肩甲骨周囲の筋解剖
今回は肩甲骨周囲の筋解剖・特徴をまとめました!
少しでも臨床、患者様のためになれば幸いです!!
筋解剖
肩甲挙筋
特徴
・肩甲挙筋は肩甲骨回旋筋群に分類されます。
(肩甲骨の回旋についてはまた別の記事で詳しく書かせてもらいます!)
上方回旋と下方回旋というものに分かれ、下方回旋に分類されます。
頭痛とも関係性が認めらており、施術部位として考えられます!
棘上筋
特徴
・上腕骨下垂位で外転作用は一番強く働き、外転角度が大きくなるにつれ弱くなっていく。
・棘上筋には前部繊維と後部繊維に分かれている。 前部の腱性部は長く太い、後部は短く薄いとされている。
上記の報告により棘上筋の一部は小結節に付着していることが明らかとな
り、上腕の内旋、屈曲作用にも関与している可能性が考えられる。
内旋作用の可能性を把握していれば、外旋制限等での棘上筋前部繊維が介入部位として見えてきます!
棘下筋
特徴
・棘下筋は横走繊維と斜走繊維に分かれている。
・横走繊維は上腕骨下垂状態で、外旋作用が強く働くとされています。
・斜走繊維は肩関節90度外転状態で、外旋作用が強く働くとされています。
関節の角度によって筋の働き方が違うのを知っているのと知らないとでは、臨床での引き出しが大きく変ってきそうですね!
下垂位での内旋は問題ないが、外転時の内旋では可動域等に問題があれば介入部位が……!
大・小菱形筋
特徴
・大小菱形筋の肩甲挙筋同様に肩甲骨下方回旋筋とされています。
面白いですね!
菱形筋と前鋸筋は拮抗筋でありながらひとつの筋のように連結されており、お互いが肩甲骨の安定性に関与していることがわかります。
肩甲骨下角部が浮き上がっている症例(翼状肩甲骨)では、前鋸筋と大菱形筋の筋力低下、機能不全が疑えます。(滑走性や筋力向上が有効)
前鋸筋
特徴
・前鋸筋は3つの繊維に分かれており、各々違う役割がある。
前部繊維は、肩甲骨の外転、下方回旋、前傾の作用
中部繊維は、肩甲骨の純粋な外転作用
下部繊維は、肩甲骨の外転、上方回旋の作用があります。
・少し複雑になってきましたが、起始停止、走行方向覚えると頭の中で作用がイメージできてくると思います!(どの筋でも同じ)
肩甲骨の動きはまた別で書きます!
・菱形筋のところでも書いたように筋連結しており、前鋸筋の下部繊維と大菱形筋が連結している報告があります。
・前鋸筋は筋力低下、機能低下になりやすい筋肉です。
機能低下してしまうと、肩甲骨外転に小胸筋がいつも以上に頑張り筋緊張、短縮してしまい猫背の原因に。肩甲骨の固定の不十分になり不安定になってしまいます。
セルフケア等で前鋸筋のトレーニングの指導が効果的!
大円筋
特徴
・大円筋の筋緊張により、外転可動域制限での原因筋になりえます。
また肩関節外側・後面痛がある場合、肩甲下神経痛の可能性も考えられます!
細かいですが頭の片隅に置き、引き出しを増やしていきましょう!!
小円筋
特徴
・小円筋は上部繊維、下部繊維に分かれる。
また他とは異なり起始から停止にねじれる様に走行しています。
・作用として、肩屈曲90°での外旋筋活動が一番働くとせれています。
また肩外転90°、内旋可動域制限の筋の一つになります!
肩甲下筋
特徴
・肩甲下筋は上部繊維、中部繊維、下部繊維に分かれる。
・走行方向をイメージしてもらえれば分かりやすくなりますが
上部繊維の内旋作用は上腕骨下垂位で最も働き。
中部繊維の内旋作用は肩関節屈曲60°・外転60°で最も働き。
下部繊維の内旋作用は肩関節屈曲90°・外転90°で最も働くとせれています。
逆を返せば、同位置での外旋可動域制限・痛みを有した場合、どこが原因かが分かり、各繊維の筋緊張緩和を目的とし適切に施術が行えますね‼
三角筋
特徴
・三角筋は前部・中部・後部と大まかに3つの繊維で構成されえており、各々少し作用に違いがあります。
・中部繊維の外転に関しては、棘上筋や肩甲骨の回旋筋群との共同作業のようになってます。
起始停止が把握できさえすれば、作用も自然と理解できるかと思います!
・三角筋は作用がたくさんあり、また肩を覆っているので肩関節の安定性や軟部組織とも親密な関係があります!
まとめ
・肩関節屈曲は棘上筋前部繊維、三角筋前部繊維
・肩関節伸展は大円筋、三角筋後部繊維
・肩関節外転は棘上筋、三角筋中部繊維
・肩甲骨内転は大円筋
・肩甲骨外旋は棘下筋、三角筋後部繊維、小円筋
・肩甲骨内旋は棘上筋前部繊維、三角筋前部繊維、大円筋、肩甲下筋
・肩甲骨上方回旋は前鋸筋、(僧帽筋)
・肩甲骨下方回旋は肩甲挙筋、大・小菱形筋、(小胸筋)
になります。
まとめましたがまだまだ浅い部分になります。
これからも色々書いていきますので読んで一緒に勉強していきましょう!
少しでも参考になれば嬉しいです!!ありがとうございました!!