腸内細菌と母性のアップデート|裏の畑Body work部@オンライン
9月16日(木)。
月に一度のシュタイナーの絵の教室「裏の畑」の前半にて、Body work講座を担当しています。今月はわたしが長野にいる関係でオンラインにて行いました。
この講座のテーマは「季節と体」。
二十四節気と占星術という二つの暦をうまくブレンドさせながら、今の時期に必要なボディワークや瞑想を組み立てています。この二つの暦は毛色や分割の仕方が違えど、どちらも地球から見た太陽の通り道のポイントにつけられた名前です(二十四節気は24分割、西洋占星術は12分割)。
この講座では、この二つの暦を太陽が地球にもたらす季節のあり方や、体への作用について知るために活用しています。
さて、今は二十四節気では白露、占星術では乙女座の時期です。白露とは、外気が冷えることで露を生じる時期のこと。これは、外側の熱が引いていくことで、反対に内側の熱の形がはっきりと現れる時期といえます。
また乙女座とは、分解する・選別をする、という作用を持ち、体の部位では腸に対応すると言われています。腸といえば、東洋医学的にも夏は小腸系、秋は大腸系が活発になりやすいことからも、この時期、腸のケアが大切であることがわかりますね。
そんなわけで、今月は腸、特に腸内細菌をテーマに扱ってみることにしました。
わたしたちの腸内には、種類にして100種類、数にして100兆個あまりの細菌たちが暮らしています。それはまるでお花畑のように見えることから「腸内フローラ」とも言われています。ボディアストロロジーの著者・松村潔は腸内の構造はまるで地球をひっくり返したようだ、と言っており、腸内細菌はまるで地球に住むわたしたち人間のようだ、とも。なるほど。
それで思い出したのが、腸内細菌の割合のお話。理想的なバランスは善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7で、これが1:2:7になると何かしら調子がおかしくなるというのです。この割合を決めているのは日和見菌という善玉にも悪玉にもどっちにも転びやすい性質を持った菌たちで、このあたりが社会の構造にもリンクして面白いなぁと思ったのです。
絶対的な善があるわけでも、絶対的な悪があるわけでもなく、わたしたちの体や思考はいつでも不確定なものに左右されているわけですね。
さて、今回のテーマは「腸内細菌と母性のアップデート」ということですが、実はこの腸内細菌の基本パターンは母親から受け継いでいるのだそうです。
胎児の腸内にはまだ細菌は住み着いていないけれど、産道を通ってくるときや、生まれてきてお乳を飲んだり近くで触れ合ったりする中で主に母親からたくさんの菌をもらいます。
腸というのはセロトニンなどを分泌するなど脳の活動にも大きく関わっており、わたしたちの日々のメンタル状況を左右することもわかっています。つまり、わたし達の日々のメンタルやご機嫌状態の初期設定というのは母親から受け継ぐ要素が大きいというわけです。
そこで、今回は腸内細菌にフォーカスを合わせ、母親から受け継いだ傾向性を知り、それをアップデートするという誘導瞑想を行ってみました。
お腹に手を当てて、そこにある感覚を味わうことから始めて、手の下に一つの地球があるというイメージに繋がってみます。そして、腸内細菌との対話のイメージを通じて、今の自分の体に本当に合っているもの、合っていないものを探るというワークをしてみました。
今回はオンラインでしたが、目を瞑りイメージの世界に入ると、あたかもそこにみんながいるような気がしました。不思議です。
最近の研究で、腸内細菌は多種多様で、本当に人それぞれ違うということがわかってきています。それはまるで一人一人が違った惑星をそのお腹の中に持っているようです。
(会場の写真は、Yさんに撮っていただきました。いつも素敵なお写真をありがとうございます。)
体が出来上がるまでの子どもは一日三食、きちんとリズムを作って栄養バランスよく食べていくことはある程度必要でしょう。また、王道の食事法は効果があることは確かです。
ただ、ある程度体が出来上がった成人にとっては、一日に何回、この時間に、これを食べれば、というもんぎり型の食事法よりも、本当に自分に合った食事を、合った時間に食べていくのが良いのだろうなと思いますし、体はきちんと知っているのだと思います。
あらゆるものから守られ、すくすくと育っていくようにと母親から整えてもらった初期設定を、時が来たら、自分らしいスタイルにちょっとずつアップデートさせるのでしょう。自分ならでは母なる地球・多種多様な生命を育む土壌をお腹の中にこしらえていくのだろうと思います。
今回はかなり盛り沢山なテーマで、内容もなかなかマニアックなものとなりましたが、真摯に付き合ってくださった裏の畑メンバーの皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。ここまで読んでくださった読者の方にも心よりお礼申し上げます。いよいよ冬に向かって、秋が深まっていきますね。
春にデメテル(母)と再会するベルセポネ(娘)は、冬に離れる期間を通して新しい創造を知る。