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夢建築のキッカケLIFE#2 -夜空が好きなパン屋さんの場合-



「夢建築のキッカケLIFE」
名前のとおり、夢のような建築の些細なキッカケをつくりたい

#1はこちら



#2
夜空が好きなパン屋さんの場合

パン屋さんは早起きだ、なぜ早起きなのか、パンは出来上がるまでに時間がかかるため朝早くから仕込む必要がある、朝パンを食べたい人が多いといったところか

そんな早起きのパン屋さんでも夜空を眺めることが好きな人もいるはず、朝早く起きなきゃいけないのに夜空を眺めていたい、そんな葛藤と闘いながら眠りにつくのだろうか

そんな人のためにつくってみる

そもそも夜空ってなんだろう、何時の空が夜空なのかというところから考えてみる、0時?19時でも暗かったら?寝る前の空限定なのか?夜ふと目が覚めて朝方3時の空は夜空ではないのか?

いやきっと夜空を決める定義は『明るさ』であり『時間』ではないと思う、そう思うとそもそも寝る前だけに見ていた空を、朝もっと早起きしてみれば夜空を楽しめるのではないか

もう勝手に読み替えている

ならば朝起きたときに、スマホを触るよりも先に満点の星空が見えるキッカケがあればいいはず、この時点で寝室、ベッドを考えることにシフトする

寝室やベットのためだけに建築を考えるとなるとなんだかラブホテルの考え方に近いのか、あの空間も異様で正直ベット以外必要のない空間、奇をてらったベッドもあるだろうがそこにベッドがあれば良い

まずぱっと思いつくのはプラネタリウム、あの球体を真ん中で真っ二つにし、リクライニングできるベッドを置いて夜空を見れば最高、お椀状にすれば周囲の情報も遮断されて夜空だけを楽しめる

でもなんかありそう、夢レベルは何だろう

やっぱり人が見れない夜空を自分だけが見れる、それが独占欲をみたせるのではないか、それならばあえて夜空と目の間に水を入れてみるのはどうか、海も中にドボンとおちてそこから空を眺めているような

水は水面に近づけたいからガラスではなく伸縮性の高い膜のようなもの、溜まっている水の量で星の輝き方や揺れ方が変わるかもしれない、そこに器という1枚のレイヤーがあるだけで夜空に額縁が付き、自分だけの夜空になる

どうせならこのキッカケを崖に設置してみるのはどうか、沈んでいく没入感

紅葉の季節には色づいた葉が水に浮かんでアクセントになるため飽きない、水があればどこからか飛んできた種によって自然が生まれるかもしれない、同じ星空を誰が見れるというのだろう

夜空が好きなパン屋さんのための家


さて、次は誰のためにつくろうか





#夢建築のキッカケLIFE

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中川直樹|超体力で不動産と戦う建築家
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