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強い組織づくりは人財育成から始めよ。天才軍師・諸葛孔明も手本にした孔子の教え
人財育成なくして強い組織はつくれない
前に、軍人の育成に関する孔子の話を投稿しました。
孔子の言葉1)
まともな軍事訓練もせずに人民を戦争にかりたてるのは、むざむざ死地に追いやるようなものだ。
教えざるの民をもって戦うは、これこれを棄(す)つという謂(い)う 。
孔子の言葉2)
善人(道徳心のある人)が上に立って、人を七年もかけて教化すれば、一人前の兵士として戦いに臨むことができるようになる。
善人(ぜんにん)民(たみ)を教うること七年ならば、またもって戎(じゅう)に即(つか)しむ可(べ)し。
それに関連して、企業の人財育成の一例として、山本五十六の男の修行「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」を参考に、1on1でてほどきするのが効果的だという実践例に触れました。
天才軍師・諸葛孔明も参考にした孔子の人財育成論
孔子が述べた人財育成の大切さは、し烈な戦いを繰り広げた三国志時代にも、強く認識されていました。蜀の名軍師・諸葛孔明が、強い軍団の作り方ついて述べている一節に、孔子の言葉を引いています。
企業における人財育成、強いチームの作り方にあてまる内容なので、それを紹介します。
軍を編成しても、兵卒に教育と訓練をほどこさなければ、百人で一人の敵に当たることもできない。
教育と訓練をほどこしたうえで使えば、一人で百人の敵に当たることができる。
こう述べたうえで、諸葛孔明は孔子の言葉を引き合いにだしてきます。
孔子は、
「教育をしないで人民を戦争に駆りたてるのは、まるで人民をドブに捨てるようなものだ」
「善人が七年間人民を教化すれば、人民は甘んじて戦場に赴くようになる」
と語っている。
とすれば、人民を戦場に駆り出すには、まず教育をほどこし、かれらに礼と義、忠と信を教えこまなければならない。
そして軍令を布き、賞罰を明らかにすれば、人民は進んで、戦場へ赴くようになる。そのうえで、軍事訓練をほどこし、整列と分列、伏せと直立、行進と停止、前進と後退、散開と集合など、命令一下、自由自在に動かせるようにする。
諸葛孔明は、ほどこすべき教育の第一歩は、礼と義、忠と信だ、と語っています。まずは、モノの考えた、人としてどうあるべきか、を学ぶこと。人間教育が基本、肝心である、ということです。
それから軍事訓練を実施し、小単位での軍事訓練ができるようになったら、それを組織全体に行き渡らせていけばいい、と述べています。
一人が十人を教育し、十人が百人を、百人が千人を、千人が一万人を教育し、そして全軍に教育の輪を広める。
そのうえで軍事訓練をほどこせば、敵を打ち破ることができる。
スキル研修の前に人間教育を施すのが、効果的育成法
諸葛孔明の人財育成を参考にするなら、企業における人財育成は、まずは人間教育から着手すること。自ら考えて、状況に応じて判断し、行動することができる能力を育てること。
そのうえで、スキル研修を行っていく、ということになるでしょうか。
ところが、基本となる人間教育が、マナー研修、社会人としての心得研修だけでよし、としている企業が少なくないようです。組織風土を変え、有為な人財を育てるには、この人間教育への投資がもっと必要なのかもしれません。
いずれにしても、定期的に人財育成を企業全体で行っていく。並行して、成功体験、失敗体験も共有し、組織のベクトルを揃えていく。目標達成への動きが有機的になっていく。それが目指す姿です。
最後に読み下し文です。
それ軍に習練なければ、百もて一に当たらず。習いてこれを用うれば、一もて百に当たるべし。
故に仲(ちゅう)尼(じ)曰く、「教えずして戦わしむ。これこれを棄(す)つと謂う」。
また曰く、「善人、民を教うること七年、またもって戎(じゅう)に即(つ)かしむべし」。
然らばすなわちこれを戎に即かしむるには教えざるべからず。これに教うるに礼義をもってし、これを誨(おし)うるに忠信をもってし、これを誡(いまし)むるに典刑をもってし、これを威するに賞罰をもってす。故に人、勧(すす)むを知る。
然る後にこれを習わしむ。あるいは陳(なら)べてこれを分かち、坐さしめてこれを起(た)たせ、行かせてこれを止め、走らせてこれを卻(しりぞ)け、別けてこれを合わし、散じてこれを聚(あつ)む。
一人、十人を教うべし。十人、百人を教うべし。 百人、千人を教うべし。千人、万人を教うべく、三軍を教うべし。 然る後教練して敵に勝つべきなり。
前回の投稿もご覧いただければ幸いです。