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『リアル・ペイン~心の旅~』   (A Real Pain)

監督:ジェシー・アイゼンバーグ
出演:キーラン・カルキン
   ジェシー・アイゼンバーグ


久しぶりに再会した
デヴィットとベンジー(いとこ同士)。

二人は
亡き祖母の足跡を辿るため、
ポーランドの史跡ツアーに参加する。

強迫性障害があり、
慎重に人生を歩むデヴィットと、
奔放な言動で
周囲を戸惑わせつつも、
唯一無二の魅力を放つベンジー。

ユダヤ人の歴史と
ショパンの調べを背景に

二人の感情や痛みが、
揺れて交わる。

https://www.searchlightpictures.jp/movies/realpain


年初にして
最高の映画を観てしまったかも。

ジェシー・アイゼンバーグといえば
『ゾンビ・ランド』←好き
『ソーシャル・ネットワーク』

昨年は
『僕らの世界が交わるまで』←大好き
で長編監督デビュー。

本作は監督2作目。


素晴らしかった。

旅の始まりも、
旅先も、
そして旅の終わりも、
ずっと二人と一緒に
歩いている気分だった。


監督であり主役の
ジェシー・アイゼンバーグは
本作のテーマについて、

「すべての痛みは妥当なのか、
それとも痛みに尺度はあるのか」

と語っている。


ジェシー自身も、
ユダヤ系にルーツを持つ。


常識にとらわれ、
思いのまま行動することができない
デヴィットや、

ODをすることで
苦しみから逃れようとする
ベンジーの、

それぞれが感じる「痛み」。

それは
かつてユダヤ人が
ホロコーストで経験した「痛み」とは
比べることができない。

できないけれども。



原題の意味について。

a real pain=困ったやつ
ということらしい。

オープニングシーンのベンジーは
確かに
「困ったやつ」だった。

でもラストは

a real pain=本当の痛み
だった。


キーラン・カルキンは
マコーレ・カルキンの弟。
本作でGG賞助演男優賞受賞。


あの旅で
デヴィットとベンジーが
理解しあえたわけではない。

きっとそれは
これからも変わらないのだろう。

そして二人の愛情もまた、
この先ずっと変わらないに違いない。

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