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「論理的思考法」クイズ!【第3問】「国民の誤解を招くという意味では、真摯に反省をいたしております」

政治家発言の「コント」

日本の政治家は、いつから「お笑い芸人」になったのだろうか? 彼らの発言を聞いていると、まるで「コント」である。コメディアンが観客を笑わせようと意図しているのであれば理解できるが、彼らは国会や委員会や記者会見において公式声明を発しているのである。もはや、幼い子どもたちからさえ、大笑いされるレベルではないか!

読者は、次の発言をどのように思われるだろうか? その発言のあった状況を改めて確認した上で、なぜ「コント」になるのか、どこまで非論理的なのか、いかに日本語が破壊されてしまっているのか、自分自身の頭でよく考えて、発見してほしい。「論理的思考法」のよい訓練になるはずである。

「国民の誤解を招くという意味では、真摯に反省をいたしております」

12月16日、菅義偉首相は、記者団に対し「国民の誤解を招くという意味では、真摯に反省をいたしております」と述べた。

すでに次の記事で述べたように、12月14日、菅氏は、新型コロナウイルスの感染対策を国民に呼びかけ「GoTo トラベル」を全国一時停止することを発表したにもかかわらず、その日の夜、8人で「忘年会」を行っていた。彼らは、高級ステーキ店の鉄板を囲むカウンター席に並んで座って会食し、そこにはアクリル板も会食時マスク着用もなかったというのである。

さて、「国民の誤解を招くという意味では」という発言は、どういうセンスから出てくるのだろうか? 「誤解」するのは「国民」である。ということは、自分は正しいが「誤解」する「国民」が悪いと言いたいのだろうか? あるいは、自分が「反省」するのは、自分の行動に対してではなく、あくまで「誤解を招く」ことに対してだとでも言いたいのだろうか?

この発言に対しては、ネットで「炎上」するほどの国民からの批判が噴出した。さらに、海外メディアでも大きく取り上げられ、その内容は、次の井津川倫子氏の記事にコンパクトにまとめられている。

とくに、『ワシントン・ポスト』紙の記事のタイトルが、菅氏が「flouting virus rules(コロナ対策のルールを無視した)」というのは、注目に値する。一般に「flout」は「バカにして無視する、軽蔑する、逆らう」のような強い感覚の動詞で、菅氏が国民を「バカにして無視する」態度を厳しく批判していると考えられるからである。

なぜ菅氏は、これほどまでに信じ難い「詭弁」を弄さなければならないのだろうか(笑)?

ヒント:「言い逃れ」・「不誠実」・「我田引水」

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高橋昌一郎
Thank you very much for your understanding and cooperation !!!