『寝る前に読む一句、二句。クスリと笑える、17音の物語』夏井いつき、ローゼン千津:俳句から広がる俳人姉妹の軽妙で深いおしゃべり
著名な俳人の夏井いつきさんと、同じく俳人の実妹、ローゼン千津さんが、俳句を一句ずつ紹介しながら、そこから発想を広げたおしゃべりを繰り広げる。深い鑑賞から、思い出話、家族のこと、人生への考察など。
特に次のような句がすてきだった。なぜこんなにすごい句が詠めるのだろう?
いつの間にがらりと涼しチヨコレート 星野立子
(p. 14)
ひんやりとしたチョコレートの舌触りや、口の中で熱く溶けたほろ苦い味わいが感じられる。
親芋の子芋にさとす章魚のこと フクスケ
(p. 46)
野菜の擬人化!一緒くたに煮られて食卓に上がった芋とタコが互いをうかがっている。
胡桃割る胡桃の中に使はぬ部屋 鷹派狩行
(p. 150)
小人さんが住んでいるのかな?とファンタジックに解釈したくなるが、実は哲学的思想に満ちた句らしい。マトリョーシカも思い浮かべてしまった(笑)。
イラストがかわいくてちょっとシュール。
続編として『食卓で読む 一句、二句。お腹がぐぅ~と鳴る、17音の物語』もある。
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