「普段着に着物」でコロナ禍の憂鬱を乗り越えてる話
こんにちは。IT漫画家の湊川あい(みなとがわ・あい)です。
今回は、在宅フリーランスが「普段着に着物」でコロナ禍の憂鬱を乗り越えてる話(現在進行形)をします。
この記事でわかること:
・着物を着れるようになりたい! でも最初は何から始めればいいの?
・着物って高くないの?
・自由に着ていると、着物警察から注意されたりしないの?
ことのはじまり
2020年前半は、毎日の生活に変化がなくて鬱々としていました。元々インドア派であると自負していたのですが、外に出てはいけないと言われるとなかなか苦しくなってくるものですね。
そういうわけで、なんとか気分転換をしようと電動キックボードを買ってみたりしたわけですが
気分転換できる手段を他にも探していたところ、友人から「着物やってみない?」と声がかかりました。
幼少期の頃からすぐそばにあったのに
考えてみれば、着物はいつもすぐそばにありました。
母方の祖母が和裁を、父方の祖母はお茶の先生をやっていたため、幼少期からその姿にふれる機会はありました。
しかし「大人の人が特別なときに着るものだ」「高価なものだから汚してしまうといけない」というイメージ、また七五三や成人式での「息苦しい」という経験から、自分が着るイメージは持てずにいました。
ふれようと思えばいつもすぐそこにあった、でもふれてこなかった文化に少しビビリながらも、足を踏み入れてみれば、そこには素晴らしい世界が開けていました。
見様見真似で着付けしてみよう
皆さん知ってのとおり、新品を仕立ててもらうのは、なかなかお値段がはります。
いきなり上等なものを買ってしまうと、本来の目的である「普段着として着る」ことが達成できません。
まずは、友人が案内してくれたリサイクル着物のお店に行き、必要なものをひととおり揃えました。
「買ったからには早く自分で着れるようになりたい!」
そんな思いで、まずはYouTubeの動画を見ながら見様見真似で着付けてみました。その結果がこちら。
勉強させていただいた動画はこちらです↓
京都で着付け教室をされている「すなお」さんという方の動画なのですが、何しろ説明が丁寧でわかりやすい!むずかしいところはゆーっくりやってくださるので、この動画を見ながら5回練習したら、お太鼓含め30分以内には自分で着れるようになりました。
「着物を着れるようになりたい!でも最初は何から始めればいいの?いきなり着付け教室はちょっと……」という方は、まずはすなおさんの動画をオススメします!
とはいえ、この頃はまだまだ自己流の箇所も多く「おはしょりが長くなりすぎるんだけどどうやるんだろう〜」「帯締をするとお太鼓にシワがよるんだけど、これってお太鼓をもっとキツくしめた方がいいってこと!?」などわからないことも増えてきました。
もちろん、自由に着ていいと思うんだけど、自分は不器用なので、まだ外に出るには自信が持てない感じ……。
着付け教室に行ってみよう
次に、単発での着付け教室に行ってきました。
着付け教室というと「厳しそう」というイメージが先行してしまいがち。
でも、教えていただいた ふくちともこ先生 は「オシャレで自由な着こなしも大歓迎!」という方で、すばやく・綺麗に着れるコツを、楽しく教えていただけました♪
自己流でやっていた部分の疑問点も、しっかり答えてくださり大変勉強になりました。
単発で、少人数でも教えていただけます。
「定期的に通うのはちょっとむずかしいなぁ」という方もぜひ。ふくちともこ先生のTwitterからDMで予約を相談できますよ。
自由に着てみよう
いよいよ「着物普段着」作戦決行です。
特に何かイベントがなくても、家にいながら積極的に着物を着てみることにしました。
↑こちらは、おばあちゃんが昔仕立てたウールの着物。
10年以上収納されていたみたいですが、今でも問題なく着れる柄ですよね。
ちなみに、着物の内側には長襦袢ではなくタートルネックを合わせてあります。この着方は友人が連れて行ってくれたショップ店員さんが教えてくれたものです。
「そっか、必ずしもキッチリ、カッチリしなくていいんだ!」と目から鱗でした。家で仕事する、スーパーに買い物に行く、友達とお茶するぐらいなら何にも問題ないんです。だって普段着なんだから。
タートルネックが首上までカバーしてくれるので、着物の首元も汚れにくいし、ウールの着物だからお家でクリーニングできちゃいます。
ちなみにこの帯はフリマアプリで1500円程、帯締はリサイクル店で1000円ほどです。
どうですか? 思ったよりお金かからないでしょ!(買い物上手をアピールしたい関西人のサガ)
ずっと気になっていた個人作家さんの手作りの帯が届いたので、赤いベレー帽と合わせてみました。
この画像を、お茶の先生をやっていた祖母に見てもらったところ「素敵ね〜!これでブーツを履いて。大正時代ね!」と言われました。大正時代……憧れる……!
