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命をつなぐICU:重症患者を支える薬剤師の役割と責務

24時間体制で重症患者の命をつなぐICU。ここでは1秒1秒が患者の生死を分ける中、複雑な薬物療法が日々行われています。この特殊な環境では、複雑な薬物療法が日々行われるため、薬剤関連のインシデント発生リスクが高まります。本記事では、ICUにおける薬剤師の役割と医療安全を確保するための具体的な業務についてご紹介します。

薬物治療の確認
ICUにおける薬物療法は、患者の複雑な病態や併存疾患、他の治療との兼ね合いなどを考慮する必要があり、高度な専門知識が求められます。薬剤師は、常に患者の状態をモニタリングし、医師と連携しながら、有効性と安全性を両立させた最適な薬物療法を提案しています。

プロトコールに基づく薬物治療管理 (PBPM)
薬剤師は、医師と事前に協議し、合意したプロトコールに基づき、より積極的に薬物治療に関与します。これは、「プロトコールに基づく薬物治療管理 (PBPM)」と呼ばれ、薬剤師の専門性を最大限に活かすことで、より安全で質の高い医療を提供します。

薬剤誤投与の防止
ICUでは、一刻を争う状況下で多くの注射薬が使用されます。薬剤師は、注射薬の希釈濃度を標準化し、調製ミスや投与量誤りを防ぐための体制を構築することで、患者へのリスクを最小限に抑えるよう努めています。

多職種連携の推進とインシデント内容の共有
ICUは医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士など、多職種の専門家によるチーム医療が展開される場です。薬剤師はカンファレンスなどを通じて、インシデント内容などを共有し、薬物療法に関する潜在的なリスクに対して、未然に防ぐための対策を講じます。

急変時の対応
ICUでは患者の状態が急変することがあり、迅速な対応が求められます。薬剤師は医師の指示を的確に確認し、薬剤の準備を迅速に行うことで、効果的な対応をサポートします。

医薬品管理
ICUでは必要な薬剤を迅速に使用できるよう、適切な管理が求められます。特に、管理薬の取り扱いには厳格な管理が必要であり、これも薬剤師の重要な責務です。

薬剤師は、ICUにおける医療安全を守るために不可欠な存在であり、患者の安全な薬物療法をサポートする中心的役割を果たしています。チーム医療の重要な一員として、他の医療従事者と緊密に連携し、専門知識と経験を駆使して、より安全で質の高い医療を提供することが求められます。


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