ずーっとずっとだいすきだよ
なにをかっても、まいばん
きっと、いってやるんだ。
「ずーっと、ずっと、だいすきだよ」って。
『ずーっとずっとだいすきだよ』ハンス・ウィルヘルム
▷オモイを言葉にする意味
3歳から飼っていた犬がなくなったのは
19歳の冬だった。
小さい頃は一緒に旅行にも出掛けていたし
家族で散歩をしたり、学校から帰ったら
遊んだり、時には喧嘩したり。
この『ずーっとずっとだいすきだよ』は
小学生の頃の教科書に載っていた作品で
まだまだ別れなんて考えることすらなかった。
ただ、高校に入ってからはアルバイトをしたり
友達と遊びに行ったり、家に帰らなかったり。
そうして、高校生のある日帰ってきた時に
とても苦しそうにしている姿を見た時に
ふと、この本のことを思い出して
「大好きだよ。1日でも長く生きてね。」と
言葉にだして伝えていたことがある。
それでも、大学生になった頃には
毎日忙しくしている私たちをよそに
どんどん弱っていき、オムツをつけた生活になって
お世話が大変になっていった。
今でも後悔していることは、無くなる前日。
その日が突然来るなんて予想もしてないから
帰宅して、いつものごとく自分の部屋にかえって
お風呂に入った後眠りについた。
もし、あの日「大好きだよ」と伝えていたら
もし、あの日眠ることなくそばにいたなら
もし、あの日もう一度暖かいまま抱きしめてたら
そう思うと今でも後悔と涙が止まらない。
あれから、今日で7年の月日が経つ。
うちの家族になった日、母の両手にいる子犬が
怖くて泣いていた私が大人になった。
なくなった日、私の手の中におさまっていた
家族をみて、悔しくて苦しくて後悔でいっぱいで
人目も憚らず泣き続けたことをわすれない。
いまだに、家族を新しく迎えることは怖いし
また失ってしまうのが怖い。
それでもいつか私はこの子のときよりも
もっともっともっと愛情を注いで
大切にしたいと思える子を迎えたいと思う。
その時はこの言葉を忘れずに毎晩伝える。
「ずーっとずっとだいすきだよ。」