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わかってたけど育児と仕事の『両立』はやっぱり無理だったのとその考察。

誰だろう?いつからだろう?
”仕事”と”育児””家庭”の『両立』ということばをメジャーにしたのは…
とボヤきたくなる気持ちを抑えながら、今回は、
突如8日間に渡る『完全ワンオペ』をすることになったわたしが、絶対にこの経験をおばあちゃんになるまで忘れないぞ!という自戒の念を込めて考察をまとめることにしました。長いです。

【My Family】


夫(37)元高校教諭 お寺の長男として生まれ昨年より副住職
わたし(37)元営業職・高校教諭 現在はフルリモートでベンチャー勤務・ライフキャリアコーチ・お寺の奥さんとしての仕事をたまに
長男(3)身体を動かすのが大好き、寝るのがニガテ、元気だけど繊細優男
次男(1)食べるの大大大好き、走ることと音楽が好きなマイペースなおチビ

さて、家族紹介が住んだところで、今回なぜ平和だった我が家に突如『8日間の完全ワンオペ』が訪れたのか、経緯を説明させてください。

わたしたち家族は昨年より、将来的にお寺を継ぐために夫の実家であるお寺の向かいに引っ越しました
そこで次男が産まれ、4人家族になりました。

夫は不器用ながらもそれはそれは育児にコミットする人で、長男が産まれたときは半年の育休を取りました。(これについて語ると長くなるので割愛)
次男が産まれたときにはお坊さんになっていて育休はありませんでしたが、
お坊さんとは会社員に比べて時間の融通が利きやすいものでして。(もちろん各寺により違いますがうちの場合は自営業のようなイメージ)
夕方はたいてい16時ころには家に居て、家事や育児をしていました。

4月から次男が保育園に行きはじめ、わたしもベンチャースタートアップへの参画が決まり多忙になりました。そのため家事・育児はほぼ完全に50:50で分けています。『すべての家庭でぴったり半分にするのがいい!』と言いたいわけではなく、それがわたしたち夫婦にとっては最善だというわけで我が家ではこの結論に至りました。

お坊さんにも、実は【位】というものがあります。


会社で例えるなら、課長・部長・役員…みたいなものでしょうか。
公の行事のときに着る衣の色が違うのです。

衣の色が紫やオレンジなどで違います(僧階によって定められています)


それは例えば、”この研修に参加した”とか、”この行事を経験した”とか、ポイント制になっているようで。この度夫は次の位に上がるために必須である修行に行くことになりました。
相談されたのは半年ほど前でしょうか。

『え、無理やろ。なんで今なん?』


正直、悩みました。子どもの性質にもよりますが、我が家の長男(3)は生まれたときからとっても寝るのがニガテ。夜も何回か起きます。
次男はよく寝るタイプですが、それでも体調が悪かったりすれば起きて泣くこともしばしば。まだ夜ミルクもあります。
そして、何より、寝付く時間が違うのです。寝かしつけ、どうしよう?
お風呂、ひとりでいける?…
相談された当時次男はまだ1歳になる前でまだ立てもしなかったので、『え、無理やろ。なんで今なん?もっと子ども大きくなってからでいいやん。』というのがたぶん最初に口をついて出たことばだったと思います。
でも、かくかくしかじかありまして今が最善か…ということになり、まあなんとかなるか!と心を決めて送り出す決断をしました。

タスクが単純に2倍!!分刻みスケジュールです!

