65.【読書と私】⑰動物農場/ジョージ・オーウェル 山形浩生訳:寓話だから読める
イブリースさんの(意味が分かると怖い話)シリーズにはまってた時期があります。また、気分転換に書いてくれないかなー。
コメント欄で出てきた『動物農場』。なんとも言えないタイトルに、イブリースさんはやはり読む本も違うんだろうなーと思って、読んでみたいと思っていました。でも、特に検索、捜索せずに過ごしていました。
そしたら、先日図書館で本を借りようとして、カウンターの後ろにあったコーナーを何気にのぞくと『動物農場』ってタイトルの本があったんです!本の方から来てくれた。そして、作者を見ると…ジョージ・オーウェル!?
もしかして、『1984』の作者では、と二度びっくり。なるほど、イブリースさんの読む本ですね。
最近、翻訳者の方が気になります。海外文学読んでなかったわけではないけど、気づくと日本の作者ばかりで、翻訳の文体の読みづらさもあるかな…と思い、翻訳者でどれくらい違うものか、それで読めるならいいなと思ったり。
この本は全然問題なく読めました。寓話というスタイルもあったかもしれないけど。
内容は裏表紙のあらすじにある通りで、
歴史、政治はテストをクリアするぐらいには頑張って取り組みましたが、苦手です。時代の流れがうまくとらえられなかったり、関係がごちゃごちゃするのが上手くつかめなくて。なので、歴史上のどこを対象にしてるかな…とわかるようなわかんないような思いのまま、寓話として動物(人間)のせつなさ、やるせなさなどを感じながら読んでいきました。戒律に対して行われていたこととか、今で言うならフェイクニュースにつながるようなこととか嫌だなーと思いながら。。。
そして、巻末には、歴史的背景について答え合わせのような序文案、ウクライナ語版への序文、訳者あとがきがついています。そこで、出版への苦労(自主検閲的なところもあり)や政治的にも扱われたような部分に当作品の持つ力を感じました。
ちなみに、日本では1949年に刊行。外国文献の翻訳がGHQにより禁止されていて、その『アニマルファーム』は解禁第一号だったそう。
また、これは図書館の蔵書システムで検索していて知ったのですが、
2022年9月には、『動物農園』のタイトルで発行されている翻訳本もあります。話の中では、動物たちが大麦を育てたりもするので「農園」というのはありですね。大戦終了時に発行された本作が、まだまだ意味を成す世の中なことが残念です。
寓話と言えば、イソップ寓話がまず浮かびます。動物のイメージというか象徴的に使われているのが面白いし、動物ということで、直接的でなく、皮肉もユーモラスに伝えられるのか。
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相互フォローのnoterさんで、カエルの物語を書かれていた方がいました。
緑の見出し画像にたじろいでしまい、私すぐには読めなかったのですが、読みだすとなかなか面白くて、まだ終わってないので続きが気になります。
ディストピアにやすらぎをさん。ちなみに、ジョージ・オーウェルの『1984』はディストピア小説と紹介されている文もどこかでみかけました。
アイコンが強面(笑ゥせぇるすまん喪黒福造のよう!?)で、カエルの「ゾゾ」というのも「ジョジョ(の奇妙な冒険)」か ゾロアスター教か!?(半端に世界史の知識が出る)とゾゾっとしたのですが、INFPのようなカエルと、INFJのようなカエルが出てくるお話です。今なら見出し画像も紙芝居のはじまりのように見えてます。
いつもは、読んだ本を紹介しているディストピアさん。同じ作者を固めて読んでいて、いつか参考に何か読んでみたいと思っています。読んでいる本が反映されているのか、自分で書く小説は別ものか、大団円になるのかメリーバッドエンドになるのか。
あれ、なんのはなし?
ジョージ・オーウェル(1903-1950)
『動物農場』1943.11-1944.2記
1945出版
1946アメリカ版
1946ラジオ脚本執筆
1947ウクライナ語版
1948朝鮮語訳
1949日本語訳
序文案 1972雑誌掲載
山田浩生(1964- )訳 2017