【キャリア発達理論】ギンズバーグについて学ぶ。【キャリア理論家紹介④】
みなさん、こんにちは。
今回から「キャリア理論の提唱者を紹介するブログ」をシリーズ化していきたいと思います。
このシリーズでは、キャリア理論の発展に大きく貢献した理論家たちを紹介し、彼らの理論が現代のキャリア形成にどのように役立つかを探っていきます。
今回は、初めて「キャリア発達理論」を提唱したギンズバーグについて紹介していきます。
\ あなたにおすすめのブログ /
⚫︎ギンズバーグとは
エリ・ギンズバーグ(1911~2002)は、アメリカの経営学者であり、キャリア発達理論を初めて理論化して提唱した人物です。
次回以降で紹介しようと思っている、キャリア理論家の中でも超有名なドナルド・E・スーパーもこのキャリア発達理論をベースにより発展させていきました。
また、ギンズバーグは、1950年代にキャリア発達理論を提唱しましたが、その後、1970年代に自らの考え方を修正していることで有名です。
⚫︎修正前のキャリア発達理論
キャリア発達理論とは、「年齢や発達段階に応じてキャリアの考え方も発達する」という考え方の理論です。
1950年代(修正前)のキンズバーグは、キャリア発達のプロセスを3つの段階に分けて説明しています。
①に関しては、「職業選択は青年期(小学校〜大学)にかけて時間をかけてゆっくり考えるということ」です。
つまり、小学校〜大学の経験を振り返り、自分の興味・強み・価値観を把握して、職業選択するということです。
②に関しては、「職業選択は一歩ずつ進んでいくもので、一度選んだら後から変更するのは難しい」ということです。
つまり、一度「学校の先生になる」と決めて、実際に学校の先生になった場合、後から転職などの変更することは難しいということです。
③に関しては、「職業選択の際、自分がやりたいこと(欲求)と、現実的にできること(障害)をバランスよく考えるべき」ということです。
つまり、「プロ野球選手になりたい(欲求)」と思っても、現実的に運動神経や体格といったこと(障害)を考慮しないといけません。
そのため、障害が大きい場合、どこかで妥協して「プロ野球選手のトレーナー」や「高校野球の指導者」などの選択肢を考える必要があるということです。
⚫︎修正後のキャリア発達理論
しかし、ギンズバーグは1970年代に以下のように、自らの理論を修正しました。
①に関しては、職業選択は、青年期だけでなく、生涯を通じて行われるという修正をしました。
つまり、自己分析は新卒時の就職活動だけでなく、常に自己分析によって自分の興味や価値観を把握しておくことが重要ということです。
まさに最近の「終身雇用の崩壊」や「人生100年時代」という現実に直面している日本人にとっては、重要な考え方ではないでしょうか。
②に関しては、職業選択は"不可逆的"ではなく、"後戻りも可能"とされています。
つまり、一度学校の先生になったとしても、そこから塾の先生や営業の仕事、またはもっと別の仕事にも挑戦できるということです。
ただし、その場合は時間・お金の損失はあるということです。
③に関しては、妥協から最適化に変わっています。
意味としてはそこまで大きな違いはありませんが、先ほどの例で言うと、「プロ野球選手になりたい(欲求)」と「運動神経や体格といった現実的なこと(障害)」を検討した結果、難しいと判断した場合でも、自己分析によって「どうすれば自分の欲求を満たすことができるか?」というのを考えることで最適な職業選択ができると言うことです。
⚫︎まとめ
今回は、キャリア発達理論を初めて理論化して提唱したギンズバーグについて紹介しました。
ギンズバーグの理論をまとめると以下の通りです。
職業選択は生涯を通じて行われる
職業選択は「後戻り」も可能だが、時間・お金の損失はある
職業選択は個人の欲求とその障害となる現実との最適化である
ギンズバーグの理論は、現在を生きる私たちにとっては当たり前のことですが、その当たり前を構築した人物だと言えます。
次回は、ギンズバーグのキャリア発達理論をより発展させたドナルド・E・スーパーについて紹介していきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
\ あなたにおすすめの書籍 /
\ あなたにおすすめのブログ /