普段からそれなりに家事も育児も仕事もしているとはいえ、夫の分担が全部自分に降ってきたらどれほど忙しいか、それは予想はしていましたがビックリの仕事量でした。普段は子どもと一緒に7時ころに起き、保育園の送りは基本夫、迎えは基本わたし、という分担なのですが、朝からフルスロットルの毎日が始まりました。

6:30 わたし起床 身支度と子どもの朝ごはん準備
7:10 子どもたちを起こす 
7:30 朝ごはん開始(1歳のこぼす、落とす、投げるなどはとりあえず放置)
8:00 着替え
8:15 保育園出発
8:40 帰宅し自分の朝ごはん、掃除機、食卓やおもちゃの片づけ
9:00 始業
16:30 仕事切り上げスーパー・薬局へ(行かない日は17時まで仕事)
17:00 洗濯物片付け、子どもの翌日の服セット
17:20 夕食作る
17:50 お迎え
18:15 手洗いして夕食
19:00 お風呂→ミルクなど→遊び
21:00 次男1階で寝かしつけ開始(長男はリビングでTV)
21:20 夕食片づけ・洗濯機セット・長男歯磨き(モニターを1階に移動)
21:40  絵本タイム・2階寝室で長男寝かしつけ
22:20 長男就寝(次男とモニターを2階に移動)
22:30 洗濯物干す
22:40 お風呂掃除
22:50 保育園のかばん中身セットと子ども部屋のおもちゃ片付けなど
23:00 キッチンリセット、食洗器回す、ごみ出し
23:20 仕事のメールやインスタチェック、返信
24:00 寝室に移動

ざっとこんな感じでしょうか。ちなみに太字にしてあるのが普段夫が担当しているところです。
なんと、やることが多いこと。こうやって書くと、単純作業のように思いますよね。でもこれ、タスクを羅列しただけで、実際にはイレギュラーが付きまといます

おねしょしてみたり、せき込んで嘔吐したり、う〇ちが漏れてしまったり、かと思ったら、勝手に椅子から降りてカステラぽろぽろ落としながら歩き回っていたり、ねんどをちぎってまき散らしたり。
長男が組み立てている線路やブロックを次男が壊してケンカ、ちょっと目を離せば次男がイスによじ登って落ちて泣く。

突如現れる図鑑とカステラのカケラたち

あっちを抱っこすればこっちが怒り、こっちのお世話をしてたらあっちに呼ばれ、食いしん坊次男はずっと食べ物を欲しがるし、眠くなるとちょっと離れただけで怒って泣きながら着いて来る。

あと、買い物を30分で済ませて帰ってくるのとかも地味にとても大変です。事前に足りないものやらすべてリストにしておく必要もあるし、のんびり『今日のごはん何にしようかしら~』なんていう暇はなく、自転車漕ぎながら献立考えて、買うもの決めて、サッと買ってレジに直行!!くらいのスピードじゃないと無理なのです…。

『ちょっと待ってて!』『そのくらい自分でやって!』と言ったあとのプチ罪悪感。

そんなこんなでいっぱいいっぱいのわたしは、この1週間で何度、『ちょっと待ってて!』『ね~そのくらい自分で出来るよね?自分でやろう?』と言ったことでしょう。
次男はまだことばがあまり理解できないので、どうしても長男に待ってもらうことが多くなります。
そのたび、ああ、もっとちゃんと構ってあげたい、あんなことで怒らなくても良かったな…余裕のない母でごめんよ!と思うこと多数。

こんな感じで世のワンオペママはきっと、膨大なタスクとイレギュラーな子ども相手の対応に追われながら、自分の事もして、”ちょっと余裕がなくなって言ってしまったことば”に自己嫌悪を覚え、やりたいことたくさんあるのに、寝ないと明日も持たない…となるんだろうなぁと推察しました。

結論:仕事と育児の『両立』なんて誰にも不可能です!

ChatGPT先生に『両立』の意味を尋ねると、こう返ってきました。
「両立(りょうりつ)」とは、二つ以上の物事を同時に成り立たせることや、どちらも欠けることなく成し遂げることを意味します。特に、異なる目標や役割を両方とも達成・維持することを指す場合が多いです。

どちらも欠けることなく成し遂げる…?

