食思考マラソン(10)作り置きながら飲む|太田充胤
本日のメニュー
人参のきんぴら
レタスと大根の浅漬け
葱のコンソメ煮
小松菜・えのき・焼きピーマンのお浸し
鮭の切り身
雑穀米のおにぎり
自宅で1人で飲むときは、複数のおかずをちまちまつまむのが好きです。
先にできたおかずをつまんで飲みはじめ、気が向くとまた台所に立って次のおかずを作ります。
軽いものから始めてメイン、シメと展開していく流れを、時々刻々とうつろう食欲と相談しながら組み立てるのが好きです。
一人暮らしの頃、家でゆっくり飲酒するときには基本的にこういう感じでした。
結婚してからも、妻が当直などで不在の日はこういう飲み方をします。ただ、妻はあまり食事にかける時間が長いと途中で飽きてしまうことがあり、2人で飲むときにはあまりやりません。
一般的に、複数の副菜をちょびっとずつ作るのは「面倒くさい」ことが多いとされます。並行処理できるおかずの数には限りがあるため、調理にかかる時間はどうしても長くなります。おそらく個人差がありますが、私個人の感覚だと一度に作れるのはガスレンジで火を入れるもの、グリルで焼くもの、生に近い状態でたべるもの、でせいぜい3種類くらいではないでしょうか。
いわゆる一汁三菜の場合、この並行処理限界を一品上回ってしまいます。
したがって、手早く準備しようと思ったら一菜は豆腐とか納豆とか、漬物(私自身は食べないですが)とか、調理のいらないものを採用することになります。
三菜を超えるおかずを用意しようと思ったら、ある程度腹をくくってゆっくり準備するほうが、気が急かなくていいなあと思います。ゆっくりついでに、いっそ料理するプロセス自体を酒の肴にしてしまおうというのが、冒頭にご紹介した飲み方の趣旨であります。
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