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親と子の、こじれにくい距離感。|『イギリス式 小さな部屋から始まる「夢」と「節約」』

海外暮らしを垣間見れるエッセイが大好きで、これまたイギリスの本を手に取りました。

自分がミニマルを意識した暮らしを心掛けているせいか、とにかく豪快に沢山買い込むスタイルのアメリカよりも、イギリスの方が惹かれるからかもしれない。

さらには、何冊か読み漁っている井形さんのエッセイに惹かれるものがあるからかもしれない。このタイトルの「小さな部屋」というのも、なんだかいいよなぁ…

『イギリス式 小さな部屋から始まる「夢」と「節約」』を手に取ったわけ

先にも書いたように、井形さんのエッセイを読むようになったら、アルゴリズムがごりごりに押してくれて、どんどん出てくる。

でもそれがしつこいと感じることはなくて、毎回でてくるタイトルに「おっ!」と惹かれてしまうものがあるんだな。

さらに、このエッセイ本は表紙も可愛い。そして「小さな部屋」という言葉から、なんだか「小さな部屋」に住む、なんでもない私も、なんかちょっと学べることがあるんじゃないかという期待が膨らむ。

そんな素敵な一冊でした。お部屋の話が多いんだけど、でもイギリス式の親子の関係についても沢山言及されていて、今の私にはそちらがグッと刺さった。

『イギリス式 小さな部屋から始まる「夢」と「節約」』からの学び

親子関係が日本のそれとは違うイギリスの若者は、子どものころから暮らしてきた家を「実家」ではなく「親の家ーParent's house」と呼びます。自分が生まれ育ったとはいえ、ここは両親の居場所であり、やがて自分は出ていくのだという意識があるのです。

井形慶子著『イギリス式 小さな部屋から始まる「夢」と「節約」』(2009)講談社

へー!と思ったので、自分がなんて言ってるかな?と振り返ってみたら、確かに英語で喋る時は「Parent's house」と言っていた。

難しく考えていなかったけど日本語の「実家」って、確かに「実の家」ということになるから、じゃぁ今住んでいる「新しい家族の家」は「本当の家じゃなく、仮の暮らし」ってことになっちゃうんだろうか。

イギリス人のお友達を見ていると、もちろん見えている部分は限られているとはいえ、両親や義理の両親との距離感がうまくとれている。親はイギリスに、自分はルワンダという距離があるのが良いのかもしれないけれど、年に1,2回訪ねてくる親戚たちともうまくやっているように見える。

お互い「親だから」「子どもだから」といった甘えがない。仕事なり結婚なりで家を出ていった者に対して、無駄に固執することもなく、いい意味で突き放している感があるからかもしれない。

だからこそ、子どもの方もお世話になる時はお礼をちゃんとするし、実家だから上げ膳据え膳でゴロゴロくつろぐ~みたいなテンションでもなく。人の家にお邪魔しているという感じを、ちゃんと残っている気がする。

親子とはいえ、一度巣立ったら、もうそれは大人と大人。相手が嫌がることはしないし、失礼なこともしない。ドライに見えるけど、でも長い付き合いだからこそ、相手を「他人」として捉えるのって大切かも。

『イギリス式 小さな部屋から始まる「夢」と「節約」』から取り入れたこと

家族そろって夕食をともに食べるということは、一見、何でもないことのように思えます。けれど、この時、両親は子どもとの会話を通して子どものようすを知ることができ、子どもたちも親の存在を確認できるのです。

井形慶子著『イギリス式 小さな部屋から始まる「夢」と「節約」』(2009)講談社

「家族そろって夜ご飯を食べたい。それは物理的に同じテーブルについているというだけでなく、会話を楽しむためだからこそ、携帯は使わないで頂きたい」ということで、何度も夫衝突したことがある。

なんで私の中で、ここまで「みんなで夜ご飯」にこだわるのかな?と思ったんだけど、もしかして幼いころにイギリスに住んでいたからでは?とこの箇所を読んで思った。

思い返すと、我が家のイギリス在住時代に、昭和の銀行マンの父が夜ご飯に間に合うなんてことはなかったんだけど。でも週末の集まりなどで感じた「家族」の結束みたいなものが、すごく憧れなんだと思う。

今でもキーッとなりそうなときもあるし、なんなら子どもが食卓におもちゃのスマホを持ってくるようになり、お父さんのマネをしてちらちらスマホを触るなんてし始めているから「ほれみろ」と言いたい気分でもある最近。

まぁでも、目の前でキーッとする方が「穏やかな楽しい家族団らん」からは離れちゃうしなと思いつつ、「みんなで夜ご飯」の意味をかみしめる。

今はさ、子どもたちも何も思っていないかもしれないけれど、でも、多分お兄さんになって、おじさんになった頃に思い出すと思うんだよね。いや、思い出すというか、心のどこかに残っているかというか。

そんな我が家に遊びに来てくれて、一食に食卓を囲んだ人たちからは、「こういう家族になれたらなぁ」なんて素敵なコメントを頂くことも。

だからこそ、たまにはぶつかるんだけど、みんなが集まる場所として。特に子どもたちが大きくなって、家の外にいる時間が増えた頃にも、夜ご飯はみんなが集まる場所でありたいなぁ…と母ちゃんは思うのです。

『イギリス式 小さな部屋から始まる「夢」と「節約」』をおすすめしたい方

・なんとなくせわしない周りの目が気になる方
・周りの人との関係に少しくたびれている方
・より良い家族の形を探している方

「夢」についても書いてあったけれど、何はともあれイギリス人って「個人」が突出しているからこそ彼ららしいのかなぁという気がした。

だからこそ「個人」がブレてしまっていて、なんとなく生きにくいといった方に、ぴったりの一冊じゃないかと。

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asa|minimalish life
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