『シブヤで目覚めて』アンナ・ツィマ著:チェコのプラハと渋谷を行き来する日本文学愛あふれる小説
阿部賢一、須藤輝彦 訳。
チェコ出身で日本文学を専攻した作家による、リアル、ファンタジー、ミステリーが入り混じった小説。
プラハの大学院生の女性が、知られざる日本作家(川下清丸[かわしたきよまる]という架空の人物)の作品に出会い、先輩の大学院生の男性と一緒に、作家について調べるストーリー。
その話に、渋谷でさまようある人物(のようなもの)の話が絡んでいく。
村上春樹の小説っぽいイメージがあるかもしれないが、どうだろう。
飽きずにすいすい読める。
ラストは「なぜその人物がそれをその人物に渡したのだ?」という動機が(少なくとも私にはまだ)見えず、少しご都合主義な感じがしたが、何かあるのかも。あるいは単に運命のようなものなのかも。
面白かったので、おすすめ。