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札幌地裁第2回期日のご報告


1月31日の札幌地裁第2回期日には、傍聴席が半分以上埋まるほどの支援者、メディアにお集まりいただきました。

期日報告会にも多くの参加をいただき、ライブ配信をご覧いただいた方も、みなさん本当にありがとうございました!!

今号では弁護団、原告、支える会メンバーからのコメントをお伝えします。

弁護団コメント

弁護士 寺林 智栄

皆様、札幌訴訟の応援ありがとうございます。

第2回期日もたくさんの方が傍聴やその後の報告会に来てくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、選択的夫婦別姓への期待が決してごく少数の人のものではないと感じています。

選択的夫婦別姓は、それを望む人に多くの利益をもたらすだけでなく、誰にも不利益を与えません。

そうであるにもかかわらず、一部の人たちからは、家族の崩壊を招くなどと毛嫌いされています。

そう思う方が同姓にすることを選択的夫婦別姓制度は全く排除しません。

私たちが言いたいことは、姓が違っても家族の一体性は崩れないと思う人たちに、あなたたちの考えを押し付けないで、ということです。

日本人が全員同じものを信じ、同じ方向を向く必要はありません。

ただ、他人への寛容さ、多様性を受け入れる気持ちを持ってほしい。

選択的夫婦別姓制度の心髄はここにあると思います。

1日でも早く選択的夫婦別姓が実現するよう、弁護団として、力を尽くします。

弁護士 山田 暁子

札幌訴訟の応援、ありがとうございます!

裁判期日後、周囲から「ニュース観たよ!」「応援してるよ!」とたくさん声をかけていただきました。

多くの方から関心を寄せられているのを感じます。

ただ、裁判の行方も、政治の行方も、安心はできません。

旧姓の通称使用を法制化する、なんていう案も出ていますが、実際には「通称」を「戸籍上の氏」と同レベルに使えるようにすることは不可能ですし、「自分の氏を『旧姓』にしたくない。相手の氏も大切にしたい。」という訴えには応えていません。

中途半端にお茶を濁す、何も解決しない「解決策」なのです。

7月には参院選が控えています。

皆さん、ぜひ各候補者の姿勢に注目してください。

そして、6月の次回期日も引き続き、傍聴や報告会へのご参加をお願いいたします。

弁護士 野口 敏彦

今回の期日にも多くの傍聴人の方にお集まり頂いたにもかかわらず、法廷での弁論要旨の陳述が認められませんでした。

選択的夫婦別姓が認められないのと同様に、この国の憲法軽視、人権軽視の姿勢には強い憤りを感じます。

ただ残念ながら、その国の慣例、慣行を変えることは、本当に一筋縄ではいきません。

特に「前例踏襲」が大好きなこの国では尚更です。

慣例、慣行は、多くの人の「無意識」や「常識」に染み付いているものであり、そこをどれだけ「意識化」してもらえるか、「常識を疑って」もらえるかが勝負だと思っています。

そのためには、やはり圧倒的な物量による発信が必要だと思いますので、喩えが悪いですが、いわば「ネズミ講」のように、個人主義•ジェンダー平等の大切さ、そのために行動することの大切さを皆で訴え続けていければと思っています。

フジテレビの問題も然りですが、国民の怒りは沸点に近づいて来ているように思いますので、そこに火をつけ、燎原の火のごとく意識•常識の変化が拡がっていくことを強く期待しています。

札幌原告コメント

原告 西 清孝

傍聴・報告会に来て頂いた皆様、ありがとうございました。

今回も意見陳述は認められなかったことは非常に残念です。

そこまで頑なに拒否する理由は何なのか、気になるところです…。

国会の代表質問ではほほ毎回触れられたりするなど、数年前に比べ、「選択的夫婦別姓」という言葉の注目度はかなり増えてきたと感じています。

昨年の選挙で自民党が少数与党になった影響もあり、国会でも何かしらの動きが期待できそうな雰囲気も漂っています。

ここで選択的夫婦別姓が法制化されるか、国民はきちんと注視する必要があります。

「旧姓使用法制化という誤魔化し案ではなく、選択的夫婦別姓をやれ」と、我々が声を上げ続けることが重要だと思います。

過去30年に比べると、法制化まであと一歩のところまで来ていると思っています。

しかしこの一歩は容易ではありません。
名前を変えなくても結婚できるその日まで、油断せず進みましょう!

※西さん作成の当日ショート動画はこちら!

原告 佐藤 万奈

急に大雪が降り足元が悪い中、第2回期日・報告会に来てくださったみなさん、配信をご覧になってくれたみなさん、ありがとうございました!

今回も法廷での陳述が認められませんでしたね。

裁判長とやり取りをしていた間、えっ、この時間で要旨少しでも話せたのでは??と思っていたのですが、そう思ったのは私だけではないはず...。

「有益性がない」ってかなりパワーワードですよね。

提出したほんとに膨大な量の書面、「紙爆弾」は弁護団の方々の苦労や努力の結晶です。

有益性しかありませんので、是非皆さんお時間ある時に読んで下さい。

首がもげる程頷いてしまうと思います。

次回は6月です。

このもっさり雪が積もっている状況で中々初夏を想像できませんが、引き続き応援よろしくお願いします!

