084. 美しいカオス|シュタイナーの絵の教室裏の畑
月に一度のシュタイナーの絵の教室、「裏の畑」の日でした。
今月の水彩は、色とじっくり対話をする時間を持ちました。
シュタイナーの水彩では、黄・赤・青の三原色を用い、紙の上で水の力を使って絵を動かしていきますが、今日は改めてこの三色の性質をじっくり考えました。
黄色は拡散していく色、赤はここにあるという存在を主張する色。
青は深い色。シュタイナーの本でも色の概念を紹介していただきました。
いつもは混じり合うこれらの三原色を、一つの色ごとにじっくりと向き合って描きます。
同じ黄色でも、温かい黄色とすっきりした黄色、というように性質の違いを感じながら、異なる黄色を対話させることで深い色の世界へと入って行きます。
わたしの描いた黄色。黄色はとにかく運動性が高くて自由。何か形が見えてくるとたちまち崩して、ただただ色の動きを楽しんでいたくなりました。
続いて赤。温かい赤と深い赤の二色を使って。赤には強い意志や存在感、圧を感じます。わたしは描きながら深いところで煮えたぎるマグマのようなイメージを持ちました。
続いて青。明るいウルトラマリンブルーと暗いプルシャンブルーの二色を使います。青の色を置きながら、左下から右上への流れを感じました。
同系色二色という限定された状況ながら、その表現は多種多様でドラマチック。
それぞれの赤・青・黄の世界がここにありました。
色は心や感情を移す。
心って本当にいろんな風に動いて煩わしいこともあるけれど、こうして色として紙の上で動かしてみると、その在り様が客観的にわかってきたり、扱い方がわかってきたりする。
「美しいカオスなんだよ」
といった先生の言葉がものすごく印象に残った。
後半はフォルメンです。
円と正方形の循環。フォルメンはいつも「描く整体なのだ」と紹介される。
今日は前半のBody workの時間に、丹田に意識を集中させ、全身のバランスを整えるエクササイズをしたのもあり、ものすごく腑に落ちた。
最近、デジタルでお絵描きをする機会が増えて、適当に線や丸や四角などの図形を描いても、オートシェイプ機能で全て綺麗な形に整えてくれるという状況に慣れてきているので、今日のフォルメンはアナログならでは不自由さや思い通りにならなさをいつもより強く感じられた。
それがよかった。
時にはアナログ環境で、身体を通して線を描くことは自分にとってすごく必要なことなのだなと実感した一日でした。もうすぐこの一日一描という100日間絵を描き続けるプロジェクトは終わるけれど、後半はデジタルとアナログの自分なりのバランスの取り方が大切になってくる様な気がしています。