無職と「100万円」(はじめに)

「100万円」といわれたら、なんて続けますか?
私なら、「あったらいいな」「欲しい」「落ちてないかな」ってところですね。100万円は「大金」です。

突然ですが私、無職になったので、100万円「つかってみる」ことにしました。

「個人資産形成」「新NISA」「急速な円安」、「円高不況」「デフレ」「インフレ」「老後2000万円問題がもはや4000万円問題」
巷にはお金についての話題がごまんと溢れております。なんてったって、古代バビロニアにだって大富豪めざす人がいたそうですから「いつの世も」ってやつですね。
当然、私も「お金を増やすにはどうしたらよいか」「お金に困らないようになるためにはどうしたらよいのか」ばかり考えて過ごしていました。無職の現在はもちろん、在職中も。

だって、老後苦労したくないもん。

想像するのは、今日食べるご飯もなく、住む場所もなくして、ひとり死んでいく…。怖い、怖い、未来。

だから安定した定職を得た時は、それはもう安堵しました。「人生勝ち組!もう上がったようなもんだわ。」って考えるぐらいのお気楽さで、それなりに仕事に夢も感じていましたし、やる気もありましたから、そりゃもう幸せ。

ところがまぁ夢破れ、見事、現在「無職」。
あれほど大事にしていた「老後資金」をうっちゃってやる始末ですわ。あっはっは・・・はてさて。

あぁ、収入もないのに大きな支出をするなんて、馬鹿なのか。考えなし。愚か者。そんな声が聞こえる。
えぇ、そう。とんだ愚行です。わかっております、いや、わかってないかもしれません。

ところで、「バカ」の語源は、サンスクリット語で「無知」「迷妄」を意味する「バクカ」「ボカ」だという説があるそうで・・・
え、「迷妄」ってなに? ええと、「物事の道理を知らなくて、間違ったことを真実だと思い込むこと。心の迷い。(『ベネッセ表現・読解国語辞典』p.1182)」

いや、まさに。

それをどうしてまた「つかってみる」ことにしたのか。ちょっとお話をひとつ。

あるところに社会人7年目を迎えようかという人間がおりました。
その人間は、新卒で職を得たことに安心して、将来を想像して不安になって、蓄えて、蓄えて、蓄えて、蓄えて…で、このままいけば、それなりに金持ちになれそうな未来を「予想」するという、実に「賢い」日々をおくっておりました。
そして、20代も終わりが近づいた頃、「明日には40代になってる。明後日には60代になってる。」と、笑いましたとさ。
おわり。


結局どうして、どうなったのか。ご報告はまたの機会に。


**文献**
沖森卓也・中村幸弘編、2003、『ベネッセ表現・読解国語辞典』、株式会社ベネッセコーポレーション

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