100倍、身につく国語力(282) 映像篇
❤小~高校生と、母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
<映画の活用法>
日本語教育での映像機器の
効果的な使用法 (12)
山中速人執筆代表の『ビデオで社会学
しませんか』(1933、有斐閣)によれば、
「アメリカで編集され、世界で最も充実
した社会学文献目録の一つである『ソシオ
ロジカル・アブストラクト』に、『ビジュ
アル・ソシオロジー』(映像社会学)と
いう独立した項目があり、毎年、多数の
研究論文がこのインデックスのもとに収録
されている。」とあります。このように多
くの論文が、映像の記号論的な理解を社会
学との概念との関連で、研究を行っている
ということは、言語学や語学教育の分野で
も当然考えられてしかるべきでんじでしょ
うか。
従って、今後は日本語教育の分野でも
日本語教師や研究者がより映像的な発想
力や創造力を持って、新しい分野で成果
をあげるのが必要となります。最近では、
従来のDVDに加えて、「生成AI」の機能
がどんどん進化し、従来と比較にならな
いほど多様化しており、容易に資料を
作成する機会も増しています。
5. 映画化された作家と作品
ところで、日本映画では、多くの有名
な小説が原作となり、脚色されているよ
うだが、その数はおそらく500本を越える
のではないでしょうか。このことは普段、
あまり意識されていないかも知れないが、
これは相当の数になっています。
ちなみに、日本文学の文豪夏目漱石と
森鴎外の小説で、映画化されたものを
ピックアップしてみたが、これをみても
思った以上にその作品が多いし、同じ
小説が何度もリメイクされているので、
とても参考になります。
① 映画化された二文豪の作品
<夏目漱石>
・「坊っちゃん」(1935、P・C・L)、
(1966、松竹)、
(1977、松竹=文学座)
・「夏目漱石のこころ」(1955、日活)
・「夏目漱石の三四郎」(1956、東宝)
・「吾輩は猫である」(1975、芸苑社)
・「それから」(1985、東映)
<森鴎外>
・「阿部一族」(1938、東宝=前進座)
・「舞姫」(195q1、東宝)、(1989、
ヘラルド=エース=テレビ朝日=
西独マンフレッド・ドルニオー
クプロ)
・「雁」(1953、大映東京)
・「山椒大夫」(1954、大映京都)
②映画化された主な作家
(あ)有島武郎、阿部公房、有吉
佐和子、芥川龍之介
(い)石坂洋次郎、井上ひさし、
井上靖、泉鏡花、石原慎太郎、
石川達三、井伏鱒二、五木
寛之、井上光晴、伊藤左千夫、
石森延男 (児童文学)、
井原西鶴
(え)円地文子、遠藤周作
(お)大佛次郎、大江健三郎、尾崎
士郎、大江賢治、大岡昇平、
大藪春彦、尾崎士郎
(か)川端康成、開高健、海音寺
潮五郎
(き)幸田露伴、幸田文、菊池寛
(く)久米正雄、黒岩重吉
(け)源氏鶏太
(こ)今日出海、今東光、小泉八雲、
五味川純平、小松左京、五味
康祐
(さ)坂口安吾、早乙女勝元、佐藤
春夫、里見弴
(し)椎名麟三、志賀直哉、島崎
藤村、柴田翔、椎名誠、島尾
敏雄、司馬遼太郎、獅子文六、
下村湖人、柴田錬三郎
(す)住井すゑ
(そ)曾野綾子
(た)谷崎潤一郎、高見順、田宮
虎彦、高村光太郎、田村
泰治郎、武田泰淳、竹山道雄、
滝沢馬琴
(ち)近松門左衛門
(つ)筒井康隆、壺井栄
(な)夏目漱石、永井荷風
(に)丹羽文雄、新田次郎
(の)野坂昭如
(は)林芙美子
(ひ)樋口一葉、平岩弓枝、
火野葦平
(ふ)藤本義一、舟橋聖一、
深沢七郎
(ほ)堀辰雄
(ま)松本清張
(み)三島由起夫、水上勉、
宮尾登美子、宮本輝
(む)武者小路実篤、室生犀星、
村上春樹、宮澤賢治、
村上龍、紫式部
(も)森鴎外
(や)山本周五郎、山崎豊子、
山本有三、山岡荘八、
柳田国男
(よ)吉川英治、吉行淳之介
(わ)渡辺淳一
❤このようにみてくると、日本
小説はかなり数映画化されて
いることに、気づかれる方が
と思います。今後は、もっと
多くの作品が映画化される
ことが望まれます。
アナミズ (2024.11.22)