2016年の蓮舫氏の国籍問題報道・・新証拠に基づいて再検証されるべき
はじめに
2016年に起きた蓮舫氏の「国籍問題」とされる一連の騒動に関する報道について、関わった人すべてに、「新証拠」を踏まえた再検証を促したいと思います。
蓮舫氏国籍問題の報道
当時、蓮舫氏は「台湾当局」に籍を残していたことを指摘され、国籍法上の「二重国籍」者に該当し、「国籍選択手続き」をしていなかった「国籍法違反」だとする攻撃を受けました。
当時、蓮舫氏は野党第一党「民進党」の党首であり、こうした攻撃の裏には野党にダメージを与えたいという政治的な思惑が含まれていたことも推測されます。
「蓮舫氏が台湾当局に籍を残していた」こと自体は、当時すぐ確認された事実でした。
ただ問題は、「日本の国籍法」の適用上「台湾当局の籍を持つ」ことで、「外国の国籍」を持っているということになるのか?でした。そこがはっきりしなければ、そもそも「義務」やら「違反」やらを論ずる前提を欠くからです。
マスコミや学者の一部からはその点に疑問が上がりましたが、法務省は「台湾出身の重国籍者」には「選択義務がある」という説明を行い、日本国民が台湾当局の籍を持っている場合に、重国籍者として扱われるのがさも当然であるかのように印象づけました。これは後述の証拠(1981年の法務省による文献)と矛盾する内容であり、「誤魔化し」があったことが透けて見えます。
その後、蓮舫氏本人が謝罪したことで攻撃側が勝ったかのような流れになり、蓮舫氏は民進党党首を辞任しました。当時の野党第一党であった民進党は瓦解・解体し、政界再編の流れになりました。この事件は政界に重大な結果をもたらしました。
新証拠の発見
さて、それから8年経った2024年の今になって、当方が発見した文献が「最新国籍・帰化の実務相談(1981年刊)」です。
・最新国籍・帰化の実務相談 改訂版 (レジストラー・ブックス ; 34)
https://dl.ndl.go.jp/pid/11994800
著者 法務省民事局第五課国籍実務研究会 編
出版者 日本加除出版
出版年月日 1981.3
※内容については、以前の投稿
https://note.com/liuk_net/n/ndf94803d1d60
をご覧ください
この文献は「とある異端学者の独自学説」などではなく、法務省民事局第5課の名が入った形で出されています。はしがきには、当時の法務省民事局第5課課長名も入っています。
そして、第八章p177-182には、日本と承認関係の無い国は国籍法上の「外国」と扱われないこと、分裂国家の場合、日本が正統政府と承認している政府の処分のみ国籍法上の効果を持つことが記載されています。
法務省は過去このように当事者・関係者に対して説明していたのです。
この説明に基づいて考えれば、
・日本国籍者が日本と承認関係の無い台湾当局の籍を持っていること
では、
・「外国の国籍」を持っていること
にはなりませんから、蓮舫氏に関する国籍法上の指摘そのものが成り立ちません。
この新証拠を踏まえた、当時の騒動の「再評価」を促したいと思います。
情報公開に関する制度の趣旨
公文書管理法
情報公開法
何のために情報公開法や公文書管理法があるのか?
公文書管理法や情報公開法は、「行政機関の諸活動」の「説明責務」を全うするために作られています。
「事実を隠し、印象操作に誘導し、無かったはずの話があるかのようにでっち上げる、などということが起こらないようにする」ためだと言っても過言ではないだろうと思います。
試金石
蓮舫氏国籍問題の経緯がどう明らかにされるか? そしてこれからどう総括されるか? これは、日本で「情報」が適切に扱われているかどうかの試金石と言えるのではないでしょうか?