別姓訴訟を支える会メンバーのコメント

別姓訴訟を支える会メンバー まゆげ

第1回期日の後から、いてもたってもいられず、支える会のボランティアに参加しましたいろいろにじいろ屋のまゆげと申します。

第1回期日・第2回期日と傍聴しましたが、裁判長と弁護団とのやり取りは「意見陳述するか、しないか」ばかりです。

この裁判長は、原告の西さん・佐藤さん、そして傍聴席で見守る私たち一般市民を置いてけぼりにして淡々と書面上でのやり取りによって、裁判を進めようとしているようです。

では、私は、何のために裁判を傍聴しに行っているのでしょうか?

私は知りたいのです。

どんな想いで、原告のみなさん、弁護団のみなさんが訴えを起こしているのか。

その訴えを聞いた国は、どんな反論をしているのか。

この目で見て、実際に聞いて、何が起こっているのかを知りたいのです。

多くの国民や制度に影響し、「議論を重ねるべきだ」とされているこの訴訟が【簡略化されて】【形式的な】裁判でいいのでしょうか。

甚だ疑問に思います。

この日本という国の、札幌という街の一市民である、私一人の力はそれほど大きくありませんが、

私は、裁判を傍聴することができます。

私は、裁判の情報を知ることができます。

私は、実際に見て・聞いた情報をいろんな人と話すことができます。

たった一人の、一市民、一国民であったとしても、できることはあるはずです。

多くの人が、忙殺される毎日の中で、見て見ぬふりが上手な大人になっているように感じます。

あらゆる情報が溢れる中で、なんだか知った気になっていることもあると思います。

そんな社会だからこそ、私は、自分の目で見たこと、実際に当事者が話したことをリアルに知りたいし、感じたいと思っています。

そのために足を運んでいるのです。

今後も裁判は続きますが、傍聴や支える会のボランティアを通して、できることをするだけです。

それが私なりの社会への声の届け方だと思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。

別姓訴訟を支える会メンバー 大森啓史

第2回口頭弁論より、支える会ボランティアとして参加しました大森啓史と申します。

冒頭、原告の意見陳述を求める異議申し立てがありましたが、今回も意見陳述は認められませんでした。

裁判長との一連のやり取りで約8分の時間が経過し、前回傍聴した私がそうだったように、傍聴人は何が何だかわからないまま、置いてけぼりにされます。

「知る権利」としての公開原則以前に、裁判長は職業人としての最低限の説明責任すら果たしているように思えませんでした。

国民に広く開かれている以上、傍聴人へ裁判過程を分かりやすく伝える義務はあると、私は考えます。

報告会で、野口弁護士、三浦弁護士から詳しい解説がありましたが、「知らなければ知らないでそれでいい」という国側の態度がうかがえます。

本来の意味を取り違えた「権利と義務」という言葉が、世に氾濫して久しいですが、本来の意味で「権利を行使できる環境を守る義務」を、傍聴そして支える会の動きを通して、私は果たしてゆきたいです。

前回と同じく、口頭弁論中に険しく、見ている私が辛さと内に秘めた覚悟を感じる西さん、万奈さんの表情が深く印象に残っています。

面接でも、書面で確認できる事項であっても、本人から発言を求めることが当たり前なのに、それが許されないなんて!

そして、多数派である男性(シスジェンダー)の当事者意識の希薄さが、私の中で鉛のように重くのしかかっています。

私自身の過去の苦い経験、LGBTQ当事者との関わりを通じて知った、男性特権への気づき、葛藤、裏側にある男性の生きづらさ、それが私の当事者意識へとつながっています。

自民党が少数与党となり、急に「選択的夫婦別姓」がクローズアップされていますが、「ニュースで話題になっている」ところから、意識の変化、政治の変化、制度の実現までは未だ多くの壁があり、宗教右派のバックラッシュも事あるごとに押し寄せてきます。

私は「先は長い」と言いたくないです。

権利が侵害されている状況下での、一分一秒はとても長いです。

一人ひとりは微力でも、変える力になることはできます。

私は、そうありたい。

関わる人一人ひとりが当事者性を持つこと、当事者のエンパワーメントを支えることが支援者の大切な役割と考えています。

今度とも、よろしくお願いいたします。

期日報告会アーカイブはこちら

https://www.youtube.com/live/AwvL01LmWPI

メディア掲載情報はこちら

札幌地裁・第3回期日のご案内

  • 日時:2025年6月11日(水)10時30分~11時(予定)

  • 場所:札幌地方裁判所 805号法廷(大法廷)

☆期日終了後、期日報告会を行う予定です。詳細は追ってお知らせします。

東京地裁・第4回期日のご案内

  • 日時:2025年5月15日(木)11時~

  • 場所:東京地方裁判所 103号法廷(大法廷)

☆期日終了後、期日報告会を行う予定です。詳細は追ってお知らせします。

支える会の連載公開中 

別姓訴訟を支える会では、「全国保険医団体連合会」という、主に医師向けの業界紙に連載を持っています。

原則、会員のみの限定公開なのですが、現在、連載部分を公開してくれていますので、ぜひご覧ください!!

クラウドファンディングにご協力を!

「夫婦別姓も選べる社会へ!訴訟」を支援するクラウドファンディングを実施中です。皆様のご協力により、ファーストゴールを達成しました!!誠にありがとうございます。寄せられたメッセージひとつひとつを見て、いつも感激しています。


とはいえ、これで終了ではありません。長い裁判、今後も活動を続けるためには資金が必要です。訴訟中はいつでも寄付いただけるようオープンにしています。セカンドゴールの設定を検討中ですので、引き続きご協力よろしくお願いいたします!

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