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マコモダケ


ある日、ふと父が言いました。
「マコモダケというのをラジオで宣伝しようるの、知っとる?」と。
父はラジオをよく聴いていますが、昨年くらいからマコモダケのことをラジオでよく耳にするようになっていたそうです。
父もどんな食べ物かは知らなかったそうですが、ラジオでは「おいしい」と言ってたそうで。
「おいしい」と聞いて、興味がわかない私ではないので(笑)
ぜひ食べてみたい✨、と感じてました。


「食べたい」という想いを抱きつつ。
先日、島根県雲南市大東町の須我神社さんの方へ家族と車で向かっていて。
ふと道路沿いにあった産直市に入ると……。
マコモダケがありました✨


こちらです。


産直市の方にいただいた食べ方が書いてある紙を見ると。

「真ん中の白い部分を食べる」
「葉っぱは乾燥焙煎してお茶に」
「葉っぱと水と砂糖で酵素ジュースに」
「煮て、焼いて、炒めて、揚げて、漬けて、生でもOK」

と書いてありました。
マコモダケ、すごい✨と感じました。


さらに詳しく知りたくなったので、さらにネットで調べてみました。

マコモダケは、イネ科の植物マコモの若い茎が黒穂菌(くろほきん)に寄生されて、肥大した部分のことをそう呼ぶそうです。
(沖縄県では「まくむ」と呼ばれているそうです。)
収穫の時期は10月頃(秋)だそうで、ちょうど今の時期が旬のようです。

古くは『万葉集』でも登場していて、身近な季節の食べ物だったようです。

食物繊維が多く、便秘解消の効果があり。
カリウムが豊富に含まれているので、むくみ解消やデトックス効果があるそうです。

他にもスーパーフードとして紹介されていたりもしました。



早速、葉っぱを剥いて(ほとんど剥いてありました)、白い部分を切って、生で食べてみました。
味はたけのこの味に少し似ていますが、あっさりしていて。確かに何にでも合いそうな味でした。
食感はしゃきしゃきしていました。
(はいだ葉っぱは小さく刻んで、干しました。廃棄する所が少ないのも、すごいなぁ✨と感じました。)

私はお菓子や食べ物は好きなのですが、食レポはあまり得意ではありません(笑)ので、興味を持たれた方はぜひ食べて、感じてみてください。

お味噌にしてみました。
(黒い斑点が黒穂菌です。)
産直市では大東町で作られた昔ながらのお味噌を見つけて買わせていただいたのですが、そのお味噌がとてもおいしくて✨
マコモダケをさらにおいしくしてくれました。


もう1品。きんぴらにしてみました。
マコモダケのしゃきしゃきの食感に合っていて、
とてもおいしかったです✨



ここからは少し『マコモ(真菰)』にも興味を持ったので、マコモについても書いておきたいと思います。


マコモ(真菰)はイネ科マコモ属多年草。
別名は「ハナガツミ(花勝美)」。
東アジア、東南アジアに分布していて、日本では全国で見られるそうです。
水辺(沼、河川、湖)に生育していて、成長すると人の背くらいまで伸びるそうなので、かなり大きいようです。
知らず知らずのうちに、目にしていた時があるかもしれませんね。

『古事記』や『万葉集』にも登場し、「神の宿る草」とされていて。
神社の「注連縄」や「茅の輪」の材料とされているそうです。
日本には古代種といわれる原種があり、その原種は出雲大社で毎年6月に行われる「マコモの神事」で使われています。
また真菰で編んだ草枕が、宇佐八幡宮・神田明神、その他の神社のご神体とされているそうで、古くから神社と真菰は大切なつながりがあったことを知りました。

そして、いろいろな所で使われている真菰ですが、日本酒の樽を飾る菰被りも真菰で編んだもの、こも(菰)が語源になっているそうです。
お酒も神社や神様とはつながりがありますが、本当に真菰ってすごいんですね✨


真ん中の酒樽に巻いてあるのが「菰飾り」です。
展示してあるのを撮らせていただいたので、
真菰かどうかは分かりませんが💦



古くから薬草としても利用されているそうで(『本草綱目』という漢方の古典にも取り上げられています)、お茶などにして飲むと体内の汚れを洗い流し、血液を浄化してくれる作用があって。
体内を浄化するのと同じように、空気も浄化してくれるので、枕や壁紙などにも利用されているようです。
調べれば調べるほど、真菰ってすごい植物なんだなぁ✨、と感じました。



神社や神様と深いつながりがあるようだったので、さらに調べてみると。
まこもプロジェクトさんのサイトで以下のようなことが書いてありました。

日本神話の中の真菰

真菰は天地開闢(かいびゃく)の神々の一神。『古事記』では、八百万神に先駆け、天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)、高御産巣日神(タカムスヒノカミ)、神産巣日神(カミムスヒノカミ)の 造化三神がまず現れます。その次に生まれた神が宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジノカミ)と天之常立神(アメノトコタチノカミ)で、この宇摩志阿斯訶備比古遅神こそが真菰であると言われています。神名の「ウマシ」は「うまし国」などというのと同じで良いものを意味する美称、「アシ」は葦、「カビ」は醗酵するもの、芽吹くものを意味するのだそうです。つまり「アシカビ」とは「葦の芽」の事で、活力を司る神とされています。「ヒコヂ」は男性を表す語句なのですが、別天津神はみな性別のない独神です。葦が芽吹く力強さから、「陽の神」とみなされ、「ヒコ」という男性を表す言葉が神名に入ったものではないかと思います。

https://makomo.site/makomo/


「真菰の神様っていらっしゃらないのかなぁ?」とふと思っていたのですが、いらっしゃいました。
宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジノカミ)様です。



マコモダケ、マコモ(真菰)を調べてみましたが。
植物のことだけを知るだけでなく、日本の生活や文化などいろいろなことも一緒に知れて、とても楽しかったです。



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