【ココロ】習慣の素晴らしさと恐ろしさ
トレーナーをしていると
「癖になっているんですよね〜」
という言葉を頻繁に聞きます。
ねんざが癖になっている、ぎっくり腰が癖になっている、など。
それがまるで「癖だからもうどうしようもない」といった言い方をします。
そんな時、
「『癖ってなに?』と疑問に思わないのかな?」
といつも不思議に思います。
要は、ねんざをすることが、ぎっくり腰になることが習慣化されている、
ということなのですが、どうしてそれが習慣化されたのでしょうか?
それは同じ動作(行動)を繰り返すからです。同じ症状(痛みなど)が繰り返し引き起こされます。
例えば、いつも背中を丸めて長時間ゲームをしたりPC作業そしていると腰に負担がかかってぎっくり腰になります。この場合、習慣化されているのはぎっくり腰ではなく、背中を丸めていることです。ぎっくり腰に注目するとどうしようもないと思ってしまいますが、丸まった背中をどうにかすると考えると改善策が見えてきます。
ところが、「癖になっているから仕方ない」という思考が習慣化されていると、なかなか改善策に目が向きません。どんなにトレーナーが丸まった背中とぎっくり腰の関係性を説明しても、仕方ない、どうしようもないと思い込んでいるので説明が入っていきません。
習慣化された思考と行動
〜経験談①〜
私はずっと「夜型だから朝が苦手」と言い続けていました。朝5時まで起きていろと言われたらできるけど、朝5時に起きろと言われるのはイヤ。そんな感じでした。
習慣化された2つの思考:「私は夜型だ」「私は朝が苦手だ」
20年近く前に受けた大きな勉強会で、ある医師が「夜型と朝型のタイプとは生まれた時から決まっていて、その反対を強要するのはとてもストレスになる」と言った話をしていました。この勉強会は、アスリートのストレスについての話だったので、夜型や朝型の話だけではなく、その対処法などの話もあったはずなのですが、私の頭の中で都合よくこの部分だけが切り取られて、しっかり焼き付いてしまいました。
「そうか、私にとって早起きはストレスなんだ。無理に朝早く起きなくていいんだ」と都合よく解釈してしまいました。
しかし実際は、これは効率が悪いと感じてはいました。やりたいことがたくさんあるのに、私の「昼間の時間」というのがとても少ないからです。だから、昼間に時間が必要な時だけ朝早く起きます。ですがそれは私にとってストレスだと思い込んでいたので、翌日はできるだけ朝はゆっくり起きるということを習慣にしていました。
〜経験談②〜
8年くらい前、更年期症状で仕事以外はほとんど寝ている生活を1年続けました。トレーニング指導をしている時以外の休憩時間も床に横になってゴロゴロ。休日も自宅でゴロゴロ。とにかく体を起こしておくのが辛い。本を読んだり、漫画を読んだり、ネットを見たり。そうしたら1年で10Kgくらい太ってしまいました。
習慣化された2つの思考:「更年期だ」「更年期だから仕方がない」
「更年期の時に『どうして動けないんだろう』と思うと余計ストレスになるから、『あぁ私は今更年期なんだ。足掻いても仕方ないから無理せずゆっくり過ごそう』と考えると楽になりますよ」という記事を読みました。この記事にココロは救われました。でもフィジカルは救われませんでした。10Kg太るしとにかく重い。
やってきたコロナ禍
更年期で体が辛くて仕方ないときも、講座や勉強会にはできるだけ参加していました。まさに「辛い体に鞭打ってセミナーに行く」という感じでした。あるセミナーで講演をしていた男性が、オンライン講座を開催しているのを知りすぐに申し込み。
コロナで人々の行動が制限されると、私の仕事に影響が及びます。暇になると焦りが出るので、暇になった時は必ず何かしらの長期間講座に参加するようにしています。
その講座のおかげで、悪い思考と行動が習慣化されていることに気づきました。
朝早く起きると体調が悪くなると思い込んでいるので、朝早く起きるとストレスを感じる。
更年期だからゆっくりして良いと思い込んでいるので、体を動かすことにストレスを感じる。
良い思考と行動を習慣化させる
習慣化された行動を変えるには膨大なエネルギーが必要です。
知識(ざっくりと紹介。脳科学に基づいていますが話すと長くなるので割愛)
朝早く起きると、昼間の時間が長くなってやりたいことをやれるようになる、ということをしっかり知る。やること、やりたいことを書き出す。それに重要度(順番)をつける。やり終えたらチェックを入れる。
ネットやテレビなどから得る情報の中には、脳を疲労させるものがたくさんある。体が動かないからとそういった情報ばかり取り入れると、脳疲労のせいでもっと体が重く感じる。体をできる限り軽くするには、余計な情報を入れないことだ。
行動
正しい知識に納得したら行動します。
とりあえず、いつもより1時間早く起きることを決めました。
講座で教わったマジックワード
「今日が最低最悪。明日は今日より楽になる」
目覚ましが鳴ると、この言葉をつぶやきながら止めます。
何か新しい習慣をつけるとき、“今日”が1番辛く、“明日”は必ず今日より楽になります。“今日”をサボってしまうとまた振り出しに戻るので、エネルギーを使って“今日”を頑張った方が良いのです。
繰り返していくとその行動が習慣になります。習慣化されるとエネルギーは必要無くなります。
私の場合、どの程度の期間頑張ったのか忘れてしまいましたが、1ヶ月も経たないうちに達成することができたように記憶しています。
今では、それからさらに1時間早く起きています。
今より2時間も遅く起きるなんて、時間がもったいなくて想像もできません。
更年期だと思っていましたが(もしかしたら本当に更年期だったのかもしれませんが)、もう昼間の時間帯に寝て過ごすことは無くなりました。
コロナ禍では積極的に勉強をし、空き時間は体を動かしました。
仕事に対して焦りや不安を感じることもなく、おかげでカラダもココロも健康を取り戻すことができ、快適です。
習慣化された思考と行動は、何も考えずに行なっているのでそれが良いことかどうか気づかない人がいます。悪い習慣だと知っていても、新しい習慣を身につけるにはエネルギーがいるので変えることができない人もいます。
どのような人生を送りたいか、今の生活を繰り返した結果の未来は、心の底から望むものであるかどうかを、しっかり把握することが大事ですね。
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株式会社りとるジム
カラダとココロのメンテナンス
www.littlegym.jp
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