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髪と引き換えに時間を手に入れた話

ここ数日で、髪をとても短くした。

数日かかったのは、自分と相談しながら進めたから。

やりくりがヘタクソなので、制作を優先させていたら、美容院に行かないままいつの間にか年末が終わり年始になっていた。

最初は1月2日の夜。

今年の個展は100点以上制作する。間に合うのか?とても不安だった。

と、同時に、最近、髪の世話が面倒になってきていた。私はここのところずっとひとつにまとめられるくらいの長さにしていた。短くしたらどうだろう?

長い間、勇気が出なかった。

しかし、ついに2日の夜に切った。

なんだか嬉しかった。

洗うのも乾かすのも短縮できた。

しかし、翌朝、寝癖が酷かった。

洗う時、短時間になっても、セットに時間がかかるのでは意味が無いのではないか?いっそのこと、うんと短くするのはどうだろう?

3日の夜に、思い切ってハサミで限界まで切った。

スッキリした。

自分自身の姿を見るとビックリするし、このまま人前に出たらぎょっとする人もいるかもしれないので、複雑な気分だったけれど、鏡はそんなに頻繁に見ないし、独りで過ごす分にはとても快適だった。

そして、4日。

もう少しだけ短くしておけば、暫くの間、髪については何の心配も無くなるのではないか?

というわけで、ついに剃刀を使った。けれど、私には向いていないみたいだった。だから、ハサミで切ることにした。昨日限界だと思っていたけれど、まだ切ることが出来た。可能な限り切った。手が限界を迎えた。

ちょっとひやっとする時もある(加減がわからなくて、深剃りしてしまった部分)けれど、大丈夫そうだった。

今回髪を短くしたのは、時間を手に入れたいから、個展の制作に集中したいからだった。

ジェンダーについて思うところがあるとか、開運したいからとか、自己肯定感を上げたいからとか、そういった理由以外でこの人生で自分が髪を短くする日が来るとは思ってもみなかった。しかも、こんなに短く。

駅のトイレとかでビックリされるのは嫌だから、暫くの間、外出の際は帽子を被っていようと思った。髪の代わりに、防護もしてもらえそう。


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