なるほど。

…なるほど(2回目)

わたしはタスクをこなすことに命をかけてきたタイプの人間で、無駄が大嫌い・スピード命のせっかちオバさんです。(早いだけが取り柄で、雑です)
なので、このわたしがこの時間かかるということは、ゆっくり丁寧に作業をされる方だったら絶対にこの時間では終わらない、ということです。

同じくらいの年齢の子どもを育てる家であると仮定すると、子どもさんがものすごく早くよく寝るタイプか、何か(掃除・洗濯・料理)を諦めているか、外注するか、もしくは誰かほかの家族に手伝ってもらうかをしないと上に書いたタイムスケジュールをこなすことは不可能だと思います。

ちょっと、冷静に考えてみてください。
家事や子どものことだけをしていても、暇ではありません。
独身で仕事をしていても、暇ではありません。
当たり前のことです。

ではなぜ、突如『ワンオペワーママ』という両方しなければならない人が現れて、それがいつもほぼ女性なのでしょうか。ワーパパなんてことば聞いたことありません。ちなみに誤解されがちなので書き添えますが、この問題を語ると『女性被害者の会会長』みたいになりがちですが決してそのようなレベルのお話ではありません!
わたしは周りの男性に心底感謝しているし、男性が寝る間も惜しんで働いてくれたことで経済成長した時代も知っているし、リスペクトもしています

(でもここまで読んでもし、イヤなら働かなければ?とか、産んだ責任!とか、そんなご感想をお持ちの方は、ちょっといったんここで読むのを辞めて頂きたいです)

あと、中にはわたしのスケジュールをご覧になって、もっと無駄削れるじゃん!スーパーとか薬局とか、まとめて行っとけば?とか、毎日洗濯する必要ある?とか様々なご意見をお持ちになった方もいるかと存じます。

しかし!聞いてください!
うちの子にとってフルーツがあるかないかは死活問題なのです。
みかんがない!(今はみかんにハマり中)となった日には…地獄です。
しなくても良い苦労はしたくないタイプなので、ストックは切らさないようにします。
そしてフルーツ、悲しいことに一週間も持たないんです。3.4日に一回はスーパーに行かないとならない。そして、昨日まであんなに気に入っていたものを、今日は『いらん、好きじゃない』となったりするんです。キー!奥深いぜ…子育て…


みかんは1回に3つずつくらい食べます👀🍊


そしておむつですね。1日5枚は保育園に持っていくのです。そして昼用と夜用があるんですよね。うちは長男が昼はおむつ卒業していますが、2人いたら4種類必要なんですね。大荷物です。数年前まで丸の内をヒールで闊歩していた系女子だったわたしですが、今やおむつを前と後ろのかごに乗せ、自転車で爆走する系女子になりました。

更に持っていくおむつ1つ1つには、名前を書かないといけませんね。
この前名前スタンプを一袋分押したと思ったのに、気付くとストックが切れそう…忙しい時に限って…!忘れがちだけどこれは保育園ママあるあるかと思います。

スタンプ押す速度はめちゃくちゃ早くなりました

ちなみにわが子が通うこども園は、着替え毎日2セット、パジャマも着替えるのでそれだけで洗濯物は山盛り、夏はプールやタオルもあるのでもっとですよね。汗をかいた帽子なんかは毎日洗って、次の日の朝までに乾かさないといけない。おしっこが夜おむつから漏れてしまったり体調が悪く嘔吐した日には、1日何回も洗濯機を回します


大変、大変、大変すぎるよ!でも世界でいちばん大切なわが子


なぜこんな想いをしてまで働くのか?
皆さんはどうでしょうか。

わたしの場合、仕事が好きだから。仕事をしているときのわたしが好きだから。仕事をしているときのわたしがわたしらしくいられるから。
でも、子どもは本当に大好きで、子どもが欲しくて一度はキャリアを捨てたし、長男のときは病みかけながら3年弱の不妊治療をしました。

人それぞれ、なぜ働くのか、なぜ子どもが欲しかったのかは違うと思います。
でも、理由なんかなんでもいいのです。
ただただ、育児と仕事を両方するのは、ただ単に仕事も責任も倍、もしくはそれ以上になるということ。
そんなの誰にできるんですか?あなただけじゃありません、誰にだって無理です。罪悪感なんて感じる必要はさらさらないです。と、わたしは声を大にして言いたいです。

それでこれ、どうやって解決しますか?

