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140字小説『smoke in the dark』

何もかも嫌になって髪を切った。
駅前のコンビニで煙草を買った。
初めての煙草。
煙を吐き出す。
独りは気楽でいい。
でも目の前を過ぎてゆく人達は、もっと楽しそうだ。

空を見上げる。
正論なんて要らない。
癒しなんかクソくらえだ。

煙草を揉み消す。
「独りの何が悪い」

呟きは煙と共に。
空中へ消えた。

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