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管理職不足の原と対策について -その4 健康管理の難しさ-

これまで、3回に渡って管理職手不足の原因を挙げてきたが、最も厳しいのが管理職の健康管理の難しさである。
これまで、何人も教頭や校長が体調を崩して長期療養に入るのを見てきた。それは、管理職は教諭と違って長期療養に入っても、代替の管理職が用意されないことに大きな原因があると思う。
「辞めない、休まない」ことを前提にしている今の制度では、「代わりがいない」というプレッシャーで、かなりの無理をしてしまう。

ある人は教頭のとき、校内マラソン大会の練習時に突然倒れ、一時心肺停止状態に陥った。
幸いにも処置が早く一命をとりとめ、現場復帰がかなったが、連日夜遅くまで勤務していたという。
かく言う私も、校長室で突然の胸痛に襲われ救急搬送された。自分の体に自身が持てなくなり、定年まで1年を残して退職の道を選んだ。

県教委のある偉い人は、「健康管理は管理職の職務である」と言った。
地域の全小中学校長が集まる会の冒頭挨拶で、「責任」を通り越して「職務」と断言したのだ。
「管理職たる者、自分の健康管理くらいできなくてどうする」という上から目線である。
全く現状が分かっていない。
いわゆる困難校と言われる中学校では、その心労は常軌を逸したものがある。
「職務」などと上から物を言われても、「はい、その通りです」と受け入れることはできない。
体や心が耐えられなくなることもあるのだ。
それほどに追い込まれている管理職が多いから、その姿を見ている教員が「自分は、ああはなりたくない」と思って当然である。

教諭が長期休業に入ったときと同様に、代替措置を考えるべきだ。退職校長などを厚遇すれば人材は見つかるはずだ。
教育委員会から一時的に派遣することもあり得る。
なにより、「後がない」と精神的に追い込まれることから管理職を解放すべきだ。

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