実はわたし、スタートアップ企業で女性推進の仕事をしています。
だから毎日こんなことを考えています。当事者として。
どうやってこの社会課題と向き合っていくか。どうやってなかなか変わらない仕組みを変えていくか。

先日も仲間と話していましたが、これって世界平和のような壮大なテーマでもあり、そして誰にも頼まれていない仕事で、わたしたちが今辞めてしまっても誰も気にしないようなことです。でもそれを、必死にやっているのです。

壮大…

わたしが社会人になった15年ほど前から今までで、何が変わったでしょうか。
そのころから、女性の社会進出・女性推進・少子化対策・もっと働く女性に優しく・男性育休を普及させよう…
たくさんの施策やスローガンを企業や政治家が声高にうたっていました。

でも、まだやっている。まだ変わっていない。ある意味すごいです。

例えばプラスチックが環境に悪い、どうにかせねば!と人々が言い出してから、マイバッグが主流になり、袋が有料になり、プラスチックストローをあまり見かけなくなるまで、どのくらいの年月がかかったでしょう?

2018年の「海洋プラスチックごみ問題」を受けてから、袋の有料化が義務付けられる方針が決まったのは2019年12月。実際に施行されたのは2020年7月1日です。

それまであたり前に、袋はプラスチックで、もらえるものだと国民全員が思っていた。それが今では、袋が有料なのは当たり前になりましたよね。たった2年で、それまでの当たり前は変わりました。

では、皆が公平に働くことができる社会にするのって、いったいどのくらいかかるんでしょうか。

これについて語るともう論文が書けるほど長くなってしまうし、語れば語るほど被害者の会みたいに見えてしまうので割愛しますが、
わたしはこれを変えるキーになっているのは男性がこの女性推進の問題について当事者意識をもつことだと思っています。”女性”ってついているから女性の問題かと思われますが、そうではないことは明らかです。

“子どもを産むことは、親のエゴ”


このことばを聴いたときハッとしました。
誰も頼んで生まれてきたわけじゃない、でも、不幸にしたくて子どもを産む人なんてきっといない。
誰に子どもの可能性をつぶす権利があるんだろう?
子どもたちの純粋無垢な、ピュアな心と接していると心底そう思うのです。

なんだか色々なことを書き連ねましたが、いちばん忘れたくないこと。
それは、わたしを救ってくれるのはいつも家族で、どんなわたしでも『だいすき』と言ってくれる最愛の息子たちがいること。髪の毛がぼさぼさだろうと、余裕がなくて怒ってしまう時があろうと、いつでもわたしに最高の笑顔を向けてくれて、天使の寝顔を見せてくれて。本当に出会えてよかった、命に代えて守ろう!と思う存在がここにあること。
これは、誰にも邪魔できない、変えられない事実です。大変だろうが何だろうが、きっと20年後にはこの文章を読んで、もう2度と戻らないこの小さい期間を思い出し、ウルウルしちゃうことでしょう。

お寺感満載のスリーショット☺️

だから、その最愛の子どもたちが生きる社会を、もっと良くしたい。

わたしがした理不尽な苦労は、してほしくない。無限の可能性を、つぶしたくない。

皆さんで、変えませんか?


文句を言うだけではなく、一歩行動しませんか?
関係ない、と線を引かず、興味を持って知ろうとしませんか?

本当にこれは環境保全や世界平和と同じ、完璧じゃなくても、できる人ができることを積み重ねることが本当に大切だと思っています。

このワンオペ期間を通じ、世のワーママへのリスペクトが増したと共に、ひとりでもこんな想いを抱える人が減って欲しいし、わが夫への感謝と愛情が増したし、子どもへの愛情も周りへの感謝もよりいっそう強くなりました。

もし最後まで読んでくださった方がいらしたら、本当にありがとうございます!とっても想いを込めて書いたら、すっごく長くなってしまいました。

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