国立能楽堂2024年7月普及公演「飛越・鵺」
狂言「飛越」は動きと言葉の繰り返しが笑いを誘う。
能「鵺」は源頼政に退治された妖怪が亡霊となって旅の僧の前に現れる話。前シテの舟人は黒い長髪で黒い装束、後シテの鵺は赤い長髪で金色の装束というのがすごくかっこいい。後シテの面は恐ろしい形相だが、自らが滅ぼされた様を舞いながら伝えるくだりなど、物悲しい。
能楽の解説を担当した表きよしさん(国士舘大学教授)の「敗者が語る勝者の栄光」の話がわかりやすくて面白かった。「能を鑑賞中に居眠りしてしまって目を覚ましたときに抱く罪悪感は能ならではのもの」というジョークもなかなか。
狂言「飛越(とびこえ)」茂山千三郎(大蔵流)
能「鵺(ぬえ)」髙橋忍(金春流)
2024年7月13日(土)13時開演 国立能楽堂