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地域医療を考える

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全国各地で地域医療に尽力している開業医の先生方へのインタビューなどから持続可能な医療経営について考えます。
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#地方医療

生活の上にある在宅医療|多職種連携が鍵となる地域医療

「2021年12月の記事を復刻掲載」 こちらの記事は、2021年12月に公開されたものです。 地方診療所へ取材に行った現場の様子を改めてお届けします。 三重県の南部、紀宝町で在宅診療をメインにする診療所を運営している濱口政也院長(当時39)。 今回は濱口院長が大切にしている他業種間連携について話を聞いた。 医師というハードルをなくしたい 他業種間連携の意義濱口院長が運営するくまのなる在宅診療所は、開業当初から地方紙などを含めて一切、広告を出していない。 濱口院長は、地

地方医療と地方財政という表裏関係は医療経営で超えられるか?

「2021年12月の記事を復刻掲載」 こちらの記事は、2021年12月に公開されたものです。 地方診療所へ取材に行った現場の様子を改めてお届けします。 実在する町での地方医療の一場面をお伝えする。 取材した診療所は、約5000人の町で唯一の有床診療所だ。 かつては50床近くある町営病院だったが、医業収支の赤字を抑えるために15年ほど前に19床以下の診療所に縮小した。 この診療所のスタッフの方に、地方医療をよくするために必要なこととは何かを問うと、そこで実際に働かれている

「人」問題にアイデアと工夫凝らす|長期的な視点で考える医療経営

「2021年12月の記事を復刻掲載」 こちらの記事は、2021年12月に公開されたものです。 地方診療所へ取材に行った現場の様子を改めてお届けします。 三重県の南部、紀宝町で在宅診療をメインにする診療所を運営している濱口政也院長(当時39)。 今回は、この地域での在宅医療の難しさや、経営の工夫、地域医療の魅力について聞いた。 “非効率”な在宅医療環境でも求められる限りは・・・大阪での研修医時代、在宅医療の経験がある濱口院長。 「患者さんとの時間が今と比べて少なかったことや

『医療』という一つの手段で |その人がその人らしく生きるお手伝い

「2021年11月の記事を復刻掲載」 こちらの記事は、2021年11月に公開されたものです。 地方診療所へ取材に行った現場の様子を改めてお届けします。 在宅医療がないこの地域で、自宅で過ごしたい、自宅で最期を迎えたいと願う患者さんの「選択肢」をつくろうと開設されたのが「くまのなる在宅診療所」だ。 そんな診療所の理念は「『その人がその人らしく生きる』のお手伝い」をすること。 診療所は、三重県の最南端、紀宝町にある。海、川、山に囲まれた自然豊かな場所だ。一方で紀宝町がある南