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119番に電話

救急車が無料でなくなるということ

2024年6月1日から三重県松阪市が、救急搬送されながら入院に至らなかった場合、患者から「選定療養費」として1件につき7700円を徴収することになった。軽症者の救急車利用に対して選定療養費を徴収する案について、m3.com医師会員に聞いたところ、開業医・勤務医ともに賛成が8割を占めた。一方で、入院に至らなかった場合という条件については、「入院判断へのクレームが予測される」といった懸念から、一律徴収にすべきという声が多数寄せられた。問題と感じた救急車利用の事例として「学校へ行く前に診てもらうため、母親が風邪気味の娘を救急車で連れてきた」など。

(m3.comより引用)

定額徴収制

私もやはり普段の保険料負担額の割合に関わらず、一律一定額徴収した方がいいように思う。もし、救急車で搬送された病院に入院や要検査、要通院であれば返還となる制度に整える。ただでさえ救急車を呼ぶかはためらうけど、7700円であれば呼ぶのをためらわない症状の軽い人や無料タクシー代わりに使う人に一定のストップがかかるはずである。


搬送の内訳

2023年は1日の平均出動件数は2514件。約34秒に1回出動した。
年間の搬送人員は77万3342人で、75歳以上が31万2534人と約4割を占めた。また、救急搬送されたものの軽症と判断された割合は54・2%だった。

(東京消防庁ホームページより引用)

ざっくりいうと、救急車を呼ぶ半分が高齢者で、半分は軽症である。という事実である。私の経験上、この結果はイコール高齢者、特に認知症患者さんの不安である。

認知症と救急車

認知症の患者さんで救急車要請するケースで私が多く見るのはやはり発熱。
しかも微熱〜平熱でも救急車を呼んでしまうことや、
2、3日の便秘で呼んでしまうケースもある。
体のこの違和感は少し休めばよくなる、という経験の記憶障害(これをエピソード記憶といいます)、このままだと死ぬのではないか、などの判断力の低下が不安になる場合もある。
認知症の程度は軽度の方が多い。そして一人住まいの独居で週1、2回ヘルパーさんが入る程度の介助で生活している。
デイサービスに行かない日は不安感が増して特に夕方がマックスになる。
これが週に何回も起こる。

認知症は脳の病気

認知症は脳の病気なので、治療としての薬、環境調整が成り立っているいればそれほどは周囲が心配や疲労を感じなくてよくなっていく。
一方で若い人の心の病気は環境だけでよくなるケースもそれなりにあって、薬の治療を嫌う人も多い。

今の認知症患者さんやそのお子さんは80代から50代なので、まだまだ精神科や精神科薬に抵抗があるかもしれない、けれども認知症の患者さんの救急車を呼んでしまう行為は認知症という病気の症状であり、薬の治療の一環として扱った方が良いと思うし実際良くなるケースも多い。服薬のリスクより効果のベネフィットをとる。第一に本人の不安をとることで認知症の患者さん自体が相当楽になれる。医療関係、介護者も救急搬送の前には頻回の訴えや電話を受けていることが多いし、事後対応も負担である。それも解消される。

「救える命を救うため、救急車の適切な利用をお願いしたい」
的を得た一文である、と切に思う。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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