洋服ではなかなか無いような色や柄でも、着物という形が一定なので、どんな組み合わせにしてもなぜかそれっぽくなる不思議。
この日は普通に仕事をしたのと、銀行に手続きに行った気がします。
↑ お気に入りの竹のアンティークの帯。最初に行ったリサイクル店で購入したものです。作家物で、少しお値段は張りましたが、見た瞬間「萩原朔太郎(日本近代詩の父)だ!」と思って気付いたら買ってました。
画面では伝わらないかもしれませんが、この淡い若竹色がドンピシャで好みです。
帯揚げや帯締めで、ゴリッゴリッと大胆に好きな色をあてられるので、推しのカラーコーデとかキャラクターイメージコーデとか好きな人はぜひ。ってもうしてるか。してないか? しましょう。
(和服でイメージコーデやってる方はTwitterでちょくちょく観測します。みなさん素敵で勉強になります)
↑こちらも個人作家さんの半幅帯。ところせましとレトロなワードが並びます。「レコード」とか「カステーラ」とか書いてあるの、ツボすぎて気付いたら購入していました。
このツタ柄の着物は、最初に友人が連れていってくれたお店で購入した物で、一番気に入っています。
↑先日の富士通さんでのオンライン配信でも着ていきました。
絹だとなかなか家では洗えないけど、ポリエステルなら家の洗濯機で気兼ねなく洗えるので、一番よく着てるかもしれない。
「絹はなかなか気軽には着づらいな……」という方は、まずポリエステルの中古着物を一点、リサイクルショップ かフリマアプリで購入してみるのはいかがでしょうか。
↑ 先日のオンラインカンファレンス #AgileTechEXPO に登壇したときの様子。お友達に教えてもらったリサイクル店で、気のいいお姉さまにオススメされた中古の正絹です。
お家からの登壇でも、着物だと気分が上がりますね。
↑ 自宅で鍋をしたときの服装です。(カメラアプリの関係で左右反転しててすみません)
フリマアプリで購入した正絹の着物。
足下に大きめの汚れがあり、それが理由で格安出品されていたものでした。
でも、上にスカートを履けばこのとおり! 汚れは隠して、ハカマっぽく着れてしまうのです。
着物の可能性、すごい!
ちなみにスカートはミホマツダで、本来はゴス用のものなのですが、これが不思議と合うんですねぇ。
↑ こちらも着物 + ミホマツダのスカート。小豆を炊いていそう。
内側は黒のレースブラウスです。
着物警察に注意されないの?
「これだけ自由に着ていると、着付けに厳しい方々から何か言われたりしないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
私はまだ普段着に着物を着はじめて数ヶ月しか経っていないですが、一度もそういった場面には遭遇していません。
褒めてもらえることの方が多いです。
自分で着付けをして、初めて外に出るときは少し緊張しましたが、意外と街の人々は、他人の服装なんて気にしていません。
よっぽど注意されることはないと思います。
「ポリエステルの着物だと注意される」みたいな話をチラチラとネットで見かけて、勝手に怯えていましたが、ではポリエステルの洋服を着ていても注意されるのでしょうか?
考えてもみてください。
街角で突然「あなた、それポリエステルのシャツよねぇ? シャツと言ったら正絹じゃないと」「そのワンピース、リボンの結び方が変よ。私が結び直してあげる。これだから日本の文化が〜」などと言ってくる人がいたらどう思いますか?
「え? 普段着だが?」と思いますよね。
もちろん結婚式などの正式な場では、きちんとした着付けが求められると思いますが、普段着で着る分には、自由に着ていいんじゃないかと思うんです。タンスの中で何十年と眠らせておくよりは。
今までなんとなく、ハードルが高くて手が出せなかった着物。
でも案外、すぐそばに入り口はあって、いつでも始められる。
帯締めの緩まない締め方とか、半幅帯の結び方のパターンとか、昔の人の知恵が随所に感じられて感動する。
着物沼に引っ張り込んでくれた友人ありがとう!
まだまだ終わりの見えないコロナ禍ですが、こんなときだからこそ普段ふれてこなかった文化に、半歩足を踏み入れてみる。それだけで新鮮な気持ちになれました。あなたの気分が少しでも上向きになりますように。
まとめ
・着物を着れるようになりたい! でも最初は何から始めればいいの?
→まずはYouTubeの着付け動画を観てみよう
→どうしてもわからないところが出てくると思うので、そのときは着付け教室で聞いてみよう
・着物って高くないの?
→リサイクル店や通販、フリマアプリで1500円から、いいのがたくさんある
→実家にしまいっぱなしの着物がないか聞いてみよう
・自由に着ていると、着物警察から注意されたりしないの?
→褒めてもらえることの方が多い
以上、湊川あいでした。#今日の着物 は時々 Twitter @llminatoll に投稿しています。この記事を読んで「少しでも着物着てみようかな?」という方が増えたら嬉しいです。
それではまた。
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