全部プラ製なオインクゲームズ『藪の中 新版』!『トリックと怪人』より心理戦強め?
さあ! 本当に3日連続来れました、円井零です。
本日はもちろんこちら、オインクゲームズさんの『藪の中 新版』です!
“新版”とある通り、こちらは2010年に発売された『藪の中』のリメイク版。
一部ルールに変更がある他、なんといってもコンポーネントがオールプラスチック製なのが大きなポイント! “豪華版”と言っても差し支えないでしょう。
なお、私はオリジナル版をやったことがないため、その辺の比較ができません。
変更となったルールには触れる程度になります。あしからず。
一方、手元に届くまで、『トリックと怪人』に似てるなー、どう違うのかなーと思ってましたので、その辺の比較もしてみます。
同じく『藪の中』未プレイの方で、この辺が気なる方はぜひご覧ください。
同時発売の『月面探検』『ドコジャン』については以下の記事をどうぞ。
オインクゲームズ『月面探検』が来たぞ!『海底探検』とはまた違う協力ボドゲの面白さ
わしの犬はどこじゃ!?的なオインクゲームズ最新作『ドコジャン』カワイイのに推理とブラフが頭を悩ます
シンプルなのにわからない! 新ルールでブラフ率上昇? いやそれもブラフか……(混乱)
『藪の中 新版』は、芥川龍之介の短編小説『藪の中』をモチーフにした推理&ブラフゲー。
数字が書かれた人型の牌をランダムに3つ、裏向きで並べ、最も大きい数字=犯人を当てる、というシンプルなルールです。
しかし「5」の牌が混じっていたら、逆に小さい数字の牌が犯人に……。
あ、下に倒れてるのは被害者の死体。最後まで誰も表は見れません。
犯人当ては、もちろん当てずっぽうではありません。合計4つの人牌の数字を確認して、推理します。
数字を見られるのは、まず最初にプレイヤーに配られる人牌1つ。
確認後、それを全員左隣に渡すので、新たに回ってきた人牌1つ。
(2人プレイの場合は人牌の移動はありません。代わりに人牌が1つ余るので、それをどちらのプレイヤーも見られるように表にして置いておきます。)
そして、3つ並んだ容疑者のうち、2つだけ。
プレイヤー全員が、微妙に違う情報を元に推理するため、小説よろしく“くいちがい”が発生するのです。
推理は最後に一斉に行うのではないというのも大きなポイント。
まず第一発見者(=最初のプレイヤー)が容疑者の中から好きな2つの牌を選んでこっそり確認。
そしてそのまま推理をし、犯人だと思う牌のところに自分の探偵チップを置くのです。
次のプレイヤーは、前のプレイヤーが探偵チップを置かなかった2つを見ることができ、同じように推理してチップを置く、というのを全プレイヤー繰り返します。
じゃあ後のプレイヤーの方が、前のプレイヤーの推理がわかるから有利なのでは? というわけにはいかないのが、これがブラフゲーたる所以。
最後の犯人確認の後、当たっていた探偵チップは箱に回収されますが、ハズしていた場合はひっくり返し、しくじりチップとして手元に置きます。
なんとこの時、受け取るのはその容疑者に最後にチップを置いた人。
他にも同じところに置いている人がいたら、その人の分まで受け取らなければなりません。
なんでやー!
つまり、後のプレイヤーが混乱して自分の推理に乗っかるよう、意図的に推理をハズしちゃってもOKということ。
しくじりチップは最後の順位に関わってくるので、当然少ない方がいい。
このまんまだと負ける! っていう時は、思い切って勝負を仕掛けちゃいたいわけです。
今回のルール変更は、主にこのハッタリをさらにしたくなるようになっています。
まず、次の第一発見者が、よりブラフをかけたい、下位になる可能性のある人(=しくじりチップが多い人)になりました。
最初に手番を行えるので、後のプレイヤーがより悩ましいことに。
また、さっきさらっと触れましたが、推理が当たったチップが回収されることで、ゲームの終了までがわかりやすくなりました。
(誰かのしくじりチップが5枚以上になるか、探偵チップがなくなるとゲーム終了です。)
それに伴って、チップの枚数が各7枚に増えています。
なお、『新版』でもオリジナルと同じルールでも遊べるとのことです!
