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退職願を出してきました

またまたお久しぶりになってしまいました。
さて、なかなかインパクトのある題名だと思いますが、先日職場に退職願を書きに行ってきました。

新卒で大手営業職として約7年間文字通りがむしゃらに働き、29歳で高校教諭デビュー、現在はコーチ・寺嫁・ベンチャー企業のパラレルキャリアをしながら2人の元気な男児を育てております。

そんな経歴や仕事や子育てへの想いは語れば長くなるのですが、もしご興味をもって頂けましたら宜しければ過去の投稿をご覧ください。

さて。人生で3度目の退職願です


20代を営業職に捧げ、BtoC BtoBの2社の大手企業で働きました。
昼夜問わず本当に厳しい世界で色々なことを叩き込まれ、
30歳で心機一転!教員採用試験の勉強を必死でして、合格!
(大人になってからの試験勉強は思ったよりもかなり辛かったのが本音)
この時にはまさか、こんなにすぐに教員を辞めることになるなんて想像していませんでした。

わたしが直近で勤務していた高校は、20年ちょっと前に2つの工業高校が統合し、新しくなった学校です。

久々に歩いたコンクリート打ちっぱなしの少し冷たくて暗い廊下は、
初めて赴任してきたときの緊張感を思い出しました。

2階の職員室を目指し階段を上がると、男子校(正確には共学ですが8割男子)特有の汗と制汗スプレーの混じった香り。

ああ、そうだった。
この廊下は運動部が昼休みにトレーニングに使っているんだった。
そんなことを考えながら、2階のズドンとした広い廊下にたどり着きました。

すれ違いざまに大きな声で『こんにちは!』と頭を下げる高校生男子たち。
ああ、懐かしい。すべてが懐かしい。わたしはここで確かに”先生”をしていたんだな。一瞬で記憶がフラッシュバックしました。

ここに通っていたころはまだ子どももいなくて(3歳の長男の産休から次男が1歳になった今まで約4年近く産休育休を取っていました)

この廊下を毎日走り回って、ここで卒業生を送り出して、入試の対応をして、新入生を引率して、毎月学級だよりを作って、日々PPTで授業のスライドを作成して、テストを印刷して…

面倒なこともたくさんあったけれど、振り返るとすべて良かったことに見えてしまうのは本当に不思議。
そんな、今時のことばで言ったら(?)エモい気持ちを抱え、
校長室で退職願いに判を押したのでした。

子どもから教わることは本当にたくさんある

子育てしながらも日々かみしめるようにそう思っていますが、もともとそう思ったのは教師になったから。
当時、子育てをしたことがないことは教師の深みに欠けるのでは…と思いながらも、本当に、目の前の子どもたちに真剣に向き合いました。

その時間が本当に好きでした。人のことを真剣に考えるのって、時にしんどいけれど、でもわたしはきっとかなり愛情深い方で、その関わりはお金では買えないものだったと思います。

先生、先生!と朝から嬉しそうに走ってきては、恋の話や友達の話をしてくれた女子たち。
真剣な進路の相談を放課後何時間も聞いて、小論文を何度も添削したあの子。
進学校じゃなかったのに毎日何時間も一緒に勉強して、志望校に合格した時の最高の笑顔。
補習の常連で、全然勉強する気がないけど愛嬌だけはあったあいつら。
授業中はいつも寝ていた身体のでっかい男子たち。
心配するほど人の目を見て喋れない男子たちの、頭を抱えた就職面談指導。
ヤンチャな男子の彼女にあげるクリスマスプレゼントの相談に乗ったり。
彼氏との喧嘩の愚痴を聞いたり。
不登校の生徒や保護者との毎日の電話。
騒がしすぎる元気な男子たちのなかで、毎日叫びながら笑いながら怒りながら授業をした日々。
そして卒業して去っていくときの大きくなった背中・・・

数えきれないほどの思い出と、子どもたちの成長と共に歩んだわたしの数年間は、本当にかけがえのない経験になりました。

教師を辞めるのは残念すぎるし、最初はあんなにムズムズした『先生!』という呼び方も、
今では駅でそれを聞くと思わず振り返るようになってしまったけれど(そして本当にそれが卒業生だったり)
でも誰かの心の中で人生で一度でも、例えば大人になってからの飲み会で、”そういえばあんな先生おったな”と思い出してもらえたら、それが本当に教師冥利に尽きるな、と思いました。

無駄な経験なんてひとつもない

『わたしがこれまでやってきたことは、仕事を変えるとすべてリセットされてしまう。特に、経歴としては。』

これも、ある意味事実だと思っています。

”大手企業の営業職”という肩書は、失ってからその威力に気付いたもののひとつでもありました。
「〇〇会社の〇〇です。」と営業先で挨拶できたことのパワー。
何者でもなくなった瞬間から、あの肩書に守られていたことも知りました。

そして、職を変えると必ず『でも、この業界は初めてでしょ?』とマウントを取ってくる人。これ、どこに行っても必ずいます。
下手すると、すごく年下なのに、『わからないことは何でも聞いてよ!』とため口で話してくる人まで。
何度か転職し、このような人に出会ったとき笑ってスルーするくらいの精神力はつきました。

これはわたしの個人的意見ですが、わたしは経験豊富な人、上に立つ人には『育てる責任』があると思っています。
辛い経験をしてきたなら、頑張ってきたならなおさら、新しくその仕事を始める人の気持ちがわかるはず。

