中国のゲームライブ配信についてまとめてみた!
ゲームユーザー6億人の中国ではeスポーツの人気が高く、ライブストリーミングも進化し続けています。今回はビックカンパニーを中心に固まりつつある中国ライブ配信業界の今をご紹介します。
はじめに
こんにちは。Spicemart(スパイスマート)です。
私たちはアジアや北米を中心に、ゲームの開発・運用に役立つ情報を収集・分析し、お客さまであるゲーム企業に情報提供をしている調査会社です。
このnoteでは、「ゲームやアニメが好き」「世界のゲーム事情を知りたい」といった方々にも興味を持っていただけるような内容を、定期的に配信しています。
今回は、中国のゲームライブ配信を行う企業の現況をまとめてみました。
強豪2社vs.複数の⼤企業という勢力図
2019年にユーザー数3億⼈に達したと報じられた中国ライブ配信業界は、2020年以降も順調に発展し続け、いまも更なるユーザーを取り込み続けています。
2社の有名プラットフォームが上場し、かつ複数のインターネットガリバー企業が参入したことで、業界勢力図も確立したと言われています。
さらに言えば、2019年以降新たな参入もほとんどないため、業界はすでに飽和状態に至ったとみる向きも多いようです。
新しいサービスの開拓
「強豪2社vs.複数の⼤企業」の勢力図が確立するとともに、参入企業間の競争は、ライブ配信者の発掘から、コンテンツの開拓へと移行しています。
現在は、⾃前の⼤会、プレイヤーレンタル、オンライン教育など様々なコンテンツをどれだけ保持しているかに重点が置かれ、どの企業も新規サービスの開拓に資本を投入しています。
進む法的整備
中国でもネットイースやテンセントといった巨大ゲームメーカーが中心となり、ゲーム実況の著作権について争いが頻発していました。
しかし、今年6月に「著作権法」及び「未成年者保護法」の改正が施行となり、”著作権者の承諾なしでのオンライン配信は権利の侵害に当たる”とされるなど、法的整備が進んでいます。
有料配信化への動き
ここにきて有料化(課金)の流れも生まれています。
2019年の『League of Legends(以下、LoL)』の世界大会で闘⿂が有料視聴コンテンツをリリースし、それが成功を収めると、翌2020年から他の企業も有料化という重い扉を開くようになりました。
この有料化については、eスポーツコンテンツの品質が向上したためと言われていますが、別の見方をすれば、『強豪2社vs.複数の⼤企業』という業界内の構図が定まったことも大きく影響していると思われます。
eスポーツ⼤型⼤会などの配信権の契約が期限を迎えた2019年末には、新たな配信権争奪戦の幕も開きました。
世界で最もプレーヤー数が多いとされるオンライン対戦ゲーム「LoL」の運営会社であるライアットゲームズ社も、すでに中国のテンセントに買収されています。
大金を投じた企業が、下記のような大会の価値を最大限に活かすために、今後どのようなサービスを提供していくのか、eスポーツ業界の注目が集まっています。
プラットフォームのランキング
ライブ配信におけるプラットフォームの人気ランキングは以下の通りです。
【モバイル】
1闘⿂ (DouYu)
2⻁⽛ (Huya)
3企鵝電競 (Tencent Egame)
4触手 (Chushou)
5網易CC(NetEase)
【PC】
1闘⿂ (DouYu)
2⻁⽛ (Huya)
3Bilibili
4騰訊 (Tencent Live)
5戦旗遊戯 (ZhanQi TV)
モバイル上位3社の闘⿂、⻁⽛、企鵝電競はいずれもテンセント(Tencent)傘下の企業です。
昨年、⻁⽛が闘⿂を約110億ドル(約1兆1600億円)で買収すると報じられ、企業合併の承認を申請していることがわかりました。
買収後も2社は統合せず、それぞれのブランドは維持していくようで、今後はeスポーツの強い企鵝電競も含めて、3社でより緊密な連携を図っていくものと見られています。
尚、闘⿂も⻁⽛も海外に進出しており、日本においては、闘魚は三井物産と組んでMildomを、⻁⽛は Nimo TVを展開しています。
ライブ配信における人気ゲーム
最後に、⻁⽛とbilibiliサイトでの人気ゲームをご紹介します。
bilibiliは「中国のYouTube」と言われるほどの、サブカルファンが多く集まるサイトです。
⻁⽛人気ゲーム(2021年5月末時点)
bilibili人気ゲーム(2021年5月末時点)
両サイトでランクインしている和平精英 (テンセント)は、世界的人気ゲームPUBGの代わりとして中国で配信されたゲームです。政府の許諾を得るために内容を平和的なものに変えた上で、配信されています。
bilibiliにランクインした天涯明⽉⼑(テンセント)は中国の武侠世界を再現したゲームで、現時点(2021年8月)では日本での配信はされてないようです。
ざっとまとめてみましたが、やはり、中国ではライブ配信の分野でも、ゲームと同様テンセントの勢いが強いことがわかります。
ただこのところ、テンセントは「WeChat」や「王者栄耀(Honor of Kings)」などが中国当局から制裁を受けています。
この政局の流れが、今後どのように中国ゲーム市場を変化させていくのか、引き続き、注意深く見守っていきたいと思います。
以上です。
今回の情報はいかがだったでしょうか?
アニメやマンガのプラットフォームについても下記にまとめてますので、よろしければぜひご覧ください。
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