【観劇感想】2024年 新春浅草歌舞伎 第一部
9日に行ってきました。
この日のお年玉のご挨拶は、新悟くん。
新春浅草歌舞伎の名物。日替わりで昼夜一人づつ挨拶する。
演目の衣装ではなく、裃で挨拶してくれる。
事前に挨拶日が発表されていて、観劇日に誰が挨拶してくれるのかチェックするのも楽しみの1つ。
最初の演目、『本朝廿四孝 十種香』に出てるから支度に少し時間がかかると言っていた。確かに結構しょっぱなから出てた。
第一部は『本朝廿四孝 十種香』『与話情浮名横櫛 源氏店』『神楽諷雲井曲毬 どんつく』
3演目とも、かなり有名なものではあるけれど、私はたぶん初見。
どんつくは初めてなのは確か。
『本朝廿四孝 十種香』
八重垣姫は、歌舞伎の演目で難しい役の三姫の1つ。
勝頼の絵に手向けた香の香りも漂ってくる。
米吉くんの八重垣姫、勝頼一筋なところがけなげで可愛らしかった。
花作りの蓑作と言い張る勝頼にもひとめぼれしちゃうんだから。
新悟くんの腰元濡衣も良かった。悲しみと重みがあるように感じた。
続きが見てみたいと思った。
『与話情浮名横櫛 源氏店』
まず、隼人くんの与三郎、かっこいい。
見た目からかっこいいのだけれど、仕草とか佇まいから雰囲気を醸し出すって難しいと思うんだよね。
家に世界文化社出版の『歌舞伎入門』という本があるのだけれど、与三郎の写真は仁左衛門さん。こっちもかっこいいけれど、負けてないかっこよさだった。眼福、眼福。
ただかっこいいだけじゃなく、自分の現状と死んだと思っていたお富が安穏と生きてることへ恨みを言う場面、世話物の難しさってこういうところにあるんだなぁとも感じた。
米吉くんのお富、すっきりとしていて綺麗、さっさと化粧をする姿に色香があって良かった。
相手にされてないのにめげない藤八と一度貰ったお金まで忘れない蝙蝠安に笑いました。
松也さん、最近シュッとしちゃって役作りとかの影響なのかな。
『神楽諷雲井曲毬 どんつく』
幕開きから華やかで、「わぁ!」と笑顔に。
新春浅草歌舞伎のメンバー全員が揃っているのもすごく良かった。
それぞれの踊りに曲芸もあって楽しく、どんつくの田舎者の滑稽な感じとお面を用いた踊りの面白さで、全然飽きない舞踊でした。
巳之助さん、音にきっちり合って、スローでもよろけることのないけれど、しなやかさもある、体幹の凄さを感じました。
「どんつく どんつく どんつく どんつく どどんがどん」という節が頭に残ってる。皆が一斉に踊っているのも面白かった。
浅草歌舞伎を観始めた頃は、この人達が揃って歌舞伎座の大舞台で公演をやるのはいつになるんだろう、私は何をしているだろう、と思っていたのだけれど、そう遠くない将来に実現するのかもしれない。
コロナ禍で浅草歌舞伎が中止になってた期間は別として。
少なくとも松也さんは同学年だから、10年もしないうちに大舞台にどんどん立っていくんじゃないだろうか。新作も評判良かったみたいだから。
若い力とアイディアで古典の魅力を発信していけば、お客さんも新たに来てくれて、新作でなくても満員御礼の日が連日続くこともあるかもしれない。
いや、あってほしい。
そして私はチケット争奪戦に悩みながらも、良かった良かったと思いたい。
来年からは誰が浅草歌舞伎に加わるのかも楽しみ。
そうそう、観劇前にお参りもしました。
平日だけど観光客で賑わってた。
仲見世で、家族に頼まれた木村屋本舗の人形焼を買って公会堂に向かっていたら、「ザワつく金曜日」の収録をしてて。
生ちさ子さんを見ることができて、案外小柄だったのと、テレビで見たとおりのはつらつとした感じで、今年は大丈夫な気がする!と元気をもらった感じがしました。
新年の初投稿は観劇感想ということで、今年は投稿しようと思って下書きしていたものも、ちゃんと思い出して書こうかと。
ルパン歌舞伎と十二月大歌舞伎の感想も書きます。
来月の観劇予定は、今のところ『ヤマトタケル』です。
昨年放送された猿翁さん追悼放送の録画も見たので、それも書けたら。
今年も宜しくお願いいたします。