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時間ドロボウを裁判にかけてみる

SNS。
それは、逮捕されない不思議なドロボウ。
罪名は時間窃盗罪だ。

X、You Tube……ワタシ的な有名犯行グループはこの辺。
特に推しの情報収集にSNSを使う私は、主にXでこの窃盗被害にあう。

困ったものだ。
相手には悪意がない。
「好きなこと」に存分に浸らせて、浮世を忘れさせるのが上手い。

いつ止めようか、あと少し…
そうこうすると、何時間も経っている。
ここで初めて、やられた!!となるのだ。

勢いで書いてみたが、責任転嫁も甚だしい。
分かっている。

私がSNSに割く時間を決めて、それを守ればいいだけ。
それが何より難しいから、困っている!!


調書


そもそも、何時間もSNSを見てるのに、全く時間の長さが苦にならない事、それが問題だ。

ついでに付け足すと、私はSNS閲覧中、トイレに行きたい欲求すら何かでぼやかされて、出来ない我慢が出来てしまっている気もする。

脳は快感に貪欲で、それを味わっている間は苦痛を感じにくいそうだ。
これなら、知らぬ間に時間窃盗に遭うのも、トイレが我慢できてしまうのも、うなずける。

じゃあ問題は、どうやって中毒性を断つかだ。

答えをSNSで探すのは何だか負けな気がするので、孤独な捜査の旅に乗り出すことにした。


捜査

具体的に中毒性を攻めてみる。

SNSは、私の場合「流し見」という表現がぴったりくる作業。
SNSを続けて数十分、ふと我が身にある変化が起きるのを感じる。


「頭=脳」が、感覚的に固くなっている気がするのだ。

目の前の作業をやめようにも、司令本部が完全に麻痺しており、画面操作の手が止まらない感じ。

脳から手の神経に「画面閉じよ!」と命令するべき場面なのに、肝心の脳はそれを断固拒否してるように感じる。
頭で揉め事が起きているみたいだ。

私の長年の悪友である、うつ病。
そのひどいネガティブ発作の時も、やっぱり脳が固まってるような感覚がする。
このうつ発作、たいてい脳が疲れている時に「毎度どうも〜」とやって来る。

とすると、この脳の固まった感は、脳の疲労なのかも???

疲れた脳も快感を欲する。
ストレスまみれの仕事の後、暴飲暴食したくなるのと同じ原理。

SNS疲れした脳が、目の前の情報のごちそうに負けて、結局は疲労の「おかわり」をしていることになる。
………これ、もしかして開けちゃいけないパンドラの箱だったりする?
この仮説に、中毒性の解決法の可能性を感じながらも、何が何だか分からなくなってきた。

………………………

と、ここまで書いてすでに4日。
完全に執筆が行き詰まって、筆が止まっていた。

このままでは、皆のオアシス「SNS時間」を、今日から止めましょう!と書いて締めかねない。

それは、困る。
誰って、誰より私が困る。
今更SNSを止めるだなんて、私には出来ない。

被告人の弁護

特別感のある楽しさを日常で感じること。
これは案外、機会を得るのが難しい。

たとえば国内外の旅行という、王道の気分転換の方法がある。
実際にご褒美やリラックスを兼ねて、実行している人がよくテレビに映ったりする。

お金が一桁も多くかかる、それが旅行の宿命。
悲しいかな、それに糸目をつけず、楽しい時間を手に入れられるのは、出費に覚悟を決められる人だ。
健康な身体と時間も絶対条件で外せない。

これは根っからの庶民で不健康な私には、ちょっと真似できない。
更に近年ひっきりなしの災害や乗り物事故のニュースで、ビビリな私は旅行という手段を拒否してしまう。

本当は、旅行に思いっきり行ってみたいのに。
悲しいけど現実だ。

さて、SNSってすごいのかもと、ここで気づく。
被告人の弁護開始だ。

SNSは、閲覧時間を工面すれば意外と気楽に旅に出られて、心を解きほぐす力も持っている。
それがSNSのもう一つの顔。

旅ブログもバーチャルガイドも、動画サイトのそこかしこに転がっていて、チケットもパスポートもホテル代もいらない。

紫禁城やベルサイユ宮殿の中を隅々まで見て回ったり、沖縄の海を一日ボーッと見たり、パリのカフェやパティスリー巡りだって何軒もハシゴ出来る。

源泉かけ流し動画に出会った時は、あまりの感動から、勉強と睡眠時のBGMにした。

これらが基本、タダ。
もちろん見たあとの満足感は言わずもがな。
間違いなく、道具は使いようだ。

判決

学校、仕事、家庭。
日常が辛いと思うのはきっと気の所為じゃないと思う。
みんな、必ず何かで悩んで癒しを求めている。

いつものスマホに手を伸ばした先に広がる、ふとした癒しの時間。
そこにゆったり浸かって、それで少しでも楽しい気分になれたり、明日への活力が出せるのなら、お安いものだ。

道具の使い方。
見る時間。
課金の有無。

これを司り、上手くコントロールできるのは私自身。
こうなったら上手に付き合って、存分に癒やしてもらおうじゃないか!



最後に、SNSへの判決を申し渡します。





君は、たぶん無罪です。

これからも、よろしく!!!


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