なんでも、経験豊富な人がサポートする。もちろん甘やかしたり、なんでも手取り足取り教えてあげるということではありません。
例えば効率のよくなる方法のヒントを伝えたり、考えた方がいいポイントをわかりやすく示してあげることは、経験を積んできた人にしかできないことだと思います。

そんなこんなでわたしは営業職→公務員(高校教師)を経験し、
夫の実家(寺)の向いに引っ越し、昨年生まれた次男を育てながらコーチングの勉強をし、コーチとしてデビューしました。
友人から誘われ、ベンチャー企業の立ち上げから一緒に事業をすることにもなり、次男を保育園に入れてからは日々奔走。

ビジネスや経済の最先端だった会社員時代から、地方公務員になり、
お寺という何とも特殊な世界を見ながら、またしても約7年ぶりにビジネスの世界に舞い戻ったわたし。
2人の子どもの母にもなりました。

母になってからのビジネスへの復帰は、わかってはいたものの正直、思っていたよりハードです。(これについては次の章で)

でも、その全てが”人間・阪口裕子”の糧になっていることは確か。

日々、少しずつですが、すべての分野において、経験したことない人よりはレベルアップしている!そう信じて邁進するのみです。

すべてを少しずつ諦めなければならない

会社員としてバリバリ働いていた時は、子どもがいませんでした。
結婚も出産も子育ても、想像はしていました。でも、やっぱり何事も経験しないとわからないのです。子どもがいるから偉い凄いとか、そんなことは微塵も思いませんが、こればっかりは仕方がないこと。

1歳と3歳男児を抱えながらフルリモートで仕事をすることになり、
とてもありがたい、理解ある環境で働かせて頂いています。
そして夫もとても協力的で、育児も家事も2人で協力し、よく話し合ってやっています。
それでも、『すべてを少しずつ諦めている』
これが、現状です。

朝から子どもの身支度をさせ、ごはんを食べさせ(この時点でぐちゃぐちゃ)
送り届けたあとも散らばったおもちゃや床に散乱する朝ごはんを片付け。
急いで自分も身支度し、朝ごはんを食べる暇もないままMTGがスタート。
もっと仕事をしたくても、スーパーに行ったり薬局にいっておむつを買ったりしなければいけないし、
夕飯は子どもも食べられるものを考えて、作って、毎日自転車爆走させて18時ギリギリにお迎えに走りこむ。

寝ない長男は元気いっぱいで基本22時半就寝。
やっと寝たらまたしても散らばった諸々を片付け、食器を片付け、保育園のかばんの中身のセッティング…

夫ともコミュニケーションを取りたいので、どうしても寝るのは深夜に。

本当はもっと子どもをケアしたい、
もっと仕事を進めたい、夫と話したい、友達とランチもしたい、
勉強もしたい、本も読みたい、買い物にも行きたい…!

やることは山のようにあって終わらなくて、でも、これはわたしが望んで選んだ道。
だから、これは文句でもなんでもなくて、ただの事実であり、
わたしは今の状況が一番好きで、一番幸せだと思っています。

あとは、変わらないリソースでこの状況をどうマネジメントするか

たまに、一生懸命考えて出した考えを論理的に説明すると、『心がない』とか『そうはいうけど…』と感情論とごちゃまぜにする人がいますが、感情と一緒にしていてはビジネスは成り立ちません。

完全なるボランティアや非営利でない限り、お金を稼がなければならないことは事実だし、先を見極めて客観的に分析し、決断する能力がないところは容赦なくつぶれていく時代

家庭でも仕事でも、限られたリソースの中で最大限のパフォーマンスを考え、それぞれの気持ちをきちんと把握して、押し付けることなくできるだけ尊重する。それをわたしは常に大切にしています。

そのために大切なのは、
・やらなければならないことを可視化すること
優先順位をつけること
・そこに伴うそれぞれの感情を正しく把握すること
(そのためのコミュニケーションは丁寧に行うこと)
・誰かだけ我慢したり犠牲になっていないか常に考えること
時代の変化に敏感であること
・人の時間を無駄にしないという意識を持つこと

どんなビジネスでも、理想論だけでは通用しません。
自分の立場に甘んじないこと。
これは本当に、歳を重ねるごとに気をつけなければいけないなと、いろんな人をみて思う毎日です。

新しい一章が、また始まる

30代後半にして、10年前には想像もしていなかった生活をすることになったわたし。
今が一番幸せ、を更新する人生でありたいと思っています。

そのためにはきっと、大変なことも辛いことも、ぶつからなければいけないこともたくさんあると思います。

でも、大切にしたいことは何なのか、常に考えながら、
成長しながら、謙虚さを忘れずに走っていきたいと思います。

いろんな人に会って、いろんな価値観を知って、いろんなことを考えていたい。

そして、その背中を子どもたちに見せたい

そんな思いでこれからも走っていきたいので、何卒よろしくお願いします!

最後に、わたしのライフワークを。
人生の節目に、久しぶりに長い文章を書きました。
最後まで読んでくださった方がもしいらしたら、ぜひすきボタンを押していただけたら嬉しいです!読んでくださってありがとうございます。

そして、わたしや仲間が心を込めてやっている事業たちを是非、応援して頂けたら嬉しいです!



※本文ではより学校現場をイメージしやすくするため、男子・女子などの表現を使用しました。






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