
Soutei -memo- 雲のような質感の帯紙で透け方を実験
Soutei -memo- は、印刷・版面・造本設計を担当する私たちが、装丁見本づくりで実験的に試作したもの、その結果などをメモとして残しています。
今回は、アートドリープ 紫雲という、雲のようなまだらな透け感のある用紙を使って「帯紙(おびがみ)」を制作しました。
帯紙(おびがみ)
※帯紙(おび)、腰帯(こしおび)ともいいます。
書籍の表紙・カバーまたは外函の下部に巻いた帯状の印刷物のこと。キャッチコピーや内容紹介、批評の一部や出版社名・定価などを印刷し、販売広告の役割を果たします。

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猫と雨音(帯紙)
size: W400×H65mm
print:オンデマンド印刷
color:4c/0c
paper:アートドリープ 紫雲 96kg
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表紙は紙の質感を活かすため、できるだけシンプルな装丁で帯紙を採用しました。
「帯を巻いた時に「傘立て」がどのくらい透けるかな……。」


印刷前に帯紙の透け方を3パタン想定し、データを制作してみることにしました。
帯紙が
①しっかりと透ける場合
②少しだけ透ける場合
③ほとんど透けない場合

印刷した帯紙(アートドリープ 紫雲)3パタンをそれぞれ表紙に巻いてみました。
①帯紙がしっかりと透ける場合
「傘立て」を避けて文字を入れてみましたが、あまり透けず少し寂しい印象になりました。表4は、ロゴや価格の表記が透けるかなと思いましたが、ほとんど見えませんでした。


②帯紙が少しだけ透ける場合
「傘立て」に重ねて文字を中央揃えで入れてみました。ランダムなまだら模様なので、透ける範囲に個体差があるのか!と気が付きました。表4は少しだけ透けることを想定して、青文字で入れてみました。


③帯紙がほとんど透けない場合
「傘立て」に重ねて、文字を左揃えで入れてみました。
アートドリープ 紫雲(96kg)は、思っていたより透けにくいことがわかりました。表4は透けない想定で黒文字で入れました。


実験の結果、③帯紙がほとんど透けない場合 に決定しました!

【補足】表紙が明るい色だと透け方も変わりそうです。

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