Vol.33 母親になって忘れていたけど人って頭で思うよりもっともっと遠くへ行ける生き物だ。
bonjour!🇫🇷 毎週金曜日更新のフランス滞在記をお届けします。
手料理を楽しむ友人やスポーツショップDECATHLONをきっかけに、込み上げてきた気持ち。
この気持ちはなんだろう。
その余韻と共に、その日は床についた。
*
次の日は、ボルダリング好きな友人たちに(普通に岸壁に登りに行くという強者たち・・笑)行きつけのボルダリング施設へ連れて行ってもらうことに。
そうそう。4年前ここオランダで彼女たちに連れられ、人生初のボルダリングとクライミングを体験したのだった。
4年前のクライミングの写真。
あの時はドドンと立ちはだかる20数メートルの壁を前に、
「え、絶対無理でしょ・・」
なんて思っていたのに、夢中で登っているうちになぜかすごいところまで登ってしまった。衝撃だったなぁ。人って頭で思うより、もっともっと遠くにいくことができる生き物だ。
今回は、ボルダリング。クライミングよりも一挙手一投足に意識がグッと集まる。集中力が問われる。娘は昨日DECATHLONで買ったトレッキングシューズでチャレンジ。様になってます。
諦めない男、夫は「いや、ちょっと、もう一回行っていい?」
と何度も何度もチャレンジ。
みんな元気だなぁ・・
他人事のようにベンチで休む気満々で(笑)正直あまり乗り気ではなかった私ですが、せっかくなので登ってみました。
あれ?案外登れてる?
身体が4年前のボディイメージを思い出してくる。
でも、あれ?何かがおかしい。
何かがおかしいぞ?
身体は行きたい、と思うのに、手が伸びない。足が上がらない。
あともう一歩、っていうところでガッツが効かない。
きつい、と思ったところからもう一歩アクセルを踏み込む力が湧いてこない。
そこで、
私は昨日から抱き続けるこの気持ちはなんだろう。の正体に気がつくのです。
この気持ちはなんだろう。
その正体は私の底力。
何かに興味を持った時、底から湧き上がってくる力、つまりモチベーション。
しかし、私の底力は文字通り、底をついていて、もはや上に登ってくる活力を失っていたのだった。
・・なんてつらつら書いてますが、
要するに、私は運動不足だったのである(笑)。
え?そんなことないでしょう?育児は身体的にもハードだし、それに産後私は太らなかった。むしろ体重が減ってやつれたよね?と久々にあった人に言われるくらいだ。
だから、毎日毎日自分は運動をしている。そう私は思っていたけれど、それは単なる勘違いで、本当は気力を消耗していただけだったのだ。
その証拠に、改めてちゃんとふくらはぎや二の腕を触ってみたらそこにあるはずの筋肉は指先によくよく神経を集中しないと触れない。こんなの高齢者施設でリハビリをしていた時以来の感触である(笑)。
なんてことだ・・
運動って、
誰かのモチベーションに追随するのでなく、自分のモチベーションに身体をそわせていくものではないと意味がないのだ。
または、もしきっかけは誰かのモチベーションだったとしても、そこに自分のモチベーションを見出せなければ意味がないのだ。
それって、自分がリハビリテーションの仕事についていた時、散々感じていたことじゃないか。こんなに簡単に忘れてしまうんだなぁ。
そういう意味では、私は子どもが生まれてから全くもって運動をしていない。
産後、割と元気な方だと思っていたけれど、それは産前の気力と体力の貯金を切り崩していただけだったのかもしれない。
登る、というシンプルな行為を通じて、忘れていた地熱を自家発電することの大切さを思い出したのだ。
運動の大切さよ。
人って頭で思うより、もっともっと遠くにいくことができるのだ。
運動はそう私に教えてくれる。
*
オランダで友人に連れて行ってもらったボルダリング。登りながらなぜかしらないけれど「育児ってスポーツじゃん!」と思い至った。
背筋を使うってなぜか気持ち良い(笑)。
日本の田舎車生活から一転、フランスに来てからは一日中歩きまわり公園で遊ぶ。
15時にはクローズモードになってしまい「慣れない海外生活大変なんだ...」と落ち込みました。
が、久々に自分のペースで筋肉を使ってみて「いやいや、それって基礎体力が足りてないだけだから。運動量が確実に増えてるんだから、身体を作るための適切な休息と栄養バランスが整ってないんでしょ」と自分に突っ込んでみた。
頭を使わなくていいところで頭を使わない生活で省エネしつつ、身体を使うことにエネルギーを分散させる。
そして一日ちょっとずつ負荷をあげて、という王道を試した結果、なんだか元気になってきた...!
娘を追いかけながら、たまにストレッチをしつつ、「疲労と負荷ってシンプルだけど深いわぁ...」と考えを巡らせる。
( 当時の日記より )
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