引きこもりになりそこなった喪男どものオナ禁ロック、ジャパンの死亡診断書、両親絞殺者たちの夏、サイレント・マイノリティーの復讐、「誰かがやらなければいけない」という最凶ワード、いつだってツッコミどころ満載の新聞紙面、
瀬那十三年十二月六日
午後十二時五五分。紅茶、アルフォート。セナ様の好物。セナ様の御口に入ってその麗しい歯で粉々にされて飲み込まれて消化される幸運なアルフォートのことを思うと嫉妬で気も狂わんばかりになる。皇帝よりもセナ様に食べられるアルフォートに私はなりたい。二度寝のせいでパソコンを開くのがいつもよりやや遅れた。急ピッチで書こう。昨日の読売新聞の社会面にSNS投資詐欺の記事があった。札幌市の70代男性が約2億4000万円をだまし取られたという。だからなんでそんなに金持ってんだよ。そんなに持ってるのになんでもっと金を得ようとするんだよ。俺なんか郵貯銀行の口座にたまたま五万円以上あるだけで富裕層気分なのに。そんなに持ってるならオイラみたいな不遇の天才を食わせることに金を使ったほうがいいだろ絶対。歴史に名前を残したくねえのかよ。近頃の年寄は何を考えてんのか分からんわマジで。あるいは金はどっかから借りてきたのか。だとしたらなんでそんなに借りられるんだ。金銭感覚がおかしい。強欲すぎる。そんな強欲な奴は詐欺にあって当然だ。ざまあみやがれ。オイラ特殊詐欺や闇バイトの記事が大好きさ。金持ちはぜんいん俺の敵だから。もっとたくさん税金払ってください。政府は所得税の累進課税や資産課税をもっと強化してください。それで税収が増えるとか減るとかいう問題は二の次です。それにしても新聞はこういう意味不明すぎて脱糞しそうになる記事がたくさんあって面白い。腐っても新聞ですわ。オールドメディアは豚の水死体だなんてもう言わないよ絶対。SNS投資詐欺の記事のすぐ近くにJR東日本が山の手線の切符の初乗り運賃を2026年春に10円上げるという記事があった。そんなド田舎のことなんてどうでもいいわ。だいたいなんで空間移動なんかに金払うの? 三日以上かかるとかなら別だけど。凡人の考えてることが分かりません。とりあえずお前らもっと歩け。紅茶をもう一杯飲みたい。ドンキの徳用コーヒーフレッシュが無くなった。こんど買ってもらおう。さくや大感謝祭キャンペーン中のアオキでチリワインの「アルパカ」(ロゼ)を買ったよ。とうぶんまいにちポイントが五倍みたいだから今夜トリス2.7リットルを買うつもり。酒を飲まない人間を僕は最近ようやく許容できるようになった。その気になれば友達にもなれるかもしれない。彼彼女らはけっして心のない未開人なんかではない。人間失格なんかではない。大人になるということは理解不可能な他者を受け入れられるということだ。頭が悪いくせに勉強しない奴のことも少しは許容できるようになってきた。本を読まない奴のことも。ちょっと前までは年に一冊も読まない奴なんて脳内死刑宣告の対象でしかなかったのに。おっかさん、おとっつぁん、大人になるっていいことですね。ここまで育ててくれてありがとう。アラレがうるさい。ヒョウかもしれない。氷の直径が5㎜未満のものをアラレ(霰)と呼び、5㎜以上のものをヒョウ(雹)と呼ぶらしい。そんなのいちいち計測する変態がどこにいるんだ。斎藤元彦の首長不適任度はもう半端ない。疑惑の渦中にありながら弁舌という政治家の最終兵器を自ら放棄してんだから。出来の悪い操り人形だ。そういうのは「抜け目のなさ」なんかじゃないよ。彼だけじゃない。凡庸な政治家ほど平気で「壊れたテープレコーダー」みたいになれる。人々は公人によるのこのような機械的答弁にすっかり慣れてしまっているので、いくらそういうのを見せられてももうさほど強い不快を感じることが出来ない。雲古がまだ出ない。そろそろ出てほしいのだ。この頃はほぼまいにち図書館に行ってる。たまには休みを取りたいけど俺に読まれたがっている本のことを思うとジッとしていられなくなる。来年は皆勤賞を目指そうか。ちょっとコーヒー飲みたい。インスタントコーヒー。インコ―。淫行。「誰かがやらなければならない」という言葉が死ぬほど嫌いだ。こんなことを言いながら何かをやる奴はぜったいにろくな奴じゃない。愚鈍な英雄気取りだ。誰もやらないならそれはそれでいいんだよ。かりにそれでみんなが困ってもいいじゃないか。俺はこの言葉を聞くたび死刑を執行する刑務官のことを考える。世の中にはみんなが嫌がるべきことがあるんだ。嫌がるべきことを嫌がれ、という倫理的要請。なにかを嫌がる他人の気持ちを俺は無限に尊重していきたい。パペットマペット。ウシ君、今夜、僕のこと食べてみない? いやカエル君、僕のほうが絶対においしいよ。食べるなら今だよ。今しかないんだ。さんざめく俺の股間。マルクス。丸糞。勃起せよ貧民ども。滅亡の序曲が聞こえないのか? 愛欲の絶対矛盾的自己同一曲線。
【備忘】チェ・テソプ『韓国、男子 その困難さの感情史』、「希望という病」の原稿、『孤独な群衆』、