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里山で女王様にお会いする
キヌガサタケ(衣笠茸、Phallus indusiatus Vent.)はスッポンタケ目スッポンタケ科スッポンタケ属に属するキノコの一種である。純白のドレスを纏ったかのような美しい姿から「キノコの女王」とも呼ばれる。
一度、完全では無い個体に会ったきりで恋焦がれていましたが
近くの里山に顕れたという情報を聞き、遠征当日の雨の朝に。
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基部が見えているということは人為的に抜かれたのではないかと疑っている。
多くのキノコと異なり、本種の胞子の分散は風によらず、昆虫や陸棲貝類などの小動物によるところが大きいとされ、胞子を含む粘液が放つ異臭は、それらの小動物を引き寄せるべく進化した結果であると考えられている。
そしてお会いした際にどうしても確かめたかったのがそのニオイ
抜けていた個体を手にもってグレバ(先端のオリーブ色の部分)の部分を嗅ぐと、思わず声が出るほどのクサさ!強い体臭のような、獣臭。
そしてクサいのはグレバの部分と聞いていたのだけど、手に持った白い部分もクサかったようで、手にその匂いがつく。
最近きのこに興味を持ち、今回会いに行くことを提案をしてくれた同行者に私の手を嗅いでもらうと、「クサすぎてきのこを嫌いになりそう。。。」だそうで。でも抜けていたし、腐敗しているのかもねとさらに散策。
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レース(菌網)が開く前の個体が!
若いからどうかなと思い、先端に鼻を近づけるとやはり先ほどと同じニオイが。
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レースが完全には開いていないけれどもかなり状態の良い個体にお会いする。そしてやはり獣臭。
以前埼玉県の里山で見た個体よりもずっと大きいものが多く、形態も様々。
雨の中出かけた甲斐があったと、とてもうれしく思う。
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同じくスッポンタケの仲間のキツネノロウソク?タイマツ?
こちらのニオイは「栗の花」臭。クサイはクサイけれどもキヌガサタケに比べると淡く、青っぽく植物的なニオイ。
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ハナオチバタケ、しかも紅色型。
なかなか会うことができなかったのにこんな日に会えるなんて!
傘の溝は18本。
表面は色彩に富み、淡紅色から紫紅色、黄土色、肉桂色など様々な色の個体があり、中央部は濃色、表面には放射状の溝(条線)が見られる。大別すると褐色型と紅色の2タイプに分かれるが、褐色型に比べて紅色型は発生数が少ない。傘は乾くと、すぐに萎れてしまい、雨が降ると水分を吸って元に戻るのが特徴[6]。ヒダは直生または離生、粗くて数は少なく16 - 19本[2][4]。
夕方には遠方に出かける予定がありしかも雨天、すこし躊躇したものの赴いて本当に良かった。まさに一期一会ですね。