認知行動療法のACTについて
ACTとは、「Acceptance and Commitment Therapy」の略で、受容とコミットメントを基盤とした認知行動療法の一種です。ACTでは、心理的な苦しみやストレスに立ち向かうために、自己価値観に基づいた意図的な行動を行い、その行動に価値を置くことが重要だとされています。
ACTの5つの柱
ACTには、以下の5つの柱があります。
現在に集中する(Mindfulness)
現在に集中することで、過去や未来に囚われずに、自分の思考や感情に注意を向けることができます。
受容する(Acceptance)
自分自身や周りの状況を受け入れ、ストレスや苦しみを認め、感情を自由に表現することができます。
自己価値観を明確にする(Values)
自己価値観を明確にし、自分自身がどう生きたいかを見つけることができます。
行動する(Committed action)
自己価値観に基づいた意図的な行動を行い、その行動に価値を置くことができます。
連合(Contact)
自分自身や周りの人との関係性を改善し、社会的な繋がりを築くことができます。
ACTの具体例
例えば、あなたが「自分はダメだ」という思いを持っているとします。ACTでは、以下のような方法でこの思いに向き合います。
現在に集中する(Mindfulness)
「自分はダメだ」という思いが出てきたら、その思いに気づき、その瞬間に集中します。呼吸に意識を向け、その感覚を感じます。
受容する(Acceptance)
自分自身が「ダメだ」と感じる理由を探ります。感情を表現し、自分自身を許すことができます。
自己価値観を明確にする(Values)
自己価値観を明確にし、自分自身がどう生きたいかを見つけます。例えば、「家族を大切にする」という価値観を持っている場合、「自分は家族を大切にする人間だ」ということに気づくことができます。
行動する(Committed action)
自己価値観に基づいた行動を行います。
例えば、家族との時間を増やしたり、家族に感謝の言葉を伝えたり、家族を大切にすることに意識を向けたりします。自分自身が大切にすることを意図的に行動に移すことで、自分自身の価値を感じることができます。
連合(Contact)
自分自身や周りの人との関係性を改善し、社会的なつながりを築きます。例えば、家族とのコミュニケーションを増やしたり、友人との交流を深めたりすることで、社会的なつながりを感じることができます。
ACTでは、このように現在に集中し、受容することで自己価値観を明確にし、その価値観に基づいた行動を行い、社会的なつながりを築くことで、ストレスや苦しみに立ち向かうことができます。
まとめ
ACTは、自己価値観に基づいた意図的な行動を行い、その行動に価値を置くことが重要だとされています。現在に集中し、受容することで自己価値観を明確にし、その価値観に基づいた行動を行い、社会的なつながりを築くことができます。
例えば、「自分はダメだ」という思いに向き合う場合には、自己価値観を明確にし、その価値観に基づいた行動を行うことで、自己肯定感を高める事ができます。
また、ACTは、自分自身の思考や感情に対して、受容的であることも重視されます。自分自身の思考や感情に対して、否定的な判断をすることはせず、受容的に受け入れることで、ストレスや苦しみを軽減することができます。例えば、「自分は怖がりだからダメだ」という思いに向き合う場合には、その思いを受容的に受け入れ、それでも自己価値観に基づいた行動を行うことが重要です。
ACTには、具体的なテクニックやツールが存在します。その中でも代表的なものに、「マインドフルネス(Mindfulness)」や「デフュージョン(Defusion)」があります。マインドフルネスとは、自分自身や周りの環境に、現在に集中し、受容的に注意を向けることです。デフュージョンとは、自分自身の思考や感情と、一緒に生きることであり、それらにとらわれない自分自身を見出すことです。
例えば、自分自身が「私はダメな人間だ」という思いに苦しんでいる場合には、マインドフルネスを行い、その思いに向き合います。そして、その思いにとらわれることなく、デフュージョンを行い、自分自身が思い描く価値観に基づいた行動を行うことができます。
まとめると、ACTは、自己価値観に基づいた意図的な行動を行い、その行動に価値を置き、現在に集中し、受容的であることが重要です。具体的なテクニックやツールを用いて、自分自身が思い描く価値観に基づいた行動を行うことができます。