100. 日本画制作|一日一描、100日間のチャレンジが終わりました!
一日一枚絵を描き続けるプロジェクト「一日一描」は、本日で無事100日間の旅を終えることができました。
ここまで応援してくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました!
最終日の今日は少し遠くの絵画教室へ電車でお出かけして、日本画を描いてきました。
抽象的なモチーフから始まって、絵の具を重ねるごとに段々と山と空が見えてきました。
なかなかよく描けました。粒子の異なる岩絵具を何層にも重ねてあるので、日本画特有の凹凸感のある絵に仕上がりました。
絵の具から作るところから始めねばならず、ハードルが高い日本画ですが、こうして構えずに体験させてくれある場があると、家に帰って買ってからもやってみよう!という気持ちになれます。
体験の感覚が消えないうちに、近々描いてみたいと思います。
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最終日ということで、総括する意味で、描いてきた100枚の絵を振り返っています。どの絵にもその時々の思いや出来事、記憶が詰まっており、心動かされるものがあります。
* 7月30日〜9月6日:子どもとの言葉を介さないコミュニケーション期
延長に延長を繰り返した幼稚園の夏休み。
自分一人で没頭したいと焦る気持ちと、娘との時間を大切にしたいという気持ちのせめぎ合いの中で、一日に一枚、一緒に絵を描くという二人で交わした約束が葛藤を鎮め、今しかない時間を楽しむ余裕をちょっとだけ取り戻させてくれました。
・二人で作ったアトリエの看板。
・夏休みが終わっても子どもと制作する時間を大切にしよう、と水曜日のアトリエという企画も始めました。
*9月7日〜10月6日:デジタルイラスト制作期
主にプロクリエイトというお絵描きアプリを使って、今までアナログで描きためてきた絵や、途中で放ったらかしになっているデジタル制作物を完成まで持っていきました。
・LINEスタンプも出してみました。振り返るとこれが一つの大きなターニングポイントになっているかなと思いました。効率よくコンスタントに絵を描いていく中でデジタル制作における必要最低限のテクニックが身に付きます。
市場に出たというのも良かったです。自分の制作物に対して責任感が生まれますし、お客さんの視点で客観的に自分の作品を俯瞰してみるきっかけにもなりました。自分がどんなものを作りたいのか、今後何をどのように練習していけば良いのかがクリアになっていきました。中長期の取り組みには中間部にこういうちょっとしたチャレンジを入れることが有効なのかもしれません。
・アイコン制作の依頼もいただきました。他者に提供できることの喜びがむくむくと芽生えてきます。
・医療職時代に患者さん向けに描きかけた絵本やワークシートをデジタルで起こしてみました。描きながらやっぱりわたしは体のことを描くこと、医学が好きだなと再認識しました。忘れものを拾いに行った感覚です。
そして、やっとこのあたりで娘の長い夏休みが終わり、黙々と制作に取りかかれる時間が取れるようにもなってきました。
・MatsubaLab.という夫と娘との家族ユニットの紹介イラストも描いてみました。この辺りから「イラストを描いてほしい」という仕事の依頼の声が届くようになってきます。
*10月7日〜11月6日:応用制作期(漫画、ロゴ、日本画制作)
デジタル制作で学んだことを総括して、漫画やロゴの制作、そしてずっとやりたかったけどできていなかった日本画制作に取り掛かります。
・自らの妊娠出産の体験記を漫画にした「吾輩はお子である」を描き始めました。漫画制作は文字組やカラーのことも考えなくてはならないので、単独でイラストを描くときよりもデザインやレイアウト技術が必要となりました。
終わってみるとなんと全二十一話の作品となっていて、描き終える頃にはだいぶ漫画の描き方の要領を掴んできて、サクサクとかけるようになりました。来年は一日一描・漫画ver、100日間毎日漫画を描き続ける、とかをやってみようかななんて考え中。
・途中、放ったらかしになっていた自分の名前のロゴをアウトプットできる形にまで整えました。使用ソフトはAffinity designerです。苦手意識の強いベクターイラストにまずはチャレンジできたので、これは一日一描が終わってから練習していきたい分野です。
そして最終日。
兼ねてからやりたかった、日本画制作をもって100日間の工程を終えました。
描いた絵には100日間のエッセンスがぎゅぎゅっと詰まっています。
ここまで応援してくださった皆さまには、心より感謝申し上げます。
ありがたいことにこのプロジェクト中盤あたりからイラストのお仕事の依頼をいただくようにもなり、引き続き、絵を描き続けるモチベーションを持てるのがとても嬉しいです。
100日間という期間は、技術を取得するにはちょっと短いような気がします。けれど、自分のモチベーションの方向性を知り、「とりあえずやってみた」という経験をいくつも自分にさせ、スタートラインにのせてあげるには十分な期間だと思っています。
これで100日間のプロジェクトは終わりますが、今はじっくりと描いてきた絵を味わいつつ、この工程がどこかで新たな創造への足がかりとしてこれからも生きつづけてくれたらいいなと願っています。