吹奏楽指導②~にちにち思うままに13日目~
「コンクール=賞を取る」の時代
私の学生時代を含め、長らく「コンクールに出るなら賞を目指す」という賞を取ることにこだわっていたように思います。
中学時代は公立で音楽の先生が顧問。
大きな活動は、吹奏楽コンクールに出場と、文化祭と新入生歓迎会で演奏することでした。授業のあった隔週土曜日は部活あり、日曜日は休みでした。
担任を持たない先生だったので、隔週土曜日や夏休みのコンクールまでの毎日は練習があっても、この先生の場合は重要な係にもなってなさそうで、そこまで負担ではなさそうでした。
コンクールの部門は全国大会まで繋がらない、地域大会で終わるCの部でした。
1年時の3年生は賞を取ることにこだわっていて、足りないパートもあるのに1年生じゃ使えないとか散々言われながらも、頑張った成果として賞を頂いたりして、嬉しさはありましたし、自分達のせいで取れなかったと言われなくて良かったと安堵した思い出があります。
高校時代は定期演奏会とコンクール前に講師を呼ぶことがあって、県大会出場止まりでした。3年時は地域大会で賞なしでした。
コンクール前は頻繁に来てもらっていました。
講師を呼ぶ=賞を取るために呼ぶ
そんな感じだったように思います。
生徒が賞にこだわるひとつの理由として、実際どこまでの評価か分からないけど、部活動での成果が受験に有利になるいう論理からそうなるのでは。
先輩方が「受験に賞を取ることかがかかってる」とか言うと、先輩の為に頑張らなきゃとか思うし、頑張らざるを得ない。
私の場合は単純に、「更に上の賞を取って次の大会に行ってみたい」というものでした。
受験や進路への影響とか考えていなかったけど、「賞を取ること」「上の大会へ行くこと」に凄くこだわっていたようにも思います。
それをステータスに「上手い学校」と思われたい願望がありました。
コンクールから学んだもの
中学・高校共に部活に熱心すぎなかったので、中学時代は部員全員で話し合って上の大会に繋がるBの部に出たいと懇願して銅賞を頂いたり、高校時代は、もっと上へを目指した結果、選曲が難しすぎて賞なしなってしまった。という悔しい思いもしました。
中学時代は、顧問の先生がレベルに合った曲を選んでくれたことと、本番が意外と楽しかったこと、練習は今まで通りだったことが良かったと感じます。
高校時代は、県大会に行くことができた2年間は同じ曲でした。この曲は講師の方に勧めてもらって決めた曲でした。
2年間同じ曲でも、吹くメンバーは多少変わっているから表現や厚みは違っていて、技術的な難しさはそこまでなかったけれど、合わせることや表現の難しさがありました。
講師の先生は他の学校も見ていて頻繁には来られないので、言われたことはすべてメモして、自分達で考えて工夫して練習してました。
何よりそういった全てが楽しかったです。
3年になってもっと上へと願って自分達で曲を出し合って投票で決めました。挑戦した曲はなかなか難しくて必死で完成させました。若いパワーでよく頑張ったと思いますが、ちょっと過信しすぎたかなぁ。
振り返ると曲を楽しみきることはできなかったように感じます。
当時はどれくらいのレベルの曲だったら上までいけるみたいな都市伝説のような噂もあったので頑張ったんですけどね。
今考えると、そういうことじゃないんだろうと思います。
上達を望むのは悪くない
誰でも上手くなりたいと思うのは当然で、今よりもっと吹けるようになりたい、色々な曲を吹いてみたいと思うことは良いことです。
その成果としてコンクールで賞をいただくと励みになることは確かです。
けれど、賞を取るために選曲をしたり、先生がすべて決定して怒られないように怯えながら演奏したり、ハードな練習スケジュールを組むのは違うと考えます。
演奏する曲も毎年変えなきゃならないという暗黙のルールみたいのがあったのですが、私の高校時代を見てもそんなことないし、毎年変える必要あるのかなと思うのです。
得意な曲を吹き続けることも有りだと思います。
YouTubeで全国大会のハイライトを見ても、曲を楽しんでる、堪能してる、心に余裕がある学校も何校かあって、技術だけじゃなく、そういうところも評価されて大舞台に上がってるんだなと感じます。
私がここまで書いてるのは、母校の講師が賞を取るために違う先生に変わった途端、サウンドががらっと変わり、フォルテが無理やりで攻撃的な感じになって、柔らかな雰囲気だったのが硬く、顧問の先生を通り越して、講師の先生に怒られないように演奏しているように感じたからです。生徒らしさが全くなくなっていたことに、私が今までやってきたことは何だったのかとがっかりした瞬間でもありました。
コンクールとは何なのか、お金や練習時間も自由に決められる私立の学校も含めて、考えるべき時にあるのではと思います。
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