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家族の再構築中

実は旦那とは離婚寸前だった。

仕事の事しか頭にない。
昭和の男。
さらには、何かしらの発達障害(多動とアスペ?)がある人。
相手の気持ちよりも、「俺が正しい!」と主張する。

だから、娘が学校に行けなくなった頃、色々な事を言われた。その他にも積もり積もった不満が爆発してしまった。
それがかなりショックで、「私が全部やるから何も言わないで、口を出さないで。」と口論になった。

このまま娘と2人でどこか遠くで暮らそうかとも思ったが、息子も居るのに出られないと思い、家庭内で距離を取る事で心の安定をはかった。

娘も調子思春期で、父親に嫌悪感を感じている時期もあり、話をする事もほとんど無かった。
「パパと離婚しなよ。」
と言うほどだった。

しばらくして、父の病気が分かった。
娘も通信制高校に通う日程が出た。

私は旦那がどうとか、考えている場合では無くなっていた。

今をどう乗り切るか。
それだけだった。

父が亡くなっても、私は旦那に何かを頼む事はしなかった。
むしろ、父が亡くなって、旦那が心配したのは自分の事だった。

…ちょっと俺も動揺してるから。

いやいや、まずは私に「大丈夫?何か手伝える事ある?」的な事言えんか?

しかも、出張に行けなかった事や、後輩に仕事を頼んでしまった事をグチグチ話す姿は、不快でしかなかった。

「自分の機嫌は自分で取れ!」と心の中で叫んでいた。

そこからさらに距離が出来た。

この人に何か頼む事はかえって自分の負担になると思ったのだ。

そして、今年に入って娘も落ち着いてきて、思春期も抜けたのか、旦那とも話をする事が増えていた。

私も距離を取っていれば、特に不満はなかった。

そんな矢先の出来事だった。

旦那は娘の姿に酷く混乱し、泣き叫び、喚いた。
葬儀場までの道のりで、車を運転しながら少し落ち着いた旦那が口を開いた。

「俺が悪かった。全部俺のせいだ。お前の話もちゃんと理解できてなかった。ようやく分かった。娘が教えてくれた。でも、犠牲が大きすぎるよ。もっと早く向き合っていれば…。」

「ごめん。今までごめん。」

何度も泣きながら懺悔をした。

家族の為に働いてくれている。それはもちろん分かっている。仕事が大変なのも分かっている。私が欲しかったのは、少しでも私の気持ちを知って、傷付けた事を自覚して謝って欲しかったのだ。

「そんな事言ったら、意地張ってた私にだって責任あるんだよ。だから、許すよ。私はちゃんと謝って欲しかっただけなんだよ。こうなっちゃたけど、ちゃんと一緒に連れて帰ってあげようよ。」

私は自分の行いを反省し、許す事にした。

それからは、旦那は1週間近く錯乱し、泣き叫び、謝罪し続けた。
私は許すと言い続けた。

確かに、家庭内の雰囲気が悪い部分はあったかもしれない。
夫婦は仲が良い方がいいに決まっている。

でも、早い段階で娘が別の世界に興味がある事を知っていた。
「でも、死ぬのは怖いからできないよ。」
そう言って、笑っていた。

今思えば、そういう気持ちがずっとあって戦っていて、何か引き込まれてしまったのだと私は思ってしまった。
娘と多くの時間を過ごした私は、止められたかもしれないと罪悪感を感じた。そういう話も含めて、旦那の知らない娘の姿を多く語った。

学校に行けなくなった頃からの行動や、私に打ち明けてくれた話や、彼女が持つ世界観。人とは違う感覚を持っている繊細な子だった事を再確認した。

2人でとことん話をした。
2人でとことん泣いた。
2人で同じ話を何回もした。

どうして?の疑問には、自分達なりの結論を出した。

そして互いに、娘の事も【許し合う】事。

苦しいけれど、答えの出ない事を考え続けるより、許す事で気持ちの整理を付けるのだ。

まだその作業は2人の中で続いていて、楽しく過ごせる時間も増えたが、寂しい気持ちが互いに沸き起こる事もある。

お互いに支え合って生きていこう。

家族が1人減り、全てが手探りで再構築中。

ちょっと先の話をしようと心がける。
土日にやりたい事。行きたい場所。食べたい物。そんな事で充分。






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