肉厚なプラ製コンポーネントはやっぱテンション上がるよね
ルールについてはこんなところ。次はやっぱり目玉のひとつ、コンポーネント!
オリジナル版のコンポーネントは、どれも紙製だったようですが、『新版』は人牌もチップもマーカーも、ぜーんぶプラスチック製に。超豪華。
なのにお値段そのまま。マジ?
人牌はかなり厚みがあり、探偵チップと違ってツヤはないですが、手触りはすべすべしてます。
なお、公式サイトやKickstarterに掲載されている画像は開発中のもので黒いですが、製品版はグレーです。
黒もいいなぁと思いますが、グレーになったのは白か黒かわからないからかな……?
厚みがあるので確認する時めくりやすいですが、ちょっと混ぜにくいです。
なんか袋に入れて混ぜたほうがいいかな? 数字が書いてあるところは凹んでいるので、一応手触りで表裏わかります。
いやまぁ、あんまり触っちゃうと何の数字が書いてあるかわかっちゃうんだけど……。ここはちょっと難しいとこです。
探偵チップはどれもカラフル。ツヤもあり、発色いいですね。
犯人当ての時はヒゲの面で、しくじった時はなんかモヤッとしてる面で受け取りましょう。
1つだけあるグレーのチップは、見ずマーカー。第一発見者が見ていない容疑者の所に置きます。
同じ色の四角いのは、第一発見者マーカーです。
リメイクに当たり、コンポーネントの名称はすべて変更になっているようですね。
同時発売の『月面探検』『ドコジャン』は、結構コンポーネントもりもりな感じでしたが、『藪の中 新版』は割とシンプル。
ですが、全部プラ製なので、満足度は高いんじゃないでしょうか。
これなら飲み物をこぼしても安心?(色が付着する可能性はあるので、こぼさないように気をつけましょう!)
『トリックと怪人』と似てる? ように見えて違うプレイ感
同じくオインクゲームズさんから出ている『トリックと怪人』。
こちらも「数字が最も大きいのが犯人」な推理ゲー。怪人によるブラフ、というか相手をひっかける要素もあります。
私はこの『トリックと怪人』を以前から所有し何度もプレイしていたので、どう違うんかなーと気になってました。
なお、『トリックと怪人』は元々Brain Brain Gamesさんが出されたもので、オインクさんのはリメイク版になります。
私が持っているのはオインクさん版なので、その点ご承知おきください。
先程も言ったとおり、『藪の中』も『トリックと怪人』も、人物に当たるものに数字がひとつずつ当てられており、基本的に大きい数字が犯人となります。
『藪の中』では例外として、そのルールをひっくり返してしまう「5」があるわけですが、『トリックと怪人』はその例外を作る人物がもっと多く登場。
例えば「4」の道具屋のカードが容疑者にいる場合、「9」のやくざは犯人から除外。
逆に本来一番犯人に近い「10」の政治家と一緒に、「2」のバー店主が容疑者となった場合は、バー店主の方が犯人になります。
また、『トリックと怪人』は『藪の中』と違い、数字を直接確認できるのは自分の手札しかありません。
その代わりが情報トークンです。
怪人を除くすべての人物には、青、赤、黄のいずれかの色が割り振られており、各プレイヤーが容疑者として出す際、その色をトークンで示さなければいけません。
そうして出された情報と自分の手札から、誰が犯人か推理する……というのが『トリックと怪人』。
まとめると、『藪の中』は、確認できる情報が絞られている代わりに、数字を直接見ることができる。
『トリックと怪人』は、全体にザックリとした情報を開示する代わりに、数字を直接見ることができない、という感じ。
これ、『藪の中』の方が推理しやすそうに感じますが、実はこっちの方が難しい。
確かに数字そのものがわかるけど、いやいやそれより情報が足りんのです。
「正直わからん」というシーンが何度もありますが、そういう時こそハッタリ、というのが重要になってくるのかも。しかし相手もハッタリかましてるかもだし……。
また、『トリックと怪人』は、1ラウンドで2ゲーム行うのですが、手札は変えません。
そのため、2ゲーム目の方が情報量が多く、より推理がしやすくなっています。
なので『トリックと怪人』の方が、より“推理”に寄ってるのかなぁと思います。
『トリックと怪人』は、手札から容疑者を出す時、ホントは黄色なのに青の情報トークンを置く、とかしてはいけません。必ず正直に置きます。
が、「1」の怪人だけは別。
怪人を出す時は好きな色のトークンを置いてOK。
また、怪人は絶対に犯人になりませんが、もしも他プレイヤーに「犯人だ!」と思わせられたら、怪人を出したプレイヤーの得点になります。
なので、ブラフ、っていうより相手を罠にはめる、って感じですね。
しかし怪人が来ちゃうと絶対にウソをつかなきゃいけないので、なんにも考えずに置いちゃうと速攻バレます。よく考えよう。考えすぎてもバレるけどね。
と、推理要素が高めな『トリックと怪人』ですが、得点の処理が『藪の中』に比べるとちょっと大変っていうか、色々あるので毎回確認してます。
えーと犯人を出した人は1点で、犯人を当てた人は当ててない人の数だけ得点で……、覚えれば難しくありませんが、久々にやるとどうしても、という感じです。
あと、『トリックと怪人』は2人、3人、4人と、プレイする人数によって変わってくるルールもあるので注意ですね。
『藪の中』は牌の数が変わるのと、2人プレイだけちょっと変わる、という感じ。
というわけで、どちらも推理やブラフ的要素がありますが、『トリックと怪人』の方が推理要素が強め、『藪の中』の方がブラフや心理戦的な方が強め、といったところでしょうか。
なお、どちらも2人プレイのほうがガチさが増します。いろんなボドゲがそうだけど。
コンポーネントの面では、『藪の中』の方が抽象的でシンプル、『トリックと怪人』の方がシブい雰囲気、って感じ。
『トリックと怪人』のコンポーネントはプラ製ではありませんが、トークンは木製で、積み木っぽくて好きです。
サマリーカードが黒ベースだったり、容疑者カードに描かれた人物絵が影絵っぽかったり、何かとオシャレ。そもそもロゴがなんかの映画とか舞台っぽい。
結論、どっちも好き。
オインクさんってスゴイよねって話。と、明日はついにゲムマ!
やりきった、やりきったよ僕ぁ……。
3日間、勢い任せのオインクゲームズさん新作3つの紹介にお付き合いいただき、ありがとうございました。
Kickstarterの利用自体が初めてだったので、それについてももしかしたら別で記事にするかもしれませんが、今回のクラファンでオインクさんが世界的に人気なのだなぁと実感しました。
ボドゲはここ数年で、日本でも一気に人気が高まったなぁと素人の私でも感じますが、やっぱり本場は海外、ドイツとか。
また、日本の場合、日本語というとても特殊な言語を使用しているため、海外進出(逆の輸入もですが)はなかなか大変なことなのだろうと思います。
しかしオインクゲームズさんは、私の知る限り、全てに英語の説明書を付けていて、コンポーネントも英語対応になっています。
なんかもう、海外を見据えてる感がスゴイなぁと、もうホント素人丸出しな感じですが思っております。
ちなみに『海底探検』は6つの言語に対応していて、説明書が6枚も入ってます。初めて開けた時は、ひたすら説明書が出てきて面白かった。
えー正直今もう、頭が働いておりません。なのに今から写真撮影の作業です。頑張れ自分。
というわけでもはやお馴染みの締めです。
『藪の中 新版』が気になった方は、3月28日の「ゲームマーケット2021大阪」で!
もう明日です! 書いている今から数えるともう明日です!
ゲムマいいな! 行きたい!
お開き! みんなボドゲやろう!
円井零
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