なかなかに広大な歴史公園としてかなり整備されていたので一見しても弥生っぽさはありません。地元の人の憩いの場ともなっているようです。ピクニックなんかに来ても良さそうですね。
まずは資料館みたいなところで知識を入れてから弥生人のムラを散策します。歴史の教科書でよく見る竪穴住居、高床倉庫、環濠などが忠実に再現されています。
竪穴住居の中は薄暗くて、一人暮らしにはちょうどいいような広さで、なんか落ち着きましたね。宿泊プランとかあったら面白そうです。
建物ばかりも飽きたので、偉い人のお墓を見に行きます。墳丘墓というやつで、土を何層にも積み重ね、かなりの手間ひまをかけて作られたそう。
(1日目③)長崎県に初上陸
歴史の勉強を終え、時間が結構押してきているのでサッサと高速道路に乗り、初上陸となる長崎県に向かいます。途中サービスエリアに寄って佐賀県のご当地銘菓を購入。ばら売りしてくれるお店は一人旅の身には本当にありがたいです。
高速道路を1時間半ほど爆走し、無事長崎県に到着です。天気も回復してきて、途中の海沿いの景色がすごく良かったです。まずは平和公園周辺の駐車場に車を停め、ぶらぶらと散策したのち、原爆資料館に向かいます。
閉館時間が迫りつつあったので多少かけ足を覚悟していましたが、広島の原爆資料館と比べてコンパクトにまとまっていたので、そんなに焦らずに見て回ることができました。あと、これも広島との比較になってしまいますが、やはり長崎なので、被爆した銅像とか祭具など、キリスト教関係の展示が目立っていました。
さて、お勉強も終わったので、すっかり日も暮れた長崎の街をのんびり車で移動し、本日の最終目的地であるホテルに向かいます。
カプセルタイプでしたが、ドーミーインに泊まるのは初めてでした。大浴場で疲れを取って、いよいよ夜の街に外出です。
(1日目④)中華街にキタ!
意気揚々と街に出てきたはいいものの、すでに時間は20時を回っていたので、中華街にあるいい感じのお店はほとんど閉まっていました。ただ、やっぱり中華といえばあのターンテーブルで食べるのが定番で、一人客が行っても入りづらいだろうなと思っていたので、すぐに諦めがつきました。
とはいえここは長崎、中華街の外にも美味しい中華料理の店がたくさんあるに違いない・・・とGoogleマップで色々調べ、「天天有」というお店に来店。客は僕のほかに地元のおばちゃんが1人。ちゃんぽんは優しい味でした。接客も丁寧で良かったです。やはり旅の楽しみは食ですね。
ちゃんぽんを味わっているといつの間にか店員のおじさんに話しかけられていました。明後日が成人の日だから、若者が同窓会の練習みたいなことをしていて街が賑やかですね、私にも子どもがいたらあんな年頃になっていたんでしょうか、などなど聞いてもいないのに滔々と語り出すので、はぁとしか言えませんでした。
店を出ると、確かにところどころ楽しそうな若者たちで賑わっていました。横目で見ながら、もうあの頃には戻れないんだなぁ、もしあの時に成人式に出ていたら何か人生が変わっていたのだろうか、と、また余計なことを考えてしまいました。
さて、角煮まんじゅうもちゃんぽんも餃子もビールも詰め込んでしまい、この時点で結構お腹はパンパンでしたが、やはりドーミーイン名物の夜鳴きそばを食べないわけにはいきません。
スタッフのお姉さんに少なめにしてくださいとお願いしてみたら、「半玉で1人前となっております」との返答がありました。そんなオプションはないんや、男なら黙って食えとの無言の圧力を感じたので、文句を垂れることもなく素直に目の前のラーメン、そして自分の貧乏根性と向き合いました。
(2日目①)長崎市内をブラブラ
2日目の朝は7時に起床しました。旅先の朝にしては早起きでしたが、実はこの日の午前中に予約していた軍艦島クルーズが運航されるかどうかの最終決定が、7時半にウェブサイトで知らされることになっていたのです。前日の昼過ぎに業者から電話がかかってきて、波が高いことが予想され云々なので欠航になるかもしれないということは聞いていました。
楽しみにしていた軍艦島ツアー、間違いなく今回の旅行の目玉の1つになるはずだったのですが、ウェブサイトには非情にも「欠航(天候要因)」との文字が。残念・・・。
失意の中、ホテルにいても仕方ないのでもう少しゆっくりしたらとりあえず外に出ます。まだ9時にもなっていないので街には人もまばらです。
とりあえず「出島」に来ました。江戸時代の鎖国中に開かれていた例の場所ですね。ポルトガル人を一か所に集めて住まわせるために幕府の命で作られた人工の島です。これが再現されている「出島和蘭商館跡」という観光地があるので行ってみました。
意外と狭いなという印象を受けましたが、それぞれの建物に見ごたえがあり、ゆっくり見ていると数時間はかかりそうです。明治期になると神学校やレストランのようなものも建てられ、日本人と外国人が親交を深める重要な場になったようです。
なお、ここで出島について深く掘り下げている余裕はありませんので(というか、そんな学識も知的好奇心もないので)、ご興味があれば以下の記事で詳しく紹介されていましたので、参考にリンクを貼っておきます。
時刻は11時。昨夜の暴飲暴食が効いて朝は抜いてしまったので、ちょっと早めのランチに行きます。日曜日の昼ということもあり、混む前にご当地の名物を食べさせてくれるレストランへ。
狭いお店でしたがなんとか入れました。有名なお店のようで芸能人のサインがたくさんありました。トルコライスのソースはデミではなくカレーソースでした。これもアリですね!
ちなみに、食後のデザートにとミルクセーキを頼んだはずが、目の前のお皿を平らげてもいっこうに持ってきてくれません。よく伝票を見てみると注文が通っていなかったようです。お客さんも増えてきたし、ここは諦めてさっさと退店しました。
引き続き長崎市内をブラブラ。賑やかなアーケード商店街もあり、活気が感じられます。
さて、商店街を見て回ったら、再び中華街へ。おやつとビールを購入し、オランダ坂の方面に歩いていきます。
そして長崎といえば教会です。さらに10分ほど歩き、大浦天主堂を目指します。基本的に僕は徒歩移動が好きなので、旅行のときは1日2万歩ぐらいは歩くことになります。誰か同伴者がいれば嫌がられるに違いありませんが・・・。
僕はキリスト教徒ではないのですが、しばらく教会の椅子に座り、じっと心を落ち着かせていました。とはいえ、この教会の由来やら何やらを音声ガイドの女性の声がそばでガーガーと繰り返し喋っているので、ムードも何もなかったですが・・・。
一方、展示のほうはかなり充実していました。撮影禁止でしたが、日本のキリスト教史、大浦天主堂の歴史、江戸幕府によるキリスト教徒の弾圧から禁教解除までの流れなど、様々な文物や絵画の展示とあわせてわかりやすく解説されていました。特に隠れキリシタンの潜伏や信仰形態には関心があったので、良い勉強になりました。
1時間ほどで外に出たら日は傾いていました。すぐそばにグラバー園という庭園があり、僕はあまり庭園には興味がないのですが、せっかくここまで来たのだからと勢いで入場します。名前からもわかるように、江戸末期に来日したグラバーというスコットランド人の豪商の自宅があった、だだっ広い庭園です。
グラバー氏本人は、炭坑を開発したりキリンビールの前身の会社を立ち上げたり、もう正真正銘の成功者なので「へ~すご~い!」という感想しか出てこないのですが、むしろ興味深いと思ったのは彼の息子である倉場富三郎の生涯です。
名前からもわかるように彼は日本国籍を取得し、父親の起こした会社を暖簾分けしてもらい(まさに親の七光り!)、同じく日英混血の女性と結婚するなど、ここまでは順風満帆でしたが、太平洋戦争後にスパイ容疑をかけられたり、奥さんに先立たれたりするなど不幸な晩年を送り、最後は終戦直後に自ら命を絶ってしまったようです。富三郎に子どもはなく倉場家の血筋は絶えてしまうわけですが、故郷への思いは強く、財産を長崎の復興のために寄付するなど、篤志家だったことがうかがえます。子どもはいなくても、彼の遺志はこうして現代の長崎に受け継がれているわけですね・・・(結局何が言いたいのかわからなくなったので強引にまとめました)。
さて、今日も1日歩き回りましたが、旅に貪欲な男はまだホテルには帰りません。今度は長崎駅に向かいます。
長崎駅前に到着。大きなショッピングモールもできていて、かなり賑やかです。予想の3倍ぐらい都会でしたね。
(2日目②)長崎は今日も・・・飯が美味い!
さて、ホテルに戻ってまた大浴場で疲れを癒した後、飲みに出かけます。昨日はちゃんぽんだったので、今夜は絶対に皿うどんを食べると決めていました。
やってきたのは「よこはま」というお店です。レトロ感満載の外観と看板に惹かれて入店します。
皿うどん、パリッパリの麺の食感と餡が絡み合い、具材もゴロゴロ入っていて本当に満足しました。ぜひ再訪したいお店です。
さて、瓶ビール1本では全然飲み足りないので2軒目を探しますが、なかなかこれというお店がない・・・。Googleを頼りに、いい具合の立ち飲み屋さんを見つけますが、怖気づいて入店できません(コミュ障にはハードルが高い・・・)。
結局選んだのはアーケード街にあったPRONTOでした。そしてこれが大正解。人もそこまで多くもなく、居酒屋みたいにガヤガヤしていないので、ゆっくりテレビを見ながら酒とおつまみをリーズナブルに楽しめました。
PRONTOというと喫茶店というイメージがありましたが、夜はこんなに使い勝手のいい飲み屋になるんですね!しかも上のツイートのとおり、店員さんがめちゃくちゃ可愛かった・・・。僕が住んでいる県には店舗がないので、今すぐその店員さんごと我が県に移転してきてほしいですね!!毎週通います!!
さて、ホテルに帰ってまた夜鳴きそばを食べて眠りにつきます。この日はスルスルと胃に入りました。
長崎、とても良い所でした!「長崎は今日も雨だった」という有名な歌がありますし、雨が多い所かなと思っていましたが、降られることはありませんでした。軍艦島クルーズを楽しめなかったのは心残りですが、その分街歩きや観光を楽しめたし、そして飯が美味い!!また来ます。(次回に続く)