「春になったら」に寄せて
季節が巡り
愛もまた
巡る
そのひとときを
永遠に変えて
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なかなか連続ドラマにハマれない私が、
久々に、心からドラマを楽しんだ。
それが、「春になったら」。
“面白い”というよりも
“刺さる”と表現するのがしっくり来る物語で
むしろ過去の古傷を抉られて
ジクジクするくらいの場面もあったのだが、
それを全部包みこんでくれるような
優しい空気に溢れた作品だった。
自然に感情移入出来る、あるいは
自己の経験に置き換えられる丁寧な作り方で
終盤はほぼ全編泣きながら見届けた。
写真をキーアイテムにしていたのも
とても良かったと思う。
過ぎ去っていく一瞬を切り取って
永遠ではないものの形に残すもの。
これ以上ないチョイスである。
季節の巡りを重ねる中で
人は出会いと別れを繰り返す。
家族にも始まりがあれば終わりがある。
それは遅かれ早かれ誰もが通る道。
悔いのないように日々を過ごしていきたい。
3ヶ月間の物語を振り返って今、
そんな風に思うのである。
ー東京で桜の開花宣